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イチョウジュSUPER-24について

火曜日, 8月 7th, 2007

KW:健康食品・機能性食品・生薬・イチョウジュSUPER-24・イチヨウ葉エキス・白果葉・ハクカヨウ・イチョウ・銀杏・Tebonin Forte・Roekan・Tebonin・Tanakan

Q:イチョウジュSUPER-24は何に効くのか

A:イチョウジュSUPER-24(日本グリーンウェーブ株式会社;東京都台東区寿3-15-15)の商品説明書によれば、活性イチヨウ葉エキスとされている。

また、イチョウジュは、日本で管理・栽培されたミドリのイチョウ葉をもとに、ドイツの製薬会社シュワーベ社(独・Dr.Willmar Schwabe)との提携によって製品化された健康補助食品である。

シュワーベ社は約130年の歴史と伝統があり、創業から今日まで薬用植物の研究、開発では世界No.1と評価されている。特に世界に先駆けて1960年以降、イチョウの葉より抽出・精製した成分を分析・研究し、医薬品、健康食品として国際市場で広く普及してきた。

イチョウジュSUPER-24は、イチョウの葉から抽出・精製した高品質のエキスで、約20種の特有のフラボノイドとイチョウのみに含まれるギンコライド、ヒロパライドが主成分である。フラボノイドは活性酸素の除去に優れている。

イチョウジュSUPER-24[イチヨウ葉エキス加工食品]

原材料:

  • 粉末マルチ……………181.20mg[→麦芽糖の水素添加物。低カロリー甘味料]
  • コーンスターチ……… 18.10mg[→トウモロコシ殿粉、賦形剤]
  • イチヨウ葉エキス…… 40.75mg
  • アラビアガム………… 15.75mg[→増粘剤、ゲル化剤]
  • シュガーエステル………1.71mg[→賦形剤、乳化剤]
  • ステビア…………………3.75mg[→南米原産の植物抽出成分。低カロリー甘味料]
  • メントールコートン…  0.25mg[→矯味剤]

内容量:22.5g(250mg×90粒)1日3粒を目安に約30日分。

イチョウ(Ginkgo biloba L.,イチョウ科)の葉[白果葉:ハクカヨウ]の有効成分として二重分子のフラボノイドのギンゲチン(ginkgetin)、イソギンゲチン(isoginkgetin)、ビロベチン(bilobetin)とクエルセチン(quercetin)、イソラムネチン(isorhamnetine)、ケンペノール(kaempherol)等が緑葉中に配糖体として存在する。

効能としては血清コレステロールの低下作用(ginkgetinによる)、冠状動脈拡張作用(quercetin、kaempherol、isorhamnetineの混合物による)があるとされ、西独では血管拡張剤として「Tebonin Forte」(5mL/管)、「Roekan」(30mg/錠)の商品名で、Schwabe社から発売されており、フランスでも同様の目的で液剤が発売されているの報告がある。

血管拡張作用の主薬は、quercetin、kaempherol、isorhamnetineであるが、これらの成分は、血管拡張作用のみではなく、パパベリン様の持続性鎮痙作用もあるといわれている。

臨床的には慢性脳血流障害症状の患者に投与し、脳機能亢進、α-ブロック効果の活性化(EEG)、終末血流量の改善などが報告されている。

また、動脈硬化症、糖尿病性血管症、閉塞性血栓血管炎、レイノー病の末梢性あるいは中枢性循環障害を示す患者に投与し、血流量に関して改善が見られた等の報告もされている。

その他、 flavonoid 製剤として、日本原産のイチョウ葉からアルコール抽出したgingyoエキスは、flavonoides を多量に含有し、活性酸素消去作用が強く、血行不良による脳血栓、心筋梗塞、肝不全、四肢の血流障害、パーキンソン氏病等に有効であるとされる。

西独・仏ではTebonin(Schwabe社)、Tanakan(Ipsen社)の商品名で、医薬品として市販されており、国内では健康食品としてシャクリーフラボン(日本シャクリー)、Gbe(大東化学工業)の商品名で市販されている。

ただし、イチョウジュSUPER-24は、健康補助食品として市販されており、薬効の標榜はできない。


  1. イチョウジュSUPER-24商品説明書
  2. 松田 芳久・監修:医薬品添加物要覧;薬業時報社,1992
  3. イミダス;集英社,1989
  4. 古泉 秀夫・代表編:医薬品情報Q&A[6];株式会社ミクス,1990
  5. グリーンウエーブ株式会社開発営業・私信,199612.3.

