Archive for 8月 16th, 2007

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エゼリン(eserin)の毒性

木曜日, 8月 16th, 2007
対象物 エゼリン(eserin)=フィゾスチグミン(physostigmine)
成分 サ リチル酸フィゾスチグミン(physostigmine salicylate)は、(毒)サリチル酸エゼリン(eserin salicylate;局6)の別名である。physostigmine
salicylateの他に『硫酸フィゾスチグミン(physostigmine sulfate)』が報告されている。別名:硫酸エゼリン。
physostigmine sulfateはphysostigmine salicylateより水に溶け易い。
一般的性状 基 原:physostigmineは、1864年Jobst及びHesseが西部アフリカ産マメ科 Physostigma venenosum Balf.fil.の種子カラバル豆(Semen
Physostigmatis)中に発見した。翌年結晶として抽出され、eserineと命名した。カラバル豆の主なalkaloidである eserineの含量は0.08-0.1%で、その他にgeneserine、eseridine、eseramine、isophsostigmine、physovenine等を含む。
Physostigma venenosumの種子カラバル豆中に含まれるインドールアルカロイド。アセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害する(抗コリンエステラーゼ薬)。この酵素阻害の結果、臓器中のアセチルコリンが増加し、副交感神経を興奮させるので、アトロピンに拮抗する。種々のカルバメート系のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の創製の基礎となった薬物である。医薬としては瞳孔 収縮に用いられる。
サリチル酸エゼリンは、無色-微黄色の光沢ある結晶で、臭いはない。空気中に長く放置すると赤色を帯びる。本品1gは水75cc、アルコール16cc、クロロホルム6cc 又はエーテル約250ccに溶ける。本品の冷飽和水溶液は中性又は微酸性で、これを放置すると暗所において も1-2時間で赤色を帯びる。本品はエゼリン塩類中で最も結晶しやすく、殆ど引瀑せず、安定な化合物で、乾燥状態では永く放置して初めて着 色する程度であるが、その水溶液あるいはアルコール溶液は、暗所に置いても容易に変化し、ことに加熱するかあるいは容器からアルカリ分が溶出するときは、著しく迅速に赤変する。純粋な遊離塩基は無色であるが、淡赤色を帯びやすい。水に難溶、アルコール、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、CS2に易溶、石油ベンジンに溶けない。塩基の水溶液は強アルカリ性 で、空気並びに日光によって赤色を経て、暗褐色を帯びるに至るが、それは赤色結晶性の色素rubreserineを生ずるようになる。本色素の生成は空気中のNH3を吸収し、またガラスから溶出されるアルカ リでも促進され、酸性で3PO2、H2SO3、H2S、Na2S2O3あるいは発生期の水素によって脱色される。C15H21N3O2=275.35。融点:105-106℃(ベンゼンより再結 晶)。
本品は主として眼科で使用し0.2-0.5%溶液を緑内障、調節麻痺、角膜 炎、角膜潰瘍等に点眼し、虹彩後癒着にアトロピンと交互に使用する。
その他本品は回復術後に起こる急性腸麻痺(手術後腸閉塞症)に0.25-0.5mgを皮下注射すれば腸の緊張を増加させられ、また予防の意味で手術前1-2日にわたって使用する。
本品の水溶液は赤変し易いので、3%のホウ酸を加えて多少安定にする方法もあ るが、使用に際して新製する。微紅色程度のものは使用して差し支えないが、暗赤色の場合は廃棄する。
注射液はチンダル法又は濾過法で殺菌し、容器には溶出のアルカリ分のないガラスを使用する。毒薬。
常用量:1回0.3mg、1日1mg;1回0.5mg(皮下注射)。極量:1回 1mg、1日3mg。
貯 法:遮光した気密容器に貯えなければならない。
毒性 eserinは副交感神経末端の興奮性を亢進し、中枢神経系の諸中枢、例えば脳皮質の運動中枢、呼吸 中枢等を興奮の後麻痺し、末梢運動神経の末端を刺激する。また瞳孔を縮小させ、調節機の痙攣を起こし、眼内血管を収縮させ、眼圧を沈降させることがある。
従って緑内障、ことにその急性のものには眼圧沈降の作用が顕著に現れる。その収瞳作用は、虹彩後癒着の場合に、虹彩に多動性運動を与えて剥離させるために、アトロピンと交互に用いる。その他、一般収瞳の目的に使用するが、本品はアトロピンで散瞳させた瞳孔にも作用して収瞳させ得ること(ピロカルピン及びムスカリンはその場合に用いられない)また薬効が久しく持続する特徴がある。
physostigmineとして、注射又は経口での成人致死量は6mgとす る報告が見られる。
症状 使用に際しての結膜から吸収される量は少ないが、涙管から鼻、咽頭腔に流下して嚥下し、嘔吐、下痢、 発汗、頭痛、流涎、呼吸困難を起こすことがある。
病理所見は脳、肺、胃腸管の充血である。肺水腫も起こることがある。本品によ る中毒の主症状は、呼吸困難である。急性中毒:(内服、注射、粘膜塗布による)振戦、著明な蠕動亢進と便、尿の失禁、縮瞳、嘔吐、四肢の冷汗、気管支収縮による呼吸困難と喘鳴、筋肉の単収縮、失神、徐脈、痙攣、窒息あるいは徐脈による死亡。本品使用後に生命に危険のある心室性不整脈が発生した例がある。
慢性中毒:少量の反復により、急性中毒と同様な症状を呈する。
処置 急性あるいは慢性中毒の治療
1.緊急措置:拮抗剤投与までは、人工呼吸を行う。
2.拮抗剤:アトロピン2mgを緩徐に静注する。必要ならば同量を2-4時間毎に筋注し、呼吸困難をやわらげる。
予  後:アトロピンの投与が可能であれば、直ちに回復する。
予防:physostigmineを投与するときは、直ちに使用できるように アトロピンを手許に用意しておく。
経口摂取の場合:過マンガン酸カリウム(0.2%まで)で直ちに胃洗浄。人工 呼吸、痙攣抑制にグルコン酸カルシウム、痙攣にはジアゼパム5-10mgを緩徐に静注又は筋肉深く投与する。心臓不整脈にはプロプラノロールの静注。アトロピン(2mgを2-4時間おきに)静脈注射し、その後皮下注射すると筋活動と呼吸困難の反作用。しかし激しい頻脈や心臓不整脈を惹起することがあるの報告。
事例 「薬 はなんですか?」と私はたずねた。「砒素?」
「いや。まだ解剖結果の報告は受けていませんが………医師の見解ではエゼリンだそうです」
「ちょっと変わっているな。それじゃ、買い手を捜すんだってわけないでしょう?」
「ところが、そうじゃないんです。老人の常用薬なんですよ。目薬なんです」
「レオニデスは糖尿病でね」と父が言った。「定期的にインシュリンの注射をしていた。インシュリンはゴムの蓋をした小瓶に入れてある。皮下注射器の針を、このゴムの蓋に通して注射液を吸い上げるわけだ」
そのつぎは私にも想像がついた。
「瓶の中にインシュリンじゃなくて、エゼリンが入っていたというわけですね?」
「そのとおりだ」「だれが注射したんです?」と私はたずねた。
「婦人さ」[アガサ・クリスティー(田村隆一・訳):ねじれた家;早川書房,2004]。
備考 そ の他、physostigmine salicylate注の製品として、米国では『Antilirium(Forest Pharma-ceuticals,Inc.)』が市販されているの報告が見られる。用法・用量等は以下の通りである。
[適応]三環系抗うつ薬、アトロピン、スコポラミン過剰投与に対する解毒。緑内障。
[用]成人:1回2mgを20分毎に静注又は筋注。小児:1回0.01-0.03mg/kgを15-30分毎に静注。総投与量2mgまで。その他、国内では院内製剤として、次の製剤処方が報告されている。0.1%-サリチル酸フィゾスチグミン注射剤(院内製剤)

サリチル酸フィゾスチグミン(6局-試薬)   0.1g
メタ重亜硫酸ナトリウム(試薬)         0.1g
クエン酸(試薬)                 0.01g

クロロクレゾール(試薬)            0.2g
塩化ナトリウム(局方)            0.9g
注射用水               全量  100mL
調製法:注射用水(局方)にサリチル酸フィゾスチグミン、メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、クロロクレゾール、塩化ナトリウムを溶解し、全量100mL
とする。次いでメンブランフィルター(0.45μm)を用いて濾過し、褐色アンプルに分注し、熔封する。100℃-30分間高圧蒸気滅菌を行う。
規格単位:1mg/mL/管

貯法:褐色アンプル(1-2mL)、冷暗所保存。
適応:健忘症候群に対する治療(記憶力増強作用)。術後の麻酔緩和。
用法・用量:皮下注射
使用期限:1年
特記事項:サリチル酸フィゾスチグミン1gは水90mLに溶ける。pHは4以下に保つ。赤く変色したものは、使用不可。副作用として悪心、嘔吐がある。

類似処方

[1]0.1%-フィゾスチグミン注射液

サリチル酸フィゾスチグミン    50mg
メタ重亜硫酸ナトリウム      50mg
塩化ナトリウム          450mg
クエン酸一水和物          6mg
注射用水              50mL
適応:麻酔の覚醒遅延、中枢性副作用の拮抗薬

[2]0.1%-サリチル酸フィゾスチグミン注射剤

サリチル酸フィゾスチグミン   0.1g
生理食塩水       全量  100mL

文献 1) 縮刷第六改正日本薬局方註解;南江堂,1954

2)飯野靖彦・監訳:スカット・モンキーハンドブック;MEDSi,2003
3)日本病院薬剤師会・編:病院薬局製剤 第5版;薬事日報社,2003
4)薬科学大辞典 第2版;広川書店,1990
5)今堀和友・他監修:生化学辞典 第3版;東京化学同人,1998
6)山村秀夫・監訳:中毒ハンドブック 第11版;廣川書店,1990
7)白川 充・他共訳:薬物中毒必携-医薬品・化学薬品・動植物による毒作用と治療指針 第2版;医歯薬出版株式会社,1989

調査者 古泉秀夫 記入日 2005.5.27.

アコニチン(aconitine)の毒性

木曜日, 8月 16th, 2007
対象物 アコニチン(aconitine)。
成分 アコニチン。[英]aconitine、[独]Aconitase、[仏]aconitine。
一般的性状 柱 状晶、C34H47NO11=645.75。クロロホルム、ベンゼンに可溶、エーテル、 乾燥エタノールに僅かに溶ける。水、石油エーテルに殆ど不溶。比較的不安定で、アルカリと加熱すると速やかに加水分解して脱アセチル化及び脱ベンゾイル化を起こし、無毒のアコニン(C25H41NO9)になる。aconitineはキンポウゲ科トリカブト属(Aconitum)植物に含まれるジテルペンアルカロイド。aconit-alkaloid中の代表的なエステル型アルカロイド。融点204℃。
毒性 猛 毒性で、激しい神経麻痺作用を示し、植物毒のうちで最も強力な物に属する。直接心臓に作用し、呼吸器を麻痺する。LD:0.4mg/kg(ネコ、皮下)。
LD50(経口)1mg/kg程度。
致死量は成人で3-5mg。LD50(マウス・静注) 0.166mg/kg、(マウス・腹腔)0.308mg/kg。
摂取により呼吸困難、心臓発作を惹起する。これは神経細胞のNaチャンネルの透過促進作用に関連する。電位依存性NaチャンネルのレセプターサイトIIに結合し、持続的興奮を引き起こすため脱分極が起こる。
症状 初 期は口腔・咽頭灼熱感、しびれ、血圧上昇、心拍動亢進、次いで嘔吐、流涎、刺激伝導障害性不整脈、拡張期心停止、肺浮腫、体温下降、局所麻酔作用、筋運動抑制が見られる。
重篤の場合は発症後6時間以内に死にいたる。
処置 * 催吐、
*胃洗浄(1000倍稀釈の過マンガン酸塩溶液)、
*吸着剤(活性炭、牛乳、タンニン酸液投与)、
*塩類下剤投与
排泄促進
*血液透析は無効。血液吸着は有効との報告あり。
対症療法
*カリウム値の補正*不整脈の治療
心室性期外収縮、心室性頻拍にリドカイン投与
迷走神経刺激による不整脈や房室ブロックにフェ?? ニトイン投与、ペー スメーカー挿入
*ステロイド投与
*抗けいれん剤、鎮痛剤投与
全身管理
*輸液
*酸素吸入と人工呼吸

*循環動態の安定化

事例 ドクター・ラムスンの犠牲者は、18歳になるびっこの甥なんだが、彼はその甥を、アコニチン入りの干しぶどうをダンデエ・ケーキに焼き込むという方法で殺したのだ。しかも、少年と少年の学校の校長がいる前で、ケーキを切り分けてさえいるんだから驚くよ。三人一緒に、茶卓を囲んで食べたので、少年だけが毒にやられたときも、彼は潔白を主張できたんだ。この手口は、わしもなにかの小説で読んだ覚えがあるな [宇野利泰・訳(ディクスン・カー:Dickson
Carr):緑のカプセルの謎;創元推理文庫,2002]
備考 本編中で実際に使用される毒薬はストリキニーネと青酸であるが、探偵役であるフェル博士が、実際に報告されている過去の毒殺犯についての蘊蓄を語る中で、『アコニチン』を使用した殺人者を紹介したのが上記の部分である。我が国における実際的な事件で、毒薬を使った事件は比較的少ないのではないかと思われるが、英・仏等の外国では、連続毒殺犯や大量毒殺犯の有名人がひしめいているようである。特に王政時代の貴族階級やその取り巻き連中は、毒使いに精通していたのではないかと思われる話が記述されている。
文献 1) 薬科学大辞典 第2版;広川書店,1990
2)志田正二・代表編:化学辞典;森北出版,1999
3)今堀和友・他監修:生化学辞典第3版;東京化学同人,1998
4)Anthony T.Tu:毒物・中毒用語辞典;化学同人,2005
5)西 勝英・監修:薬・毒物中毒救急マニュアル 改訂6版;医薬ジャーナル,2001
調査者 古泉秀夫 記入日 2005.10.17.