アスタキサンチンについて

火曜日, 8月 7th, 2007

KW:薬名検索・アスタキサンチン・astaxanthin・アスタシン・astacin・カロテノイド・carotenoid・赤色色素・抗酸化作用

Q:健康食品中の成分として記載されているアスタキサンチンとはどの様なものか

A:アスタキサンチン(astaxanthin),C40H52O4= 596.85、融点:215-216℃。

カニ、エビなどの甲殻類に最も普通に見いだされるカロテノイド(carotenoid:黄色-赤色-紫色の水不溶性のポリエン色素)の一つ。

遊離の状態あるいはエステルとして存在するほか、蛋白質と結合して種々の色素蛋白質として存在する。

これらの色素蛋白質はかなり不安定で、加熱、有機溶媒の作用によって容易に分解して赤色に変化する。ある種の鳥の赤い羽根にも見いだされており、殆どの動物に見られるカロテノイドであるが、福寿草属のある植物の花弁にも存在する。なおアスタシン(astacin)はastaxanthinの二つのヒドロキシル基がそれぞれケトン基となった構造である。

またastaxanthinは、金魚、緋鯉、鯛等の表皮の赤色色素で、主に動物界に脂肪酸エステルの形で存在する。多くの甲殻類において遊離の形で蛋白質と結合して青色や紫色を呈するカロテノプロテイン(例:crustacyanin)と呼ばれる色素を形成している。

アルカリ溶液中では酸化を伴いアスタセン(astacene)になる。また、carotenoidといえば通例、植物性色素が多く知られているが、 astaxanthinは魚介類に豊富に含まれる赤色色素で、鮭、イクラ、鯛、キンキなどの呈する赤色はastaxanthinによるものである。

astaxanthinはこれまで着色用の食品添加物として使用されることが多かったが、1980年代の後半にastaxanthinの抗酸化作用が vitamin Eやβ-カロテンの100-1000倍あるという研究報告がされ、にわかに注目を集める機能性素材となった。その他、免疫賦活、動脈硬化改善、抗癌、抗糖尿病、美白効果などが報告されている。また、ヘマトコッカス藻を原料とする大量生産技術が開発されたとする報告も見られる。

[011.1.AST:2005.4.26.古泉秀夫]


  1. 今堀和友・他監修:生化学辞典第3版;東京化学同人,1998
  2. 田中 治・他編:天然物化学 改訂第6版;南江堂,2002
  3. 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典;東洋医学舎,2004-2005

新たに麻薬指定される脱法ドラッグ

火曜日, 8月 7th, 2007

KW:法律・規則・麻薬・麻薬指定・5-Meo-DIPT・AMT・フォクシー・Foxy・Foxy Methoxy・Dipt・5meo

Q:最近の新聞報道で、新たに麻薬に指定されると報道されていた脱法ドラッグについて

A:報道記事の内容は、

『厚生労働省は2日、インターネット上などで売買が横行している「脱法ドラッグ」のうち、「5-Meo-DIPT」と「AMT」と呼ばれる物質を新たに麻薬に指定することを決めた。ともに幻覚作用があり、特に「フォクシー」の通称で知られる「5-Meo-DIPT」は若者の間で広く売買されているという [読売新聞,第46232号,2004.12.3.]』

とするもので、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課が配布した次の文書に基づくものである。

 