悪夢等を惹起する薬剤

木曜日, 8月 16th, 2007

KW:悪夢・悪夢障害・nightmare disorder・夢不安障害・異夢・多夢・魔夢・浅眠多夢・REM睡眠・

悪夢:悪夢障害(nightmare disorder)[夢不安障害]。睡眠中に生命や安全を脅かす程の強い不安と恐怖を伴う、長く鮮やかで生々しい夢を見て覚醒する現象。常にレム睡眠(REM睡眠)から覚醒し、睡眠後半に多く、覚醒後は見当識も良好で、夢体験を詳細に述べることができる。

dreaming sleep(夢見る睡眠)→desynchronized sleep:非同期性睡眠。脳波は低電位で速く、急速眼球運動(REM)、不規則な心拍と呼吸、不随意運動、覚醒に対する高い閾値などを特徴とする睡眠期間。非同期性睡眠の持続時間は5-20分で、正常な夜間睡眠中には約90分間隔で出現する。この睡眠期間中にしばしば夢を見、学者によってはこの期間を最も爽快にする睡眠と考えている。

以上は睡眠時随伴症に属する一つの現象として報告されているが、薬原性に発生するものとして添付文書の精神神経系の項に『悪夢・異夢・多夢・魔 夢・夢不安障害・浅眠多夢』の記載がされている。

  • 魔夢:悪夢の同意語。
  • 多夢(浅眠多夢):入眠時のうとうとしたREM睡眠期に頻繁に発生する夢。
  • 異夢:多夢の同意語。

β-遮断薬による悪夢の発現機序

  1. 血液脳関門を通過したβ-遮断薬がセロトニンレセプターを遮断する。
  2. 血液脳関門を通過したβ-遮断薬の非特異的な膜安定化作用による。
  3. 血液脳関門を通過したβ-遮断薬の部分的β-レセプター刺激作用による。
  4. 末梢のβ-遮断作用が自律神経系を介する中枢への反射機構に影響する。

等の報告がされているが、真の作用機序は解明されていない。また、β-遮断薬による悪夢を含む中枢神経作用は脂溶性が高いものほど脳内薬物濃度が高くなり、発現頻度が高くなるとされているが、海外の臨床研究の結果では、脂溶性の高いものほど悪夢の発現頻度は高くなる傾向にあるが、有意差は見られないとされていることから脂溶性は一つの目安とする方がよい等の報告がされている。

[分類]一般名・商品名(会社名) 副作用 発現機序等
[116]amantadinehydrochloride
シンメトレル錠・顆粒(ノバルティス)
悪夢(頻度不明) amantadineの血漿中濃度が1-5μg/mLになると中枢神経毒性が発現する。本剤による悪夢の発現は、本剤の中枢神経毒性に由来すると推定される(4。
[625]amprenavir
プローゼカプセル(キッセイ)
異夢
(1.6%)
血液-脳関門通過性に関するデータはないとされるが、中枢神経毒性を類推する副作用が報告されている[IF,1999.10]。
[212]atenolol
テノーミン錠(アストラゼネカ)
悪夢
(0.1%未満)
atenololは 極め親水性で、極く限られた程度しか脳内に移行しない(4。中枢に移行したβ-遮断薬がアミン作動性ニューロンの活性を抑制するため、コリン作動性ニュー
ロンの脱抑制が生じ、NREM睡眠からREM睡眠への移行が誘発され易くなり、夢を見易くなると考えられる。
[214]benzylhydrochlorothiazide・ reserpine・carbazochromeベハイドRA錠(杏林) 悪夢
(頻度不明)
[大量・長期]
reserpine による副作用の大部分は中枢神経系に及ぼす作用によって惹起される(4。本剤による悪夢の発現も同様の作用によるものと類推される。
[214]betaxolol hydrochloride
ケルロング錠(田辺三菱)
悪夢(0.1%未満) 本剤はCNS (central-nervous-system:中枢神経系)作用を発現する(4。本剤による悪夢の発現は本剤のCNS作用によると類推される。
[214]bunitrolol hydrochloride
ベトリロール錠(ベーリンガー)
悪夢
(0.1%未満)
[114]buprenorphine hydrochlorideレペタン注・坐薬(大塚) 悪夢
(0.1%未満)
buprenorphine は脂溶性の高いアヘン類である。本剤はCNS(central-nervous-system:中枢神経系)作用を発現する(4。本剤による悪夢の発現は
本剤のCNS作用によると類推される。
[114]butorohanol tartrate
スタドール注(ブリストル)
悪夢
(0.1-5%未満)
本剤はCNS (central-nervous-system:中枢神経系)作用を発現する(4。本剤による悪夢の発現は本剤のCNS作用によると類推される。
[212]carteolol hydrochloride
ミケラン錠・細粒(大塚)
悪夢(0.1%未満) 中枢に移行したβ- 遮断薬がアミン作動性ニューロンの活性を抑制するため、コリン作動性ニューロンの脱抑制が生じ、NREM睡眠からREM睡眠への移行が誘発され易くなり、
夢を見易くなると考えられる。
[117]clomipramine hydrochloride
アナフラニール錠・注(ノバルティス)
悪夢
(頻度不明)
clomipramine は若干の中枢神経抑制作用を示す(1。本剤による悪夢の発現は、本剤のCNS作用によると類推される。
[625]delavirdine mesilate
レスクリプター錠(第一三共)
夢の変化、悪夢
[2%未満又は頻度不明]
delavirdine は血液脳関門を通過するとされており、本剤による悪夢等の発現は本剤のCNS作用によると類推される[医薬品概要,2000.4.]。
[116]droxidopa
ドプスカプセル・細粒(大日本住友)
悪夢
(0.1%未満)
droxidopa は血液脳関門を通過するとされている(1。本剤のCNS作用により悪夢等が発生すると類推される。
[625]efavirenzストックリンカプセル(万有) 異夢、悪夢
(1-10%未満)
efavirenz は血液脳関門を通過するとされており、本剤による異夢・悪夢の発現は本剤のCNS作用によるものと類推される[IF,1999.9.]。
[449]epinastine hydrochloride
アレジオン錠(ベーリンガー)
悪夢
(0.1%未満)
epinastine の血液脳関門通過に関する資料はないとされるが、血液脳関門を通過し難く、中枢神経系に対する作用が弱い化合物であることが推察されたの報告があり、
CNS作用により悪夢等が発生すると類推される[IF,1995.10.]。
[449]fexofenadine hydrochloride
アレグラ錠(アベンティス)
悪夢(0.06%未満) fexofenadine の血液脳関門通過に関する資料はないとされるが、脳へ移行し難く、中枢抑制作用の弱い薬剤であることが確かめられたとされているが、本剤のCNS作用によ
り悪夢等が発生すると類推される[IF,2000.9.]
[112]fludiazepam
エリスパン錠・細粒(大日本住友)
多夢
(0.1%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[625]ganciclovir
デノシン注・カプセル(田辺三菱)
異夢
(頻度不明)
ganciclovir は血液脳関門を通過するとされており、本剤のCNS作用により異夢等が発生すると類推される。
[112]haloxazolam
ソメリン錠・細粒(第一三共)
多夢
(0.05%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[214]hydrochlorothiazide・ reserpineエシドライ錠(ノバルティス) 悪夢
(頻度不明)
[大量・長期]
reserpine による副作用の大部分は中枢神経系に及ぼす作用によって惹起される(4。本剤による悪夢の発現も同様の作用によるものと類推される。
[625]lopinavir・ ritonavirカレトラソフトカプセル(大日本住友) 多夢
(2%未満)
ritonavir では血液脳関門通過性に関する資料はないとされているが、ラットでは脳内に分布するの報告[IF,1997.11.]。本剤のCNS作用により多夢等が発
生すると類推される。
[112]lormetazepam
ロラメット錠(ワイス)
多夢
(0.1%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[117]maprotiline hydrochloride
ルジオミール錠(ノバルティス)
悪夢(0.02%) maprotiline は血液脳関門を通過すると報告[IF,1993.6.]されており、本剤のCNS作用により悪夢等が発生すると類推される。
[112]medazepam
レスミット錠(塩野義)
浅眠多夢
(0.1%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[641]mefloquine hydrochloride
メファキン錠(エスエス)
魔夢、異夢
(頻度不明)
mefloquine の血液脳関門通過性に関する資料はないと報告されている。ただし、動物実験の結果として脳への移行が報告されている[IF,2001.10.]。本剤の
CNS作用により魔夢等が発生すると類推される。
[214]methyldopa
アルドメット錠(万有)
悪夢
(頻度不明)
methyldopa はCNSでメチルノルエピネフリンに代謝され、脳幹のα2-受容体を刺激することによりCNSから末梢への交感神経興奮発射を減少させると報告されている
(4。本剤による悪夢の発現はCNS作用によると類推される。
[214]metoprolol tartrate
セロケン錠(アストラゼネカ)
悪夢
(0.1%未満)
β-アドレナリン性 拮抗薬の中枢神経系に帰結する副作用は疲労、睡眠障害(不眠、悪夢含む)並びに抑うつである。様々なβ-遮断薬のCNS作用による副作用の原因として脂質
親和性との相関に興味が持たれてきたが、明確な相関関係は明らかでない(4。
[112]mexazolamメレックス錠・細粒(第一三共) 多夢(0.1%未 満) benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[112]midazolam
ドルミカム注(山之内)
悪夢(0.1-5%未満) benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[449]montelukast sodium
キプレス錠・チュアブル錠(杏林)
異夢(頻度不明) montelukast について、動物実験の結果血液脳関門通過性は低いと報告[IF,2001.6.]されているが、本剤のCNS作用により異夢等が発生すると類推される。
[625]nevirapine
ビラミューン錠(ベーリンガー)
異夢(0.2%)、 悪夢(0.1%) nevirapine は動物実験の結果として血液脳関門を通過すると報告されている[IF,1998.11.]。本剤のCNS作用により異夢等が発生すると類推される。
[799]nicotin
ニコチネルTTS(ノバルティス)
異夢、悪夢
(0.1-5%未満)
禁煙の目的で使用さ れるnicotinは、ニコチン性アセチルコリン受容体に作用することによって中枢神経、自律神経、骨格筋などに作用する(7。本剤による異夢・悪夢の発
現は本剤の中枢神経作用によると類推される。
[212]oxprenolol hydrochlorideトラサコール錠(ノバルティス) 悪夢
(頻度不明)
β-アドレナリン性 拮抗薬の中枢神経系に帰結する副作用は疲労、睡眠障害(不眠、悪夢含む)並びに抑うつである。様々なβ-遮断薬のCNS作用による副作用の原因として脂質
親和性との相関に興味が持たれてきたが、明確な相関関係は明らかでない(4。
[811]oxycodone hydrochloride
オキシコンチン錠(塩野義)
異夢、悪夢
(5%未満)[添付文書,2003.4.]
oxycodone の作用部位は脳内であり、脳内における消失は、他の組織に比べて緩やかであったと報告されている[添付文書,2003.4.]。本剤による悪夢の発現は本
剤によるCNS作用によると類推される。
[214]penbutolol sulfate
ベータプレシン錠(アベンティス)
悪夢
(0.1%未満)
β-アドレナリン性 拮抗薬の中枢神経系に帰結する副作用は疲労、睡眠障害(不眠、悪夢含む)並びに抑うつである。様々なβ-遮断薬のCNS作用による副作用の原因として脂質
親和性との相関に興味が持たれてきたが、明確な相関関係は明らかでない(4。
[212]pindolol
カルビスケン錠(チバガイギー)
悪夢
(頻度不明)
[212]propranolol hydrochloride
インデラル錠・注(アストラゼネカ)
悪夢
(0.1-5%未満)
[112]quazepam
ドラール錠(田辺三菱)
夢魔(頻度不明) benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[117]quetiapine fumarate
セロクエル錠(アストラゼネカ)
魔夢
(0.2%)
quetiapine は血液脳関門を通過し、脳内ドパミンD2受容体及びセロトニン5HT2受容体を占有することが確認されているの報告[IF,2000.12.]。本剤によ
る魔夢の発現は本剤によるCNS作用によると類推される。
[214]rescinnamine
レシナミンD錠(イセイ)
悪夢
(0.1-5%未満)
reserpine による副作用の大部分は中枢神経系に及ぼす作用によって惹起される(4。本剤による悪夢の発現も同様の作用によるものと類推される。
[214]reserpine
アポプロン錠・注(第一三共)
悪夢
(5%以上又は頻度不明)
[625]ritonavir
ノービアソフトカプセル(大日本住友)
異夢(2%未満) ritonavir では血液脳関門通過性に関する資料はないとされているが、ラットでは脳内に分布するの報告[IF,1997.11.]。本剤のCNS作用により多夢等が発
生すると類推される。
[625]saquinavir
フォートベイスカプセル(中外)
多夢
(頻度不明)[添付文書,2002.10]
血液脳関門通過性に 関する資料はないとされる。しかし、低濃度であるが髄液への移行が報告されており、本剤は血液脳関門を通過すると考えられる[IF,2000.4.]。本
剤による多夢の発現は本剤のCNS作用によると類推される。
[625]saquinavir mesilate
インビラーゼカプセル(中外)
多夢
(頻度不明)
[116]selegilineエフピー錠(藤本) 多夢
(0.1-5%未満)
MAO阻害薬は REM睡眠に対し非常に有効な抑制薬であるとされており、本剤による多夢の発現は本剤によるCNS作用によると類推される。
[116]talipexole hydrochloride
ドミン錠(ベーリンガー)
悪夢
(0.1-5%未満)[添付文書,2003.3.]
talipexole の血液脳関門通過性に関する資料はないとされる。ただし、本剤は脳内の線条体シナプス後膜のドパミンD2受容体を選択的に刺激することで抗パーキンソン作
用を示すとされている[IF,1996.4.]。本剤による悪夢の発現は、本剤のCNS作用によるものと類推される。
[112]tandospirone citrate
セディール錠(大日本住友)
悪夢(0.1%未 満) 脳内セロトニン受容 体のサブタイプ5-HT1A 受容体に選択的に作用するとされている(1。本剤による悪夢の発現は本剤によるCNS作用によると類推される。
[131]timolol maleate
チモプトール点眼液(万有)
悪夢
(頻度不明)
β-アドレナリン性 拮抗薬の中枢神経系に帰結する副作用は疲労、睡眠障害(不眠、悪夢含む)並びに抑うつである。様々なβ-遮断薬のCNS作用による副作用の原因として脂質
親和性との相関に興味が持たれてきたが、明確な相関関係は明らかでない(4。
[112]triazolam
ハルシオン錠(ファイザー)
多夢、魔夢
(0.1%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。
[117]trazodone hydrochloride
デジレル錠(ファイザー)
悪夢(頻度不明) trazodone の血液脳関門通過性に関する資料はないとされる。ただし、脳内でのセロトニン取込阻害作用はノルアドレナリンに比べて選択的であるとする報告がある
[IF,1993.11.]。本剤による悪夢の発現は本剤によるCNS作用によると類推される。
[112]zolpidem tartrateマイスリー錠(アステラス) 悪夢
(0.1-5%未満)
benzodiazepin 系薬剤は、中枢神経系のGABA 機能を促進することにより不安・緊張緩和、入眠状態を構成するとされている(7。本剤のCNS作用により多夢等が発生すると類推される。

[015.11.DRE:2003.10.7.古泉秀夫・2003.12.5.修正]


  1. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2003
  2. 伊藤正男・他編:医学大辞典;医学書院,2003
  3. 和田 攻・総監修:医学生物学大辞典[下];朝倉書店,2001
  4. 藤原元始・他監訳:グッドマン・ギルマン薬理書 第8版;廣川書店,1992
  5. http://square.umin.ac.jp~jin/text/bad-dream.html,2003.10.6.
  6. 菱川泰夫:日本における睡眠障害診療の現況;日本医事新報,No.3974:2-6(2000.6.24.)
  7. 峠哲雄:特集睡眠障害-薬剤による睡眠障害;医薬ジャーナル,37(8):2367-2372(2001)
  8. 石田悟・他:β-遮断剤・プロプラノロールによるCNS障害の事例;薬局,45(12):2369-2377(1994)

アレルギー既往歴患者の鎮痛・解熱剤選択

木曜日, 8月 16th, 2007

[但し、いわゆる風邪・急性上気道炎]

KW:解熱剤・鎮痛剤・風邪薬・急性上気道炎・アレルギー既往歴患者・過敏症・ピリン疹・アスピリン喘息・小児薬用量

ピリン系解熱鎮痛薬 [禁忌]ピリン疹既 往歴者(本剤又はピラゾロン系化合物)・アスピリン喘息。[慎重]食物アレルギー既往・近縁者薬物アレルギー既往。[警告]ショック等の重篤な副作用。*メチロン坐薬(100mg/個)-小児投与量

乳児:50-100mg

2?3歳:100mg

3歳以上:100-200mg

スルピリン (sulpyrine)[商]スルピリン(各社)[商]メチロン注(第一)[商]メチロン坐薬(第一)
ピリン系解熱鎮痛薬-合剤
アンチピリン・カフェイン・ クエン酸[商]ミグレニン(各社)スルピリン・アミノプロピリン・テオクル酸ジフェニールピラリン・(添加剤:ベンジルアルコール)[商]オベロン注(日本新薬)
非ピリン系解熱鎮痛薬  
アセトアミノフェン(acetaminophen)[商]ピリナジン(山之内)[商]ナパ(アストラ)

[商]ピレチノール(岩城)

 
非ピリン系解熱鎮痛薬-合剤  
シメトリド・無水カフェイン[商]キョーリンAP2(杏林)サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン[商]PL顆粒(塩野義)

[商]ピーエイ錠(吉富)

[禁忌]本剤成分過敏症既往者・アスピリン喘息。*acetaminophenについて、添付文書中に「アスピリン喘息」は[禁忌]とされているが、アスピリン喘息既往者に対しても安全に投与可能とする 報告がされている。WHOの喘息ガイドラインでも使用可能な消炎・鎮痛剤にリストアップされている(但し、初期は半量から投与し、2?3時間症状観察)。*1包当たり150mg含有のPL顆粒はアスピリン喘息患者に使用可能の報告。しかし、負荷試験成績の結果、安全とされる報告は全て600mg以下。*喘息患者の場合、寛解期よりも有症状期の方が負荷閾値が低下することはよく知られている。従ってアスピリン喘息患者が、少しでも喘息症状を伴っていると きは、通常使用量のacetaminophenでも危険といえる。

*アスピリン喘息の患者に対し、高用量のacetaminophenは[禁忌]である。

*acetaminophen坐薬小児投与量

[商]アンヒバ(北陸)

[商]アルピニー坐薬(エスエス)

1歳未満:50mg・1-3歳未満:50-100mg・3-6歳

未満:100mg・6-12歳:100-200mg

*1歳未満:安全性未確立-慎重投与。

サリチル酸製剤 [禁忌]本剤成分又 はサリチル酸製剤過敏症既往者、アスピリン喘息。[重要な基本的注意]「サリチル酸系製剤とライ症候群との因果関係は明らかでないが、関連性を疑わせる疫学調査報告がある。15歳未満の水痘・インフルエ ンザの患者にやむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する」*サリチル酸製剤:アスピリン(アセチルサリチル酸)・サリチル酸ナトリウム・サザピリン(サリチロサリチル酸)。*サリチルアミド・エテンザミドについては、他のサリチル酸系薬剤と異なり代謝によりサリチル酸を生じないが、一層の安全性の観点から同様の使用上の注意 記載。

*アスピリン喘息誘発の機序については未だ明確にされていないが、アラキドン酸カスケードにおけるサイクロオキシゲナーゼ(COX)抑制作用と関連がある とされている。しかし、化学構造上の類似性は必ずしも見られない。aspirinとインドール系酢酸のindometacinは強力な誘発作用を持つが、 構造は全く異なっている。

*同じサリチル酸系であっても、sodium salicylate(サリチル酸ナトリウム)はaspirinとは異なり殆ど誘発作用がない。

*消炎・鎮痛剤であっても、塩基性のものでは誘発作用はあっても弱いか殆どない。

アスピリン・アスコルビン酸[商]EAC錠(富山)アスピリン・ダイアルミネート・炭酸マグネシウム[商]バファリン錠(ライオン)

サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・マレイン酸クロルフェニラミン

[商]ペレックス顆粒(大鵬)

[商]エルエルシロップ(三共)

*サリチル酸 [禁忌]本剤成分過 敏症既往者・アスピリン喘息。*アスピリン喘息誘発作用の特に強力なものaspirin、indometacin、ibuprofen、aminopirin、diclofenac、naproxen、piroxicam等*アスピリン喘息誘発作用のかなり強いもの

mefenamic acid、flufenamic acid等

アスピリン (aspirin)[商]アスピリン(各社)
*フェナム酸
フルフェナム酸アルミニウム(alminum flufenamete)[商]オパイリン錠(大正)メフェナム酸(mefenamic acid)[商]ポンタール(三共)
*アリール酢酸
ジクロフェナックナトリウム(diclofenac sodium)[商]ボルタレン(ノバルティス)フェンブフェン(fenbufen)

[商]ナパノール

(ワイスレダリー)

インドメタシン(indometacin)

[商]インダシン(万有)

アセメタシン(acemetacin)

[商]ランツジール(興和)

*塩基性抗炎症薬
エピリゾール (epirizole)[商]アナロック(ファイザー)[商]メブロン(第一)塩酸チアラミド

(tiaramide hydrochloride )

[商]ソランタール(藤沢)

OTC-塩化リゾチーム配合剤 [禁忌]本剤成分過 敏症既往者・卵白アレルギー(本剤の成分は卵白由来の蛋白質で卵白アレルギーがある患者においてアナフィラキシーショックを含む過敏症状の報告)[慎重]アトピー性皮膚炎、気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギー等のアレルギー素因(アレルギー性素因のある患者は薬剤含む各種アレルゲンに対し て感作を受けやすくアナフィラキシー様反応を起こすおそれ)・近縁者アレルギー症状既往
カゼエッフル( 共栄製薬)3包中:60mgカゼチームカプセル(大協薬品)6ap.中:60mgカゼデスカL錠(テイカ製薬)6錠中:60mgカドリンカゼカプセル(共栄製薬)6 Cap.中: 60mg

コルゲンコーワエアライン(興和)6 Cap.中:90mg

コルゲンコーワエアライン顆粒(興和) 3包中: 90mg等

1.上記の報告からacetaminophenに過敏症の既往歴がなく、他の鎮痛・解熱剤に過敏症の既往歴のある場合、 acetaminophenの使用が可能である。但し、その場合投与量に注意する。また、アスピリン喘息患者が、少しでも喘息症状を伴っているときは、通 常使用量のacetaminophenでも危険といえるの報告がされているため、そのような事例では本剤の投与を回避する。

2.非ステロイド性抗炎症薬のうち「急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎)」の承認適応を有する薬剤があるが、これらの薬剤に対す る過敏症の既往歴者では、acetaminophen又は塩基性抗炎症薬の使用が可能である。acetaminophenの承認適応は「鎮痛及び急性上気 道炎の解熱・鎮痛」であり、塩基性抗炎症薬のうちepirizole、tiaramide hydrochlorideは「急性上気道炎の鎮痛」が適応症として承認されている。ただし「解熱」は含まれていない。

また、塩基性抗炎症薬のうちemorfazone[ペントフィル錠(HMR)]については、1994年当時再評価対象外であったため、[禁忌] 欄に「アスピリン喘息」の記載はされていない。しかし、適応症として「急性上気道炎の鎮痛」は承認されていない。

3.OTCの風邪薬の場合、上記1及び2を参照するほか、卵白アレルギー等の既往者では塩化リゾチーム配合剤に注意する。

上記の各薬剤に対し、いずれも過敏症の既往がある場合には、漢方製剤の使用も選択肢の一つである。

[015.11ALL:1999.3.18.古泉秀夫]

[2003.5.7.第二改訂.古泉秀夫]


  1. 高久史麿・他監:治療薬マニュアル;医学書院,1999
  2. 厚生省医薬安全局:医薬品等安全性情報 No.151:2(1998.12.)
  3. 権田秀雄・他:アスピリン喘息;医薬ジャーナル,24(5):999-1003(1988)
  4. 谷口正実・他:アスピリン喘息に対する解熱鎮痛薬の安全に使用法-質疑応答第25集;日本医事新報社,1998
  5. 栃木隆男:アスピリン喘息患者の感冒罹患時における麻黄附子細辛湯の使用経験;漢方診療,11(9):29-31(1992)

治験薬一覧:Z

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:ZD-1033

<一般名:anastrozole>

概要

[商]アリミデックス(アストラゼネカ)。アロマターゼ阻害剤。閉経後乳癌。申請中。[剤型]錠剤。抗癌剤・ホルモン療法剤。オーファン指定。本薬はアロマターゼ阻害作用を有するtriazole誘導体で、アロマターゼを阻害することによりestrogen産生を抑制し、estrogen依存性乳癌を退縮させる。血栓症の副作用が少ないことが特徴とされる。閉経後の進行乳癌を適応とした経口タイプの1日1回投与が可能な抗癌剤として開発。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:ZD-1694

<一般名:raltitrexed>

概要

[治験薬]
注射剤。ラルチトレキセド。葉酸を基本骨格とするTS(thymidylate synthase)阻害剤で、TSの葉酸補酵素結合部位に結合し、直接的にTSを阻害することによりDNA合成を阻害する。RNA系に影響を及ぼさないため、毒性が少ないと考えられる。化学療法未治療の進行結腸・直腸癌に対する治験報告がされている。副作用として悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感。後期第II相臨床試験。ゼネカ。

出典

高杉益充:月刊ミクス,3:92-93(2000)

治験記号:ZD-4522

<一般名:meloxicam>

概要

HMG-CoA還元酵素阻害剤。本剤がLDL-コレステロールを65%以上低下させ、HDL-コレステロールを14%上昇させるなど、先行するスタチン剤を上回るプロファイルと共に高い認容性が確認されたとしている。英・アストラゼネカ社に導出。臨床第III相試験。海外で2001年第2四半期に申請予定。塩野義-アストラゼネカ社。

出典

月刊ミクス,9:113(2000)

治験記号:ZOL

<一般名:zolpidem tartrate>

概要

ゾルピデム(ZOL)は、仏・Synthelabo Recherche社が見出したimidazopyridine骨格を有する非ベンゾジアゼピン(非BZD)系睡眠薬である。海外では71カ国で既に上市されている。本薬はBZD系薬剤に共通する鎮静催眠、抗痙攣、筋弛緩及び抗不安作用のうち鎮静催眠作用に選択性が高く、抗痙攣作用、運動失調作用は鎮静催眠作用の1/8?1/16であることが示されている。本剤の鎮静催眠作用は速効性、短時間作用型という特徴を有する。抗不安作用が弱いために、反跳性不安が起こりにくいことも期待されている。

出典

医薬ジャーナル ,36(8):2186-2187(2000)

治験薬一覧:Y

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:Y-128

<一般名:——–>

概要

糖尿病性神経障害治療薬。前臨床段階(ウェルファイド-武田)

出典

月刊ミクス,3:38(2001)

治験記号:Y-24180

<一般名:israpafant>

概要

[商]パフノール(ウェルファイド)。PAF拮抗薬、気管支喘息。申請中。[剤型]錠剤。チエノトリアゾロジアゼピン誘導体でPAFと競合してレセプターに競合し、PAFにより惹起される種々の反応を抑制する。気管支喘息への効果が期待されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:Y-39983

<一般名:——–>

概要

ROCK(Rho-associated coiled-coil forming protein kinase inhibitor)阻害作用を有する緑内障治療薬。前臨床段階(ウェルファイド-千寿)。本品は低分子量蛋白(Rho)の標的蛋白の一つであるp-160ROCKを特異的に阻害することにより血管平滑筋を弛緩させ、血圧を低下させる作用を有し、緑内障治療薬として開発されている。本品は点眼時の刺激が少なく、眼圧を持続的に低下させ、網膜への血流を高めるとしている。[剤型]点眼剤。

出典

月刊ミクス,3:38(2001)・明日の新薬;CD-rom版,1988

治験記号:YM-087

<一般名:conivaptan hydrochloride>

概要

[治験薬]
「低ナトリウム血症」。電解質異常のうちで最も多いのは低ナトリウム血症であるが、大部分の低ナトリウム血症は水利尿不全に伴うものでarginine-vasopressinの分泌過剰が関与する。AVPによる分泌過剰に対する対症療法としてAVPの受容体結合を阻害するAVP受容体拮抗剤が開発されている。薬剤にはペプチド性と非ペプチド性がある。経口投与可能な非ペプチド性AVP受容体拮抗剤のうちV1及びV2受容体拮抗剤として開発されている。(山之内製薬)。

出典

医薬ジャーナル,36(4):1245(2000)・薬事新報,No.2306:18(2004

治験記号:YM-152

<一般名:finasteride>

概要

[商]プロデル(山之内)。5α-リダクターゼ阻害剤。申請中。[剤型]錠剤。前立腺肥大症治療剤。4-アザステロイド化合物で、5α-還元酵素(5α-reductase)を阻害することにより、前立腺肥大症の発症に密接な関連があると考えられている5α-DHTの合成を阻害する新しいタイプの前立腺肥大症治療薬である。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:YM-177

<一般名:celecoxib>

概要

[治験薬]
消炎鎮痛剤。COX-2選択性。スーパーアスピリン。プロスタグランジン(PG)を産生する酵素シクロオキシゲナーゼには、COX-1、COX-2の2種類の酵素が存在し、COX-1は、血小板、胃、腸、腎など殆どの組織に常時存在し、生体の生理機能の調整に関与する。
一方、COX-2は比較的限られた単球、線維芽細胞、滑膜細胞、血管内皮細胞など特定の細胞に存在し、何らかの刺激により一過性に誘導され、炎症や発熱など病理学的作用にかかわるPGの産生に関与している。
従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX-1、COX-2の両方を阻害するため、 COX-1阻害による胃腸障害などの副作用が発現する。従って、選択的にCOX-2を阻害することで、 抗炎症作用が優位にあらわれ、COX-1阻害による副作用が軽減できる。[適]慢性関節リウマチ、変形性関節症。SC-58635。[商]celebrex(日本モンサント-山之内製薬)。phase II(2000.2.16.現在)。

出典

1)奥田隆彦.新薬展望1998.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.34(S-1),1998,88-93.
2)今井史彦.新薬展望1999.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.35(S-1),1999,136-140.

治験記号:YM-47141

<一般名:——–>

概要

セリンプロテアーゼの一つであるエラスターゼは生体の炎症反応に関与する酵素で、その阻害剤は、リューマチ性関節炎、肺気腫をはじめとする炎症患者の有効な治療剤が期待されるが、強力なエラスターゼ阻害活性を有する天然の本物質が検討されている。科研製薬。

出典

大原隆:エラスターゼ阻害剤YM-47141,YM-47142の全合成;ファルマシア,35(10):1060-1061(1999)

治験記号:YM-47142

<一般名:——–>

概要

セリンプロテアーゼの一つであるエラスターゼは生体の炎症反応に関与する酵素で、その阻害剤は、リューマチ性関節炎、肺気腫をはじめとする炎症患者の有効な治療剤が期待されるが、強力なエラスターゼ阻害活性を有する天然の本物質が検討されている。科研製薬。

出典

大原隆:エラスターゼ阻害剤YM-47141,YM-47142の全合成;ファルマシア,35(10):1060-1061(1999)

治験記号:YM-617TOCAS

<一般名:tamsulosin-OCAS>

概要

OCAS(経口持続吸収型徐放システム)技術を用いた排尿障害改善剤を山之内ヨーロッパ(オランダ)が欧州で承認申請した。OCAS技術は山之内製薬が開発したDDS(薬物送達システム)技術で、薬物の吸収を上部消化管のみならず、これまで吸収が困難とされていた下部消化管でも可能にした1日1回投与の経口持続吸収型徐放システムである。タムスロシンは前立腺・尿道平滑筋に選択性が高いα1-ブロッカーで、血圧に影響を与える血管平滑筋にはほとんど影響を与えず、尿道の緊張状態を緩和し、排尿障害を改善する。1993年日本で発売以来世界65カ国で販売されている

出典

薬事新報,No.2306:18(2004)

治験記号:YM-643

<一般名:interferon alfacon-1>

概要

[商]未定(山之内-アムジェン)。C型慢性活動性肝炎治療剤。申請中。[剤型]皮下注射。インターフェロンの活性を高めるために、α型インターフェロンのサブタイプ10数種のアミノ酸配列から人工的に合成した遺伝子から創製した新世代のインターフェロンである。C型慢性活動性肝炎への効果が期待される。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:YM905

<一般名:——–>

概要

頻尿・尿失禁治療薬「Vesicare(山之内ファーマアメリカ)」。2002年12月にFDAに申請、FDAより追加の臨床データの提出を求められており、発売は2004年中になるみこみ。同剤は過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁治療薬で、同剤は欧州では2003年1月に承認申請されており、日本では現在第III相臨床試験が進行中。

出典

薬事新報,No.2291:19(2003)

治験記号:YM-905

<一般名:solifenacin succinate>

概要

頻尿・尿失禁治療薬「Vesicare(山之内ファーマアメリカ)」についてオランダで承認を取得した。同剤は過活動膀胱に伴う頻尿・尿失禁、尿意切迫感などの症状を改善し、排尿パターンを正常化する。同剤は欧州では2003年1月に承認申請されており、日本では現在第III相臨床試験が進行中。

出典

薬事新報,No.2304:19-18(2004)

治験記号:YP-14

<一般名:tazobactam・piperacillin>

概要

[商]タゾシン(大鵬薬品)・ペンモード静注用(富山化学)。β-ラクタム系抗生物質。申請中。[剤型]注射用凍結乾燥製剤。β-ラクタム剤のピペラシリンに、スルバクタム、クラブラン酸よりβ-ラクタマーゼ阻害能の強い新規化合物のタゾバクタムを配合した注射剤。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験薬一覧:W

木曜日, 8月 16th, 2007

 

治験記号:WQ-2743

<一般名:——–>

概要

前臨床-中断。AT-7836参照。ニューキノロン剤。MRSA、PRSP、既存のニューキノロン剤耐性菌などに抗菌力を示し、安全性も高い。杏林のガチフロキサシンの共同販売契約を締結したのに伴い、現在は開発を中断。湧永製薬。

出典

月刊ミクス,2:75(2001)

治験薬一覧:V

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:VAL

<一般名:——–>

概要

肝臓細胞の再生を促進する働きを持つ肝臓疾患治療薬。アミノ酸の一種であるバリンを基にした医薬品。[剤型]注射剤。肝硬変等への適応を期待している。第I相臨床試験(中外)。

出典

月刊ミクス,12:73(2000)

治験薬一覧:U

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:U-100766

<一般名:linezolid>

概要

[商]ザイボックス(アップジョン)。リネゾリド。新規抗生物質。オキサゾリジン系。申請中。[剤型]静注用剤・錠剤。本薬は従来にないオキサゾリジノン系抗生物質で、多剤耐性肺炎球菌、ブドウ球菌属及び腸球菌属を含む薬剤耐性グラム陽性菌に対し広汎な抗菌活性を示す。本薬は耐性菌の遺伝子に結合し、蛋白合成を初期の段階で阻害する。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:U-54461

<一般名:bropirimine>

概要

[治験薬]
膀胱上皮内癌。ブロピリミン。経口剤。インターフェロン誘導作用のある経口抗癌剤で、膀胱上皮内癌48例に対する後期第II相臨床治験で41.5%の奏功率が得られたの報告。U-54461S。(ファルマシア・アップジョン)。

出典

高杉益充:月刊ミクス,2:86-87(2000)

治験記号:UH-AC62

<一般名:meloxicam>

概要

[治験薬]
消炎鎮痛剤。COX-2選択性。スーパーアスピリン。[適]慢性関節リウマチ、変形性関節症。
プロスタグランジン(PG)を産生する酵素シクロオキシゲナーゼには、COX-1、COX-2の2種の酵素が存在し、COX-1は、血小板、胃、腸、腎など殆どの組織に常時存在し、生体の生理機能の調整に関与する。

一方、COX-2は比較的限られた単球、線維芽細胞、滑膜細胞、血管内皮細胞など特定の細胞に存在し、何らかの刺激により一過性に誘導され、炎症や発熱など病理学的作用にかかわるPGの産生に関与している。従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX-1、COX-2の両方を阻害するため、
COX-1阻害による胃腸障害などの副作用が発現する。従って、選択的にCOX-2を阻害することで、
抗炎症作用が優位にあらわれ、COX-1阻害による副作用が軽減できる。申請中。[商]モービック(日本ベーリンガー)。

出典

1)奥田隆彦.新薬展望1998.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.34(S-1),1998,88-93.
2)今井史彦.新薬展望1999.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.35(S-1),1999,136-140.

治験薬一覧:T

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:T-1032

<一般名:——–>

概要

選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害に基づく勃起増強作用を有する男性機能不全治療剤。田辺製薬は関連化合物質も含めたPDE5阻害剤をグローバル製品として2000年度にも臨床入りを予定。臨床試験の推移を見ながら年内の導出を計画し、国際商品化を展望する。田辺製薬。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:T-1095

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
糖の尿細管における再吸収を阻害することによって、糖尿病患者の過剰な血中の糖を排出し、血糖を降下させる新しい作用機序の糖尿病治療薬。小腸で吸収された本薬は、肝臓で活性体に変換され、薬効を発揮する。本薬は体内で腎尿細管にある糖輸送担体に作用し、その働きを阻害する(SGLT阻害薬)。その結果本来血中に再吸収される糖が尿中に排泄され、血糖値が下がるとされている。田辺製薬。海外はJ&Jが開発対応。腎臓の糖再吸収作用を抑制する新しいタイプの糖尿病治療薬。体内の過剰になった糖を腎臓で吸収せず、尿を通して体外に排泄させ血糖値を下げるとされている。前臨床試験段階。田辺製薬。

出典

RIS-FAX.,第3116号,2000.7.19.・月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:T-20

<一般名:enfuvirtide>

概要

一般名:エンフュヴィルタイド。[商]fuzeon;フューゼオン(Trimeris/Roche;トライメリス社/ロシュ)。融合阻害剤(fusion inhibitors)と呼ばれる新しいクラスのHIV治療薬である。本剤は抗レトロウイルス療法を続けているにもかかわらず、ウイルスの複製が認められる成人及び小児において、他の抗レトロウイルス薬との併用薬として使用される。日本未発売。

出典

The Medical Letter日本語版,19(13):49(2003.6.23)

治験記号:T-3762

<一般名:pazufloxacin mesilate>

概要

バズフロキサシン(三菱ウェルファーマ)。PZFX。富山化学-ウェルファイド。注射用ニューキノロン剤。グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルと抗菌活性を有し、特に緑膿菌に対する抗菌活性は、他のニューキノロン剤よりも優れているとされる。投与後の血中濃度は高く、主として尿中に速やかに排泄される。静脈内投与時に危惧されるショックや痙攣が見られないのが特徴である。副作用は全身発疹、掻痒感、下血の増強、皮疹。白血球減少、好酸球増多等の検査値異常。緑膿菌感染症に対する有効率72.7%。2000年3月申請。

出典

月刊ミクス,12:66(2001)

治験記号:T-3811

<一般名:garenoxacin>

概要

一般名:ガレノキサシン(富山化学)。ニューキノロン系合成抗菌剤。富山化学工業(株)は、BMS社とライセンス契約を行っていたが、契約を解消し、全世界での開発・販売に関する全ての権利を再取得した。BMS社は欧米において開発を進め、米国での申請に必要な全ての臨床試験を終了している。しかし、商品戦略上の理由により抗菌剤のR&Dプライオリティが下がって来たため同剤の開発・販売権を返還したもの。

出典

薬事新報,No.2284:19(2003)

治験記号:T-614

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
消炎鎮痛剤。COX-2選択性。スーパーアスピリン。プロスタグランジン(PG)を産生する酵素シクロオキシゲナーゼには、COX-1、COX-2の2種類の酵素が存在し、COX-1は、血小板、胃、腸、腎など殆どの組織に常時存在し、生体の生理機能の調整に関与する。
一方、COX-2は比較的限られた単球、線維芽細胞、滑膜細胞、血管内皮細胞など特定の細胞に存在し、何らかの刺激により一過性に誘導され、炎症や発熱など病理学的作用にかかわるPGの産生に関与している。従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX-1、COX-2の両方を阻害するため、
COX-1阻害による胃腸障害などの副作用が発現する。従って、選択的にCOX-2を阻害することで、
抗炎症作用が優位にあらわれ、COX-1阻害による副作用が軽減できる。(富山化学-エーザイ)。[適]慢性関節リウマチ。phase
III

出典

1)奥田隆彦.新薬展望1998.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.34(S-1),1998,88-93.
2)今井史彦.新薬展望1999.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.35(S-1),1999,136-140.

治験記号:TA-0910

<一般名:taltirelin htdrate>

概要

[商] セレジスト(田辺製薬)。[適応]脊髄小脳変性症における運動失調の改善。[剤型]錠剤。従来は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を注射するのが唯一の治療方法だったが、本剤はTRHを誘導することで、世界ではじめて経口投与を可能にした。オーファンドラッグ指定薬。2000年9月発売。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:TA-2516

<一般名:marimastat>

概要

マトリックス・メタロ・プロテアーゼ(MMP)阻害剤。MMPの阻害により、癌の増殖、転移の抑制効果が期待される。従来の抗がん剤と異なり、細胞毒性を示さないため、全身性の副作用が軽減。肺癌、胃癌を対象に第II相臨床試験中。英・ブリティシュバイオテク社から導入。田辺製薬。転移抑制物質。matrix metalloproteinase(MMP)阻害剤。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)・金丸龍之介・他:薬事日報,第9411号,2001.2.16.

治験記号:TA-270

<一般名:——–>

概要

喘息誘発の原因の一つである酵素5-リポキシゲナーゼ活性を抑制効果が期待されている。[適応]予定適応症として気管支喘息。第I相臨床試験(中外-大日本インキ)。

出典

月刊ミクス,12:73(2000)

治験記号:TA-650

<一般名:infliximad>

概要

[商]レミケード(田辺製薬)。米・セントコア社から導入したキメラ型抗ヒトTNFαモノクロナール抗体。米国では1998年9月にクローン病治療薬として発売済み。効果発現が速く、1回の投与で効果が数週間持続する。厚生省よりクローン病の治療薬としてオーファンドラッグに指定されている。なお、現在慢性関節リウマチを対象とした第II相・第II相ブリッジング試験が実施されている。米国では1999年1月にFDAが、欧州では2000年6月にEMEAが慢性関節リウマチに対する効能追加を承認。クローン病同様に効果が速く、1回の投与で数週間持続する。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)・高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,5:100-101(2000)

治験記号:TA-803

<一般名:acetyl-L-carnitine hydrochloride>

概要

アセチルコリン生成促進作用を有する急性期脳梗塞治療剤。L-carnitineは脳を含む生体内に広く分布する物質で、虚血麻痺からの回復促進作用などを有する。第II相臨床試験段階。伊・シグマ・タウ社。田辺製薬。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:TA-993

<一般名:——–>

概要

臨床第IIb相。末梢血流改善作用と共に抗血小板作用を示すベンゾジアゼピン誘導体。末梢動脈閉塞症に対して現在第II相臨床試験実施中。田辺製薬。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:TAK-599

<一般名:——–>

概要

広域セファロスポリン系注射抗生剤(武田)。米国・ペニシュラ社に国内を除く開発・販売権導出。本剤は新規の広域セファロスポリン系抗生剤で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、リネゾリット耐性黄色ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎レンサ球菌(PRSP)、インフルエンザ菌を含むグラム陽性・陰性菌に対して優れた抗菌力を示す。国内では現在治験準備中。

出典

薬事新報,No.2289(2003)

治験記号:TAK-603

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
疾患修飾性抗リウマチ剤。武田薬品。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,5:100-101(2000)

治験記号:TAK-778SR

<一般名:——–>

概要

武田薬品。ベンゾチエピン誘導体。骨折治癒促進剤。骨芽細胞の分化促進作用を有する。また、コラーゲン合成促進作用、オステオカルシン合成促進作用、TGF-β及びTGF-1の分泌促進作用を有することも認められた。本剤は粉末と液体(分散媒)からなる用時懸濁粉末注射剤で、粉末は主薬のTAK-778と乳酸-グリコール酸共重合体を基剤とする徐放性マイクロカプセル及びD-マンニトールの混合物で、製剤中に約10%のTKA-778を含有する。4週ごとに1回注射する。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,12:88-90(2001)

治験記号:TAU-284

<一般名:betotastine besilate>

概要

[商]タリオン(田辺製薬-宇部興産)。I型アレルギー反応抑制作用、ヒスタミンH1拮抗作用に加えて、LTD4拮抗作用、PAF拮抗作用、ヒスタミン遊離抑制作用など広汎な抗アレルギー作用を有する。また、中枢抑制作用が極めて弱く、眠気の誘発作用が少ないとされている。[適]アレルギー性鼻炎。2000年10月発売。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:TE-1-9090

<一般名:clinprost>

概要

アルテオン注(大正製薬)。帝人と共同開発したクリンプロストはPGI2-イソカルバサイクリンのメチルエステルを脂肪乳剤に溶解した末梢循環改善剤である。適応は慢性動脈閉塞症(閉塞性血栓血管炎:バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における皮膚潰瘍並びに安静時疼痛の改善で1995年9月に申請。

出典

月刊ミクス,5:58-59(2001)

治験記号:TEI-9090

<一般名:clinprost>

概要

[商]リポカレン(帝人)。末梢循環改善剤、プロスタサイクリン誘導体、脳梗塞治療薬、慢性動脈閉塞症。申請中。[剤型]静注用・点滴静注用。帝人が帝京大学の協力で開発したプロスタサイクリン誘導体を大正製薬が脂肪で出来た粒(リポソーム)で薬剤を包み、血液中を自在に往来させるリポ化技術で安定化させたものである。リポ化により吸収率が高まり薬剤の投与量の減量が可能であり、副作用発現率の低下が期待できる。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:Th-1165aHFA134a

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
臭化水素フェノテロール(ベーリンガーインゲルハイム)は、選択的β2-受容体遮断作用を有する気管支拡張剤であるが、従来のエロゾル剤はフロンが用いられていた。今回、フロンの代替としてオゾン層を破壊せず、又、安全にも問題がないHFA-134a(Hydro
fluoro alkane-134a)が開発されたので、これを噴射剤としたTh-1165aHFA134aと従来のCFCsエロゾル剤との同等性を、二重盲検交叉法で比較検討した。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,4:156-157(2000)

治験記号:THC-003N

<一般名:dexamethasone propionate>

概要

プロピオン酸デキサメタゾン0.0125%含有する軟膏製剤である。軽・中等症の湿疹・皮膚炎群の疾患を対象に開発が進められている。0.05%酪酸ヒドロコルチゾン軟膏との比較試験の結果、皮膚症状の改善について、両者間に有意な差は認められなかった。(大鵬薬品)。

出典

高杉益充:DI室;月刊ミクス,3:62(2001)

治験記号:TN-873R

<一般名:nifedipine>

概要

[治験薬]
nifedipineのLong acting化を期待した坐薬による治験が、オーファン指定として実施されていたの報告が得られた。予定商品名「スリナード(slinard)[大洋薬品工業]」含有量:5mg・10mg・20mg/個。本品はCa拮抗剤であるニフェジピンの持続性坐剤で、予定適応症として本態性高血圧症とされている。通常成人1回10-20mgを1日2回直腸内投与する。115例の治験例に対し、中等度の舌のこわばり1例、軽度発赤2例の副作用が発現したとされ、現在申請中であるとされる。但し、本品は、1991年12月に製造承認申請がされたが、その後中止されたと報告されている。

出典

国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・治験薬データベース,1993

治験記号:TRK-820

<一般名:——–l>

概要

経口剤。 第I相臨床試験。選択的オピオイドκ(カッパ)受容体作動薬。難治性掻痒症治療薬として期待される。東レ-第一製薬。

出典

月刊ミクス,7:92(2000)

治験記号:TRK-851

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
新しい作用メカニズムを有する非麻薬性鎮咳剤。第I相臨床試験。オピオイドδ-受容体に選択的に拮抗する経口投与可能な化合物で、東レが合成に成功した新規物質。従来の鎮咳薬とは異なる作用メカニズムにより、リン酸コデインなどの麻薬性鎮咳薬と同等以上の鎮咳作用を有しており、依存性、耽溺性と煎った麻薬性がなく、便秘、眠気などの副作用も軽微としている。三菱東京製薬では2009年の販売を目標としている。

出典

日刊薬業,2000.5.16.

治験記号:TS-110

<一般名:lornoxicam>

概要

[商]ロルカム(大正製薬)。消炎鎮痛剤。申請中。[剤型]錠剤。オキシカム系の非ステロイド性抗炎症剤。従来の抗炎症剤に比べて少量で強い消炎・鎮痛作用を示す。血中濃度半減期は従来のオキシカム系抗炎症剤の1/20程度で、連続投与による蓄積性は認められないとしている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:TS-DUO

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
あらかじめフィブリノゲンをアプロチニン液に溶解し、注射筒に滅菌封入し、トロンビンを塩化カルシウム液に溶解して他の注射筒に滅菌封入し、これらの二つの注射筒を凍結し、キット化したフィブリン接着剤である。従来のフィブリン接着剤に見られる使用前の煩雑な溶解、調製が不要なこと。調製作業中の過誤を防止できること、調製調査中の細菌汚染を防止できることが特徴である。(日本臓器)。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,6:104-105(2000)

治験記号:TT-235

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
切迫早産治療薬。欧州のみで開発、第I相試験段階。三菱東京製薬。

出典

日刊薬業,第10447号,2000.3.23.

治験記号:TTC-909

<一般名:clinprost>

概要

[商]アルテオン(大正)。末梢循環改善剤、プロスタサイクリン誘導体、脳梗塞治療薬、慢性動脈閉塞症。申請中。[剤型]静注用・点滴静注用。帝人が帝京大学の協力で開発したプロスタサイクリン誘導体を大正製薬が脂肪で出来た粒(リポソーム)で薬剤を包み、血液中を自在に往来させるリポ化技術で安定化させたものである。リポ化により吸収率が高まり薬剤の投与量の減量が可能であり、副作用発現率の低下が期待できる。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:TU-199

<一般名:benatoprazole>

概要

[商]アルサケア(三菱東京)・プロトップ(北陸製薬)。消化器官用薬。申請中。[剤型]錠剤。新規のプロトンポンプ阻害薬で、消化性潰瘍治療剤として開発されている。逆流性食道炎、吻合部潰瘍等。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:TUT-7

<一般名:menogaril>

概要

メノガリル。米国・アップジョン社で開発されたアントラサイクリン系薬剤である。
nogalomycinのアナログであるが、本剤は難溶のため本薬が合成された。マウス及びラットの実験腫瘍にadriamycinと同様に広いスペクトラムで効果を示すが、心毒性はadriamycinの1/15以下と低い。本薬の作用はインターカレーションによる核酸合成阻害活性は弱く、トポIIの活性を阻害してDNA鎖の切断を示し、抗腫瘍効果を発現する。本剤は経口投与でも有効性が認められた。国内の臨床試験で問題となったのは、静注による局所毒性(疼痛、紅斑、静脈炎)が強いことで、その後は経口投与での臨床試験に切り換えられた。悪性リンパ腫に高い奏功率(非ホジキンリンパ腫で32.9%)が得られ、乳癌でも有効性が認識されたが、その他の各種固形腫瘍で有効性が十分でなく、本邦における開発は断念された。

出典

藤田浩:構造活性相関の話-抗癌剤(アントラサイクリン系);日本薬剤師会雑誌,50(2):273-279(1998)

治験記号:TZP-4238

<一般名:osaterone acetate>

概要

[商]ハイプロス(帝国臓器)。抗アンドロゲン作用。申請中。[剤型]錠剤。酢酸クロルマジノン誘導体で、前立腺肥大に効果が期待されている。強力で持続性の抗アンドロゲン剤で、前立腺肥大症・前立腺癌の治療薬として開発されている。抗アンドロゲン作用はテストステロンの前立腺細胞内取込抑制作用、アンドロゲンレセプター結合阻害作用・中枢性機序によるテストステロン低下作用によるとされている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験薬一覧:S

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:S-0139

<一般名:——–>

概要

脳血管障害治療剤。注射剤。エンドセリンA受容体拮抗剤。各種の動物実験で脳血管攣縮や脳虚血性疾患に対して効果が確認されている。臨床第IIa相段階。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-1090

<一般名:——–>

概要

広域経口セフェム系抗生物質。広範囲の抗菌スペクトルと強力な抗菌力を有する臨床効果は呼吸器感染症で85.1%、尿路感染症で85.1%、皮膚・軟部組織感染症で79.1%と高い有効率を示し、副作用は2.5?4.3%であったとされている。臨床第III相試験。2003年申請予定。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-1153

<一般名:——–>

概要

抗エイズ薬(NNRTI=非核酸系逆転写酵素阻害剤)。米・アグロン社に導出。本剤はHIV-1の新鮮臨床分離株や耐性株に対して強いウイルス増殖抑制活性を示すとともに、耐性株の出現が他のNNRTI剤に比べて有意に遅いなどの特徴を有する。2000年第4四半期に申請予定。臨床第II/III相試験試験段階。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:113(2000)

治験記号:S-1360

<一般名:———>

概要

抗エイズ薬。経口剤。インテグラーゼ阻害剤。2000年5月から米国で臨床第I相試験開始。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-1452

<一般名:domitroban carcium dihydrate>

概要

アレルギー性鼻炎治療剤(トロンボキサンA2受容体拮抗剤)。血小板凝集と平滑筋収縮に対して強力で持続的な抑制作用を有する。当初は、血栓、PTCA後の再狭窄抑制、喘息で開発していたが、現在はアレルギー性鼻炎で開発中。臨床第IIb相試験段階。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-1746

<一般名:——–>

概要

AMPA/Glycine拮抗剤。前臨床。2000年9月から米国で臨床第I相試験開始予定。国内前臨床。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-2474

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
消炎鎮痛剤。COX-2選択性。スーパーアスピリン。プロスタグランジン(PG)を産生する酵素シクロオキシゲナーゼには、COX-1、COX-2の2種類の酵素が存在し、COX-1は、血小板、胃、腸、腎など殆どの組織に常時存在し、生体の生理機能の調整に関与する。一方、COX-2は比較的限られた単球、線維芽細胞、滑膜細胞、血管内皮細胞など特定の細胞に存在し、何らかの刺激により一過性に誘導され、炎症や発熱など病理学的作用にかかわるPGの産生に関与している。従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX-1、COX-2の両方を阻害するため、 COX-1阻害による胃腸障害などの副作用が発現する。従って、選択的にCOX-2を阻害することで、 抗炎症作用が優位にあらわれ、COX-1阻害による副作用が軽減できる。[適]慢性関節リウマチ。phase I(2000.2.16.現在)(塩野義製薬)

出典

1)奥田隆彦.新薬展望1998.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.34(S-1),1998,88-93.
2)今井史彦.新薬展望1999.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.35(S-1),1999,136-140.

治験記号:S-2678

<一般名:——–>

概要

IgE抗体に作用する抗アレルギー剤。2000年9月から欧州で臨床第I相試験開始。その後米国でも実施予定。国内前臨床試験段階。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-3013

<一般名:——–>

概要

抗炎症剤。分泌型ホスホリパーゼA2阻害剤。臨床第IIa相段階。米・イーライリリー社-塩野義。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-3304

<一般名:——–>

概要

抗悪性腫瘍剤。経口剤。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤。MMPは癌細胞の基底膜浸潤、血管への侵入、転移などに重要な役割を果たしている。本剤はMMP阻害剤としてMMP活性を選択的に阻害し、血管新生抑制作用を持ち、これまでの前臨床試験では副作用が殆ど確認されていない本剤への期待は高い。臨床第IIa相段階。米国で臨床第II相試験予定。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-4522

<一般名:——–>

概要

HMG-CoA還元酵素阻害剤。本剤がLDL-コレステロールを65%以上低下させ、HDL-コレステロールを14%上昇させるなど、先行するスタチン剤を上回るプロファイルと共に高い認容性が確認されたとしている。英・アストラゼネカ社に導出。臨床第III相試験。海外で2001年第2四半期に申請予定。塩野義。

出典

月刊ミクス,9:113(2000)

治験記号:S-4661

<一般名:——–>

概要

カルバペネム系抗生物質。注射剤。抗菌スペクトルが広く、強力な抗菌力を有する一方、既存製品に比べて腎デヒドロゲナーゼに優れた安定性を示すため、単剤での静注が可能。慢性気道性感染症や複雑性尿路感染症等の難治性感染症に効果を発揮する。臨床第III相試験段階。2003年申請予定。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-5920

<一般名:——–>

概要

全身性炎症反応症候群(SIRS)治療剤。注射剤。分泌型ホスホリパーゼA2阻害剤。SIRSは手術後侵襲、熱傷、膵炎など各種の原因により惹起される。このSIRSの状態が長く続くと種々の臓器障害が起きて重症化する。本剤は重度急性膵炎モデルで有用性が認められた。第IIa相臨床試験段階。米・イーライリリー社-塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-7701

<一般名:——–>

概要

抗繊維化剤。経口剤。組織障害の修復機能、繊維化のメカニズムである繊維芽細胞の増殖とコラーゲンの産出を抑制する作用が期待され、まずは自発性肺繊維症を対象に臨床第IIa相試験準備中。米・マルナック社-塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-8510

<一般名:——–>

概要

抗痴呆薬。ベンゾジアゼピン受容体インバースアゴニスト。中枢性ベンゾジアゼピン受容体を介した選択的な脳機能賦活作用がある。動物実験では脳内のアセチルコリン量を増加させ、学習改善作用を示す。また、極めて少量で脳機能を賦活させ、不安誘導や痙攣などの副作用もないことが示された。臨床第IIa相段階。2000年第4四半期に欧州からI/IIを開始し、引き続き米国でも実施予定。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:S-8921

<一般名:——–>

概要

高脂血症治療剤。経口剤。胆汁酸吸収阻害剤で、コレスチラミンより50倍強力な血清コレステロール低下作用と抗動脈硬化作用がある。2000年9月から欧州で臨床第I相試験開始予定。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:SCH-29851

<一般名:loratadine>

概要

[商]クラリチン(シエリングプラウ)。抗アレルギー剤、慢性蕁麻疹、通年性鼻アレルギー、成人気管支喘息。申請中。[剤型]錠剤。持続的で、抗コリン性の副作用と催眠作用がない抗アレルギー剤である。抗ヒスタミン作用の他に、ヒスタミンやLTC4等のメディエーターの肥満細胞からの遊離抑制作用や細胞内へのカルシウム取込抑制作用を有する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SH/TA-508

<一般名:mixture of galactose palmitic acid>

概要

[商]レボビスト(田辺-日本シエーリング)。超音波診断用造影剤。[適応]心エコー図検査における造影、ドプラ検査における造影、子宮卵管エコー図検査における造影。1999年9月発売。

出典

月刊ミクス,11:87(2000)

治験記号:SHU-555

<一般名:ferucarban>

概要

[商]レゾビスト(シエーリング)。MRI用造影剤。申請中。[剤型]静注用剤。ferucarbanは超常磁性酸化鉄(マグネタイト)がcarboxydextranに包接された微粒子であり、肝臓におけるMRI用造影剤として開発されている。海外では2000年にヨーロッパにおいて上市されている。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:SHU-555A

<一般名:ferucarban>

概要

[商]レゾビスト(シエーリング)。MRI用造影剤。申請中。[剤型]静注用剤。ferucarbanは超常磁性酸化鉄(マグネタイト)がcarboxydextranに包接された微粒子であり、肝臓におけるMRI用造影剤として開発されている。海外では2000年にヨーロッパにおいて上市されている。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:SK-827

<一般名:kallidinogenase>

概要

[商]アプニン(三和化学)。末梢循環改善薬。人尿由来カリジノゲナーゼ。申請中。[剤型]点滴静注用。[適応]バージャー病、閉塞性動脈硬化症。アミノ酸残基238個からなる酸性糖蛋白質で、その分子量はゲル濾過法で約54000である。人の尿から抽出・精製された腺kininogenaseで、血漿中のkininogenに作用してkallidinを産生。ブタ膵臓由来のものが医薬品として使用されているが、抗原性の問題で静脈投与が出来ないことから確実に有効性を発揮し、かつ安全性の高い注射剤の開発が求められていた。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SK-827

<一般名:kallidinogenase>

概要

[商]アプニン(三和化学)。末梢循環改善薬。人尿由来カリジノゲナーゼ。申請中。[剤型]点滴静注用。[適応]バージャー病、閉塞性動脈硬化症。アミノ酸残基238個からなる酸性糖蛋白質で、その分子量はゲル濾過法で約54000である。人の尿から抽出・精製された腺kininogenaseで、血漿中のkininogenに作用してkallidinを産生。ブタ膵臓由来のものが医薬品として使用されているが、抗原性の問題で静脈投与が出来ないことから確実に有効性を発揮し、かつ安全性の高い注射剤の開発が求められていた。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SKF-101468

<一般名:ropinirole hydrochloride>

概要

[商]レキップ(スミスクラインビーチャム)。抗パーキンソン病薬。ドパミンD2受容体作動薬。申請中。[剤型]錠剤。ドパミンD2受容体作動薬で、抗パーキンソン病薬として開発されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SKF-104864

<一般名:nogitecan hydrochloride>

概要

[商]ハイカムチン(SKB)。代謝拮抗剤。カンプトテンシン誘導体。申請中。[剤型]点滴静注。カンプトテンシンの高い抗腫瘍性を保持し、毒性を軽減した水溶性の誘導体である。作用機序はカンプトテンシンと同様、トポイソメラーゼIを特異的に阻害することによるDNA合成阻害剤である。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SK-P-9701

<一般名:dextranormapaste>

概要

デキストラノーマペースト(佐藤製薬)。感染を伴う滲出性創面の浄化剤である。デキストラノーマには創傷部位から浸出液を吸収するとともに、壊死物質や細菌を除去して、創面を浄化することにより肉芽形成及び表皮形成を促進する効果があるが、散剤であるため、褥瘡患者等には側臥位で処置する際不便があった。本薬はペースト状であるため、使用機能性が向上したと報告されている。

出典

高杉益充:DI室,月刊ミクス,2:96(2000)

治験記号:SL-66

<一般名:———>

概要

銀担持ゼオライト(資生堂)。腋臭防止用製剤。抗菌力の強い銀イオンの他に、銀よりもゼオライトに対するイオン親和力の低い亜鉛イオンとアンモニウムイオンを銀イオンとともに担持することにより、銀イオンの脱離を阻止し、かつアンモニウムイオンの効果により変色を抑制しようとしたもので、製剤はゼオライトを10%配合したパウダースプレーとされている。既に抗菌薬として汎用されている0.2%-トリクロサン配合のパウダースプレーとの二重遮蔽左右対比較試験の結果、トリクロサンに比較して有意に優れた腋臭防止効果を示したとされる。

出典

高杉益充:DI室;月刊ミクス,4:72(2001)

治験記号:SM-10902

<一般名:pimilprost>

概要

[商]スキプロン(住友製薬)。末梢循環改善剤。皮膚潰瘍・褥瘡治療剤。申請中。[剤型]軟膏剤。安定なプロスタサイクリン誘導体で、生体内のエステラーゼにより生理活性体である遊離酸、SM-10906に変換され、これが血小板凝集抑制や血管拡張作用を発揮する。モルモット耳介に経皮投与した本薬は、全身作用を惹起することなく皮膚温度を上昇させることから局所適応可能な末梢循環治療薬であるとの期待がもたれている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SM-11355

<一般名:———>

概要

第II相臨床試験(住友製薬)。脂溶性の白金錯体アルキル系抗癌剤。原発性肝細胞癌に対して優れた有効性を示す。米国でアロネックス社の抗癌剤アロプラチンとの特許係争が結審し、ア社はアロプラチンの開発・販売を行い、同社は契約一時金、ロイヤルティなどを受ける。SM-11355の米国における開発の可能性も担保される。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SM-13496

<一般名:———>

概要

第一相臨床試験(住友製薬)。ルーランに続く非定型精神病薬で、錐体外路系・中枢抑制などの副作用が少ない。治療係数が高く、安全性の高いSDAとして期待されている。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SM-21000

<一般名:———>

概要

第一相臨床試験(住友製薬)。1998年10月、米・リジェネロン社から国内における独占的製造・販売権を取得したBDNF(Brain-Derived
Neurotrophic Factor:脳由来神経栄養因子)。当面、筋萎縮性側索硬化症で開発を進めるが、糖尿病治療薬としても開発を検討中。将来はアルツハイマー病、パーキンソン病なども視野に入れる。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SM-26000

<一般名:———>

概要

第II相臨床試験(住友製薬)。米・ギリアードサイエンス社が創製したアムホテリシンBをリポソームで包み込んだDDSの抗真菌剤。真菌の細胞膜に選択的に付着するため、ヒト細胞への影響を抑え、副作用の低下が期待できる。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SM-5887

<一般名:amrubicin>

概要

住友製薬で化学的に全合成されたアントラサイクリン誘導体で、DNRのデメトキシ体で、更に9位のアミノ基と糖の部分に構造的な差異がある。本薬の未変化体のin vitroにおける抗細胞性はadriamycinの1/10以下と極めて弱いが、その13-OHはADRと同等以上に強い。本薬の作用機序で特記すべきは、DNA塩基対間へのインターカレーションはADRより数倍弱い。本薬特にそのOH体はトポII阻害作用があり、トポII依存性のDNA鎖切断活性が強い。本薬の人血漿中濃度は急速に下降し、T1/2は短い。一方、血球中の未変化体とOH体は高濃度であり、OH体は連日投与で血球中で次第に上昇し、蓄積性を示す。本薬の第II相臨床試験は悪性リンパ腫、非小細胞肺癌、表在性膀胱癌(膀胱虫)で進行中である。主な副作用は白血球(好中球)減少、貧血(Hb減少)、血小板減少で、非血液毒性は軽度から中等度の悪心、嘔吐が認められたが、脱毛は非常に軽度であった。

出典

藤田浩:構造活性相関の話-抗癌剤(アントラサイクリン系);日本薬剤師会雑誌,50(2):273-279(1998)

治験記号:SM-5887

<一般名:amrubicin hydrochloride>

概要

[商]カルセド(住友)。アントラサイクリン系抗癌剤。抗腫瘍性抗生物質製剤。申請中。[剤型]静注・局注。9位のアミノ基を構造上の特徴とするアントラサイクリン系の化合物で、マウス実験腫瘍、ヒト腫瘍株に対してアドリアマイシンより優れた抗腫瘍活性を示し、副作用も軽減される。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SM-9018

<一般名:perospirone hydrochloride hydrate>

概要

[商]ルーラン(住友)。抗精神分裂病薬、非ベンゾジアゼピン系。塩酸ペロスピロン水和物。精神分裂病。申請中。[剤型]錠剤。5-HT2(5-hydroxytryptamine)とD2(dopamine)の両レセプターに非常に高い親和性を有する。また、両レセプターに誘発される行動を抑制する。更にハロペリドールやクロルプロマジンに比べると弱い中枢性の抑制作用を有する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SMP-140

<一般名:——–>

概要

1997年12月、米・ジェネンテック社から日本での独占的な開発・輸入・販売権を取得した遺伝子組み替え天然型人成長ホルモン溶液製剤と持続性製剤。第III相臨床試験。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SMP-536

<一般名:——–>

概要

α-ガラクトシダーゼA(α-GALA)。第II相臨床試験(住友製薬)。1999年1月、米・トランスカリョテックセラピーズ(TKT)社から導入したファブリー病治療薬。ファブリー病はα-GAL A欠損による糖脂質代謝異常症。X染色体連鎖の伴性遺伝で主に男子に発症する致死性の遺伝病で根本的な治療薬がない。医療上の有用性が高いと判断して開発する。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SMP-797

<一般名:——–>

概要

前臨床試験(住友製薬)。ACAT阻害剤の中で最強の活性を有する動脈硬化治療薬。グローバル開発を本格化させる。

出典

月刊ミクス6:48(2001)

治験記号:SN-308

<一般名:sumatriptan>

概要

[治験薬]。コハク酸スマトリプチン(グラクソ-ウエルカム)。選択的5-HT1B/1D作動剤で、片頭痛発作時に拡張している頭部血管を選択的に収縮させ、発作を改善すると考えられている。エルゴタミン製剤に比べ、副作用が少なく、また、発作中の投与でも優れた頭痛改善効果が見られるのが特徴である。GW-102。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,6:104-105(2000)

治験記号:SN-408

<一般名:salmeterol xinafoate>

概要

[商]セレベント(グラクソウエルカム)。気管支拡張剤、β2-受容体刺激性、気管支喘息。申請中。[剤型]吸入用噴霧剤、エアゾール剤。phenylethanolamine系の気管支拡張剤で、β1-受容体には殆ど作用せず、β2-受容体に選択的に作用し、長時間にわたる気管支拡張作用を示すとされる。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SNB-5001

<一般名:epoetin epsilon>

概要

[商]エポスノー(雪印-扶桑)。貧血治療剤、遺伝子組換え型ヒトエリスロポエチン、透析施行時の腎性貧血。申請中。[剤型]注射剤。静注・皮下注。凍結乾燥注射剤。ヒト胎児由来EPO遺伝子を仔ハムスター腎由来培養細胞株であるBHC(C-13)細胞に導入することにより作成したEPO産生細胞の培養上清液より精製純化したものである。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SNK-508

<一般名:cevimeline hydrochloride>

概要

[商]サリグレン(雪印)・エボザック(日本化薬)。アセチルコリン受容体作動薬、アルツハイマー型痴呆症、シェーグレン症候群治療剤。申請中。[剤型]カプセル。ムスカリン性アセチルコリン受容体(M1型)の選択的な作動薬で、痴呆モデル及び記憶障害モデルで明らかな改善作用を示すが、コリン作動製薬物一般に見られる振戦、唾液分泌、血圧低下等の作用は弱く、作用の分離が認められている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SNK-860

<一般名:fidarestat>

概要

[商]アルドス(三和化学-科研)。アルドース還元酵素阻害剤。申請中。[剤型]錠剤。スピロヒダントイン化合物で、アルドース還元酵素阻害薬である。STZ(ストレプトゾトシン)糖尿病ラットの神経内代謝異常、神経機能の低下に対して用量依存的に効果を示し、組織学的にも著明な効果を示すことから糖尿病性末梢神経障害に対する有効性が期待される。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SPf66

<一般名:——–>

概要

コロンビア国立大学のManuel Patarroyo教授が開発したマラリアのカクテルワクチン。カクテルワクチンはワクチン候補分子の人工ペプチドを数種つなぎ合わせたサブユニットで、赤血球内のメロゾイトと呼ばれるステージの表面抗原と、蚊から注入されたスポロゾイイトと呼ばれるステージの表面抗原からなる。本ワクチンは化学合成された世界で初めてのワクチンとして注目され、南米及びアフリカの45000人を超える人々に実験的に接種を行い、一部有望な成果を得たが、結果的には落胆せざるを得ないワクチン効果しか得られなかった。

出典

狩野繁之:第15回国際熱帯医学・マラリア学会;週刊医学界新聞,第2415号,2000.12.4.

治験記号:SQ-29852

<一般名:ceronapril hydrate>

概要

[商]ノバクリル(BMS)。血圧降下剤。申請中。[剤型]錠剤。ACE阻害薬。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:SR-47436

<一般名:irbesartan>

概要

アンジオテンシンII受容体拮抗剤。ロサルタンより10倍以上強いA II受容体拮抗作用と降圧作用を示し、本剤自体が活性体であるため、効果のバラツキが少なく、副作用もプラセボとほぼ同程度と少ない。米国では高血圧症のファーストチョイスとしてBMAから発売された。臨床第III相試験段階。2001年申請予定。塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)

治験記号:SS-320A

<一般名:——–>

概要

フドステイン。[商]クリアナール錠(三菱ウェルファーマ)。2001年10月承認。去痰剤。システイン系の化合物で、優れた気道分泌促進作用及び気道粘液調整作用を有し、安全性が高い。エスエスが第II相臨床試験まで単独で開発し、1995年11月吉富と共同で第III相臨床試験を開始、販売契約を締結。

出典

月刊ミクス,12:66(2001)

治験記号:SS-320A

<一般名:fudosteine>

概要

[商]スペリア錠(エスエス製薬)、クリアナール(ウェルファイド)。去痰薬、慢性気管支炎の去痰。申請中(1997.3.申請)。[剤形]錠剤。システインの誘導体で、気道クリアランスを促進する効果を有し、気管支病態動物での気道粘膜組成変性・調整作用を有する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000・月刊ミクス,3:38(2001)

治験記号:SSY-720

<一般名:——–>

概要

口腔・咽頭カンジダ症。抗菌スペクトルが広く、作用持続が長いことから維持療法としての間歇投与が可能な抗真菌剤。英国・第II相臨床試験段階(ウェルファイド-エスエス)。

出典

月刊ミクス,3:38(2001)

治験記号:ST-630

<一般名:falecalcitriol>

概要

ホーネル錠(大正製薬)。ファレカルシトリオールは維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症における低カルシウム血症とそれに伴う諸症状の改善、クル病・骨軟化症に伴う諸症状の改善に対する新薬。本来は米・ウイスコンシン・アルムニ研究財団(WARF)で合成された活性型ビタミンD3誘導体で、[商]フルスタン錠(住友)との共同開発で1997年2月に申請された。強力で持続的な骨代謝改善作用を有することから骨粗鬆症の治療薬として臨床第II相後期試験まで開発を進めたが、1993年から二次性副甲状腺機能亢進症の適応を優先させ、2001年4月に承認された。

出典

月刊ミクス,5:58-59(2001)

治験記号:SUN N-8075

<一般名:——–>

概要

前臨床。サントリーが創製した脳梗塞急性期治療剤。2000年12月大正製薬との共同開発合意。国内に先行し、米国での試験着手の予定。

出典

月刊ミクス,5:58-59(2001)

治験記号:SUN-4001

<一般名:adenosine>

概要

[商]未定(サントリー)。虚血性心疾患負荷誘導剤。申請中。[剤型]静注用剤。アデノシンの冠血管拡張作用を利用し、201TI心筋シンチグラフィ時、アデノシンで薬理学的ストレスを加えることにより虚血部欠損像をより鮮明に描出することが可能であると考えられている。心筋シンチグラフィ施行時の有用な負荷誘導剤として開発されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:SUN-9216

<一般名:lanoteplase>

概要

[商]ワンプラス(ゼリア-サントリー)。血栓溶解剤、遺伝子組換えt-PA誘導体。申請中。[剤型]静注剤。組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)の体内半減期が短いという欠点を改良した血栓溶解剤。急性心筋梗塞にワンショット静注。第二世代t-PA。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験薬一覧:R

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:RO-11

<一般名:moclobemide>

概要

MAO阻害剤。肝臓や循環器系への副作用の危険が少なく、特に治療抵抗性のうつ病に対する必須の治療薬とされる。MAO阻害剤は、肝障害の副作用のため、使用性に問題があったが、肝臓系の副作用軽減は、患者への福音となる。スイス・ロシュ社と提携。予定商品名オーロリック錠(大日本)。

出典

月刊ミクス,2:75(2001)・新薬展望-;医薬ジャーナル,37<増刊号>S-1,2001

治験記号:RO-25-3036

<一般名:PGE-interferon-α-2a>

概要

[商]Pegasys;ペガシス(Roche)。肝臓疾患用薬、抗ウイルス剤、生物学的製剤。PGE-IFN-α-2a。PGE-interferon-α-2a(recombinant)はpolyethylene glycol(PEG)で修飾された組換えヒトinterferonで、C型肝炎及びB型肝炎、癌、慢性骨髄性白血病を適応として開発されている。本品は水溶性を高め、作用持続時間が延長されており、既存のinterferon-α-2a製剤が週3回投与のところ週1回で済むとされる。また、血中濃度を高位に維持できることから、INFの効果も高いとされる。皮下注射。針無し注射器による方法が導入されている。米国では2000年5月22日に慢性C型肝炎の適応で申請されている。国内では2001年?2002年の申請を目指して開発が進められている。C型肝炎での本品の効果は、従来品に比較し約2倍、肝硬変を伴うC型肝炎患者では4倍以上の効果が報告された。

出典

明日の新薬CD-ROM,2001.4.2.・読売新聞,第44779号,2000.12.7.

治験記号:Ro-29-9800

<一般名:enfuvirtide>

概要

一般名:エンフュヴィルタイド。[商]fuzeon;フューゼオン(Trimeris/Roche;トライメリス社/ロシュ)。融合阻害剤(fusion inhibitors)と呼ばれる新しいクラスのHIV治療薬である。本剤は抗レトロウイルス療法を続けているにもかかわらず、ウイルスの複製が認められる成人及び小児において、他の抗レトロウイルス薬との併用薬として使用される。日本未発売。

出典

The Medical Letter日本語版,19(13):49(2003.6.23)

治験記号:Ro40-7592

<一般名:tolcapone>

概要

[商]タスマー(日本ロシュ)。抗パーキンソン病薬、COMT阻害剤。申請中。[剤型]錠剤。カテコール-O?メチル基転移酵素(COMT)阻害剤で、末梢及び中枢のCOMTを選択的かつ可逆的に阻害する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:RO-452317

<一般名:trastuzumad(recombinant)>

概要

[商]ハーセプチン(日本ロシュ)。トラスツズマブ。HER2アンタゴニスト、乳癌治療剤。オーファンドラッグ。trastuzumad(recombinant)は、腫瘍細胞の増殖に関与するHER2/neuの遺伝子産物であるチロシンキナーゼ受容体蛋白を標的とするヒト化モノクロナール抗体である。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:Ro-45-23171

<一般名:——–>

概要

トラスツズマブ(ロシュ)。ヒトモノクロナール抗体で、転移性乳癌の治療剤である。血漿膜の表面HER2受容体蛋白は、正常細胞では少量であるが、これが過剰に産生されると遺伝子変換をきたし、発症をもたらすと見られ乳癌、卵巣癌ではこれが約30%に上がる。HER2の過剰産生は、腫瘍形成、転移に関係があり、また抗癌剤に対する感受性を変化させると見られる。本剤の抗腫瘍活性の機序は、解明されていないが、HER2受容体蛋白の産生を減少させ、腫瘍の増殖を抑制するものと見られる。副作用として発熱、悪寒、嘔吐、疼痛、頭痛、無気力が多くの例で見られ、うっ血性心不全、心筋症が見られたとされる。

出典

高杉益充:DI室;月刊ミクス,4:72-73(2001)

治験記号:RO-640796

<一般名:oseltamivir phosphate>

概要

[商]タミフル(日本ロシュ)。リン酸オセルタミビル。ノイラミニダーゼ阻害剤。2000年12月12日輸入承認。[剤型]カプセル剤。[適]インフルエンザA型、インフルエンザB型に有効。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:RP-59500

<一般名:quinupristin/dalfopristin>

概要

「キヌプリスチン/ダルフォプリスチン」(アベンティス)。新しいストレプトグラミン系の抗生物質。キヌプリスチンは3種のペプタイドマイクロラクトン混合物である。キヌプリスチンとダルフォプリスチンは、それぞれ単独では抗菌力はそれほど強くないが、30:70の割合で配合したものは強い相乗効果を示す。作用機序は50Sリポソームに結合し、蛋白合成を阻害する。嫌気性菌を含むグラム陽性菌に強い抗菌力と幅広いスペクトルを有する。特にバンコマイシン耐性腸球菌を含む各種の薬剤耐性菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎球菌等にも優れた抗菌力を示すとされている。副作用は筋肉痛、関節痛、頭痛、下痢、肝機能障害等である。末梢血管からの投与では、血管刺激が強いため、中心静脈から投与しなければならない。他剤との相互作用も報告されており、シクロスポリン、テルフェナジン、ニフェジピン等の代謝を阻害するため注意が必要であるの報告。

出典

高杉益充:DI室,月刊ミクス,1:124-125(2001)・トライアルドラッグス;株式会社ミクス,2000

治験薬一覧:P

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:PB-94

<一般名:sevelamer>

概要

リン酸吸着剤。[剤型]経口剤。[適]高リン酸血症治療剤。腎臓病の透析患者は腎機能の低下で、体外にリンが排泄しにくくなり、8割程度の患者が高リン血症といわれ、骨が脆弱化したり、血管壁に石灰が蓄積されることがある。本剤は食事と一緒に服用することにより、体内に吸収されることなく、消化管において食物中のリンを吸着する。第III相臨床試験臨床試験(中外-キリンビール)。

出典

月刊ミクス,12:73(2000)

治験記号:PR-3305

<一般名:——–>

概要

「エブセレン」(アベンティス-第一)。分子内にセレンを含有する抗酸化剤で、過酸化脂質や過酸化水素などの過酸化物の還元作用、リポキシゲナーゼ阻害作用、NADPHオキシダーゼ阻害作用、白血球の凝集、粘着抑制作用などを有し、クモ膜下出血、脳梗塞急性期の治療薬として期待されている。脳保護薬。

出典

高杉益充:DI室,月刊ミクス,1:124-125(2001)

治験記号:PT-050

<一般名:sonermin>

概要

[商]ティーネフ(大日本)。抗腫瘍性免疫賦活剤。ヒトマクロファージ、rh-TNF。申請中。[剤型]局注。ヒトマクロファージ由来TNFcDNAを大腸菌で発現させ単離したもので、155個のアミノ酸基から構成される分子量17700の蛋白質である。種々の細胞に対し特異的に細胞障害性を示し、腫瘍内あるいは静脈内投与により優れた抗腫瘍効果を示す。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験薬一覧:O

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:OC-108

<一般名:——–>

概要

痔疾用剤(ウェルファイド-レキオファーマ)。内痔核を硬化退縮させ、主症状である脱出と排便時出血を消退させる。第II相臨床試験段階。第III相臨床試験(三菱ウェルファーマ)。痔疾患溶剤。内痔核を硬化退縮させ、主症状である脱出と排便時出血を消失させる。

出典

月刊ミクス,3:38(2001)・月刊ミクス,12:66(2001)

治験記号:OCT軟膏

<一般名:——–>

概要

マキサカルシトール。中外製薬。カルシトリオールの22位の炭素を酸素に置換した活性型ビタミンD誘導体で、分化誘導作用、細胞増殖抑制作用を有する。血清カルシウムの上昇作用は、極めて低いのが特徴。軟膏剤。尋常性乾癬。副作用として刺激感、発赤、掻痒、皮膚落屑等。

出典

高杉益充:Drug Information;月刊ミクス,8:90(2000)

治験記号:ONO-1101

<一般名:landiolol hydrochloride>

概要

[商]オノアクト(小野薬品)。短時間作用型β1-遮断剤、不整脈治療剤、麻酔中頻脈性不整脈。申請中。[剤型]注射剤。静注可能なβ-遮断薬で、心臓選択性が高く、エステラーゼで分解されるため、作用時間が短く、調節性に優れていることから手術期における頻脈、不整脈、虚血性心疾患等への臨床適応が期待されるとの報告がある。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:ONO-1608

<一般名:——–>

概要

第II相臨床試験段階。小野薬品。剤形:注射剤。末梢循環改善剤。PGE1誘導体で血管拡張作用によりバージャー病や閉塞性動脈硬化症に効果を発揮する。血管拡張作用。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-1714

<一般名:——–>

概要

第I相臨床試験。剤形:注射剤。小野薬品。透析時低血圧改善剤。誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)に対し、選択性の高い酵素阻害活性を有する。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-2506

<一般名:——–>

概要

臨床第II相試験。剤形:注射剤。小野薬品。脳梗塞急性期治療剤。脳神経細胞保護作用があり、発症後72時間後の投与でも効果が期待できる等の特徴があり、海外からも期待されている。脳梗塞治療剤。米国・第II相臨床試験。脳神経細胞保護作用。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-4817

<一般名:——–>

概要

第I相臨床試験段階。変形性関節症治療剤。小野薬品。MMP阻害作用。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-4819・CD

<一般名:——–>

概要

第I相臨床試験段階。剤形:注射剤。骨折治療剤。プロスタグランジンE4作用。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-5046

<一般名:sivelestat sodium>

概要

[商]エラスポール(小野薬品)。急性肺障害改善剤、特異的エラスターゼ背阻害剤。申請中。[剤型]凍結乾燥注射剤。特異的エラスターゼ阻害薬であり、エラスターゼによる血管透過性亢進や肺血管透過性亢進に対し抑制作用を示し、感染症に伴う肺障害に対する有用な治療薬になり得る可能性が期待されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:ONO-5046・Na

<一般名:——–>

概要

一般名:シベレスタット。注射用エラスポール(小野薬品)。1997年10月申請。エラスターゼ阻害剤。全身性炎症反応症候群に伴う急性肺障害を予定適応症として、呼吸機能を改善する世界初の薬剤として注目されている。2000年6月米・イーライリリー社に導出。国内でグローバルスタンダードに準拠した試験成績が必要となり、2000年の承認予定から1?1.5年程度遅れる見通し。海外展開には影響ない。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-5816

<一般名:——–>

概要

第II相臨床試験準備中。小野薬品。糖尿病治療剤。米国・仏・リファー社と共同開発。インスリン増刊作用。剤形:錠剤。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-5920

<一般名:minodronate>

概要

臨床第II試験。1999年1月山之内が開発した骨吸収抑制剤ミノドロン酸の骨粗鬆症、高カルシウム血症の適応について国内における開発・販売の独占実施権を小野薬品が取得。各種癌の骨転移及び多発性骨髄腫の適応については山之内が権利を保有し、小野も開発・販売に参画する権利を有する。剤形:錠剤。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-6818

<一般名:——–>

概要

第I相臨床試験段階。剤形:錠剤。小野薬品。経口でエラスターゼ阻害作用を有する世界初の慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤。米・コーテック社との共同研究で、全世界での開発・販売権を取得した。COPD以外にも慢性関節リウマチ(OA)など炎症性の慢性疾患の治療薬としても期待される。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:ONO-8815Ly

<一般名:——–>

概要

第I相臨床試験。剤形:注射剤。小野薬品。切迫早産治療剤。選択的プロスタグランジンEP2アゴニスト作用を有する子宮収縮抑制剤。

出典

月刊ミクス4:46-47(2001)

治験記号:OPC-13340

<一般名:pranidipine>

概要

[商]アカラス(大塚製薬)。Ca拮抗剤、本態性高血圧症。申請中。[剤型]錠剤。ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗剤で、強力・持続性の血管拡張作用を有し、内皮細胞依存性の血管弛緩反応を延長させる作用を有する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:OPC-18790

<一般名:toborinone>

概要

[商]トボノン(大塚製薬)。強心剤、不整脈用剤。申請中。[剤型]注射剤。水溶性のキノリン誘導体で、ホスホジエステラーゼタイプIIIの阻害作用を有する。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:OPC-21268

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
「低ナトリウム血症」。電解質異常のうちで最も多いのは低ナトリウム血症であるが、大部分の低ナトリウム血症は水利尿不全に伴うものでarginine-vasopressinの分泌過剰が関与する。AVPによる分泌過剰に対する対症療法としてAVPの受容体結合を阻害するAVP受容体拮抗剤が開発されている。薬剤にはペプチド性と非ペプチド性がある。経口投与可能な非ペプチド性AVP受容体拮抗剤のうちV1受容体拮抗剤として開発されている。(大塚製薬)。

出典

医薬ジャーナル,36(4):1245(2000)

治験記号:OPC-31260

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
「低ナトリウム血症」。電解質異常のうちで最も多いのは低ナトリウム血症であるが、大部分の低ナトリウム血症は水利尿不全に伴うものでarginine-vasopressinの分泌過剰が関与する。AVPによる分泌過剰に対する対症療法としてAVPの受容体結合を阻害するAVP受容体拮抗剤が開発されている。薬剤にはペプチド性と非ペプチド性がある。経口投与可能な非ペプチド性AVP受容体拮抗剤のうちV2受容体拮抗剤として開発されている。(大塚製薬)。

出典

医薬ジャーナル,36(4):1245(2000)

治験記号: OPC-41061

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
「低ナトリウム血症」。電解質異常のうちで最も多いのは低ナトリウム血症であるが、大部分の低ナトリウム血症は水利尿不全に伴うものでarginine-vasopressinの分泌過剰が関与する。AVPによる分泌過剰に対する対症療法としてAVPの受容体結合を阻害するAVP受容体拮抗剤が開発されている。薬剤にはペプチド性と非ペプチド性がある。経口投与可能な非ペプチド性AVP受容体拮抗剤のうちV2受容体拮抗剤として開発されている。(大塚製薬)。

出典

医薬ジャーナル,36(4):1245(2000)

治験薬一覧:N

木曜日, 8月 16th, 2007

治験記号:NA-001

<一般名:ropivacaine hydrochloride>

概要

[商]未定(アストラゼネカ)。局所麻酔剤、硬膜外麻酔。申請中。[剤型]注射剤。新規アミド型局所麻酔剤である。化学構造は塩酸ブピバカインと類似しており、長時間にわたる局所麻酔作用を有し、中枢神経系や心血管系に対する影響はブピバカインに比べて少ない。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NB-818

<一般名:lemildipine>

概要

[商]未定(興和)。Ca拮抗薬、本態性高血圧、脳血管障害。申請中。[剤形]錠剤。光に安定なジヒドロピリジン誘導体で、脳動脈に選択的に活性を示す。降圧作用はニフェジピンと同等であるが、心臓に対する作用は遙かに弱い。ニモジピンより作用は緩徐とする報告が見られる。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NBI-6024

<一般名:——–>

概要

[治験薬]
本薬は米国・ニュークライン社のAPL(改変ペプチド)技術を用いたインスリンの部分構造改変ペプチドで、1型糖尿病治療薬として開発を進めている。南アフリカで第I相段階にある。1型糖尿病患者は、インスリンを産生するβ細胞の破壊が起こるが、この過程には免疫システムが関与していると考えられている。本薬は免疫システムのT細胞のバランスを変えることにより、β細胞破壊の進行を遅らせ、糖尿病の進行を抑制する。また、現在2型糖尿病と診断されているが、1型とも2型とも違う1.5型とされる糖尿病への有効性も期待されている。糖尿病治療薬。大正製薬が導入計画。

出典

RIS-FAX,第3119 号,2000.7.22.

治験記号:NE-100

<一般名:——–>

概要

第II相臨床試験段階。σ-受容体遮断作用が強力で、選択性にも優れた新しいタイプの精神分裂病治療薬。錐体外路障害の副作用が少なく、陰性症状の改善作用も期待できると報告されている。大正製薬。

出典

月刊ミクス,5:58-59(2001)

治験記号:NE-58095

<一般名:risendronic acid>

概要

[商]未定(味の素-武田-アベンティス)。骨代謝改善剤。骨粗鬆症治療剤。申請中。[剤型]錠剤・注射剤。カルシウム代謝調節作用を有し、経口及び非経口で活性を示すビスホスフォネート剤である。本剤は骨カルシウムに接着してカルシウムの骨からの溶出を防ぎ、破骨細胞の活動を妨げる。

出典

明日の新薬CD-ROM,2000.12版

治験記号:NIM-03

<一般名:nimesulide>

概要

[治験薬]
消炎鎮痛剤。COX-2選択性。スーパーアスピリン。プロスタグランジン(PG)を産生する酵素シクロオキシゲナーゼには、COX-1、COX-2の2種類の酵素が存在し、COX-1は、血小板、胃、腸、腎など殆どの組織に常時存在し、生体の生理機能の調整に関与する。
一方、COX-2は比較的限られた単球、線維芽細胞、滑膜細胞、血管内皮細胞など特定の細胞に存在し、何らかの刺激により一過性に誘導され、炎症や発熱など病理学的作用にかかわるPGの産生に関与している。
従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX-1、COX-2の両方を阻害するため、
COX-1阻害による胃腸障害などの副作用が発現する。従って、選択的にCOX-2を阻害することで、
抗炎症作用が優位にあらわれ、COX-1阻害による副作用が軽減できる。
[適]慢性関節リウマチ、変形性関節症。phase II(2000.2.16.現在)。[商]celebrex(日本モンサント-山之内製薬)。
[治験薬]消化管機能改善剤。塩酸イトプリド。ドパミンD2拮抗作用とアセチルコリンエステテラー阻害作用を有する消化管機能改善剤で、既に慢性胃炎に伴う腹部膨満感、食欲不振、悪心・嘔吐、胸焼けなどの上腹部症状に高い有用性が報告されているが、逆流性食道炎に対する臨床効果の検討もされている。(北陸)。

出典

1)奥田隆彦.新薬展望1998.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.34(S-1),1998,88-93.
2)今井史彦.新薬展望1999.COX?2阻害薬.医薬ジャーナル.増刊号.35(S-1),1999,136-140.
高杉益充:月刊ミクス,2:86-87(2000)

治験記号:NK-104

<一般名:itavastatin calcium>

概要

[商]未定(興和-三共)。循環器官用剤。申請中。[剤型]錠剤。HMG-CoA還元酵素阻害剤で、高脂血症治療薬として開発されていた。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NK-433

<一般名:lanperrisone hydrochloride>

概要

[商]フルピロン(日本化薬)。中枢性筋弛緩薬。申請中。[剤型]錠剤。[適応]痙性麻痺、幼虫症、頸頸腕症候群。2-methyl-3-aminopropiophenone誘導体で、強くて持続性の中枢性の筋弛緩作用を有し、その作用はエペリゾンより強く、筋の痙縮及び緊張亢進に有用性が期待されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NK-843L

<一般名:nitroglycerin>

概要

冠動脈造影時の冠攣縮寛解用に開発された低濃度(1管10mL中に0.5mg含有)のニトログリセリンの注射薬である。第III相臨床試験(日本化薬)。硝酸イソソルビド注射液(1管10mL中5mg)との二重盲検試験の結果、硝酸イソソルビド注射液と同等の有効率を示したと報告されている。

出典

高杉益充:DI室,月刊ミクス,2:96(2001)

治験記号:NM-394

<一般名:prulifloxacin>

概要

[商]キスノン(日本新薬)・スオード(明治製菓)。キノロン系抗菌剤。申請中。[剤型]錠剤。プロドラッグ型のキノロン系合成抗菌剤で、NM441は経口投与後first-pass代謝で殆ど完全に抗菌活性本体であるNM394に変換される。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NM-441

<一般名:prulifloxacin>

概要

[商]キスノン(日本新薬)・スオード(明治製菓)。キノロン系抗菌剤。申請中。[剤型]錠剤。プロドラッグ型のキノロン系合成抗菌剤で、NM441は経口投与後first-pass代謝で殆ど完全に抗菌活性本体であるNM394に変換される。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NM-702

<一般名:——–>

概要

抗血小板剤として米国内で開発。PDE-III、V阻害作用及びTAX2合成阻害作用を合わせ持つ抗血小板・血管拡張剤。米国・第II相臨床試験段階(ウェルファイド-日産化学)。

出典

月刊ミクス,3:38(2001)

治験記号:NRD-101

<一般名:sodium hyaluronate>

概要

[商]スベニール(アベンティス-中外製薬)。関節機能改善剤。乳酸菌の一種を用いる発酵法により量産化した平均分子量約190万の高分子ヒアルロン酸ナトリウムで、先行品とは抽出方法や分子量で大きく異なり、粘性や弾性等で優れているとされる。新規に慢性関節リウマチにおける膝関節痛の適応を取得した。2000年8月発売。

出典

月刊ミクス,12:73(2000)

治験記号:NS-21

<一般名:garomefrine hydrochloride>

概要

[商]ウレスパン(日本新薬)。抗コリン作用・カルシウム拮抗作用。申請中。[剤型]錠剤。神経性頻尿、神経性膀胱、刺激膀胱、不安定膀胱等を対象適応として検討された。選択的α1-受容体作動薬で、腹圧制尿失禁の治療薬として開発されている。

出典

トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000

治験記号:NS-75A

<一般名:cetrorelix acetate>

概要

LHRH(下垂体性腺刺激ホルモン分泌)拮抗剤。注射剤。子宮筋腫(第IIa相)、体外受精/胚移植施行時における早発排卵防止剤(第IIb相)。ブリッジング試験で2000年申請予定。日本化薬-独・アスタ・メディカ社-塩野義製薬。

出典

月刊ミクス,9:111(2000)