平成16年12月2日

厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課

麻薬の新規指定について

1. 概要

今般、5-Meo-DIPT及びAMTの2物質を麻薬及び向精神薬取締法に基づく麻薬に指定することとし、パブリックコメントの募集を12月3 日から実施する。これらの2物質は、最近、いわゆる「脱法ドラッグ」として厚生労働省の買上げ調査、インターネット監視等でも国内での流通が確認されており、乱用による保健衛生上の危害が懸念されることから麻薬に指定し規制を行うこととするものである。

2. 新たに麻薬指定される2物質

(1)5-Meo-DIPT
化学名:3-[2-(ジイソプロピルアミノ)エチル]-5-メトキシインドール薬理作用:幻覚作用

(2)AMT
化学名: 3-(2-アミノプロピル)インドール薬理作用:幻覚作用

3. 今後の予定

これらの2物質を麻薬指定するため、以下のとおり「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」の改正を行う予定。

パブリック・コメントの募集 12月3日から1ヶ月。政令の改正 平成16年度中。

4. 今後の対策

来年度概算要求において、麻薬指定の根拠となる科学的データが乏しい脱法ドラッグについて依存性、精神毒性に関する試験を実施し、速やかに麻薬 指定するための経費を要求しているところである。

以上の経緯を受けて、平成17年3月18日各都道府県知事・地方厚生(支)局長あて厚生労働省医薬食品局長発出の薬食発第0318001号『麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令の施行について(通知)』により公布の日(平成17年3月18日)から起算して 30日を経過した日(平成17年4月17日)から施行されるものであることとされたため、4月17日以降は所持するだけで処分の対象とされる。

 

麻薬指定物質の概要

1. 名称、構造式

(1)5-Meo-DIPT
俗称:フォクシー、フォクシーメトキシ
(2)AMT
俗称:デイトリッパー

2. 作用等

トリプタミン骨格を有する幻覚剤。浮揚感、視覚・聴覚変容作用、瞳孔散大、情緒障害等の作用を示す。5-Meo-DIPTは6-10mgで3-6時間作用が持続し、AMTは20mgで12-24時間作用が持続するといわれている。

類似の化学構造をもつ物質では、エトリプタミン、DMT、DET等が麻薬に指定されている。

■5-Meo-DIPT:N,N-ジイソプロピル-5-メトキシトリプタミン (N,N-diisopropyl-5-methoxitryptamine)
化学名:5-methoxy-N,N- diisopropyltryptamine。
通称:フォクシー、Foxy、Foxy Methoxy、Dipt、5meo、キツネのメトキシ。
白色、特異な臭気を有し、嫌な味がするといわれている。本品の1回の使用量は1gで、それより僅かに多い量でも過剰状態となり危険である。本品は急激に耐性が発現する。
■AMT:α-methyltriptamine。3-(2- aminopropyl)indole
通称:IT-290、3-IT
経口によって摂取される幻覚剤で、かなり長時間に亘って幻覚作用をもたらす物質である。本品は15mg摂取で、12時間に及ぶ強力な幻覚体験を生ずる。
1.薬理作用:脳内のセロトニンと化学構造が類似しており、投与により強力な幻覚作用が発現する。
2.用途:日本では医薬品として承認されていない。ロシアにおいてうつ病の治療薬として使用されていたことがある。
3.危ぐされる健康被害:悪心、嘔吐、呼吸障害、運動失調、昏睡等が起こる。乱用を続けると、長期にわたって精神分裂等の重篤な精神障害を来すことがある
4.乱用・規制状況:幻覚発現剤として乱用者がいる。麻薬に指定されているDMTとその化学構造が酷似している。

[615.1.MEO:2005.1.11.古泉秀夫2005.4.5.改訂]


  1. http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1202-2.html,2004.12.15.
  2. 奥田 潤・他訳:合成ドラッグ;白水社文庫クセジュ,2004
  3. http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/yakuji/kansi/datudora/top.html, 2004.12.15.
  4. 薬師寺美津秀:乱用薬物密造の化学;(株)データハウス,2002

アシュワガンダについて

火曜日, 8月 7th, 2007

KW:健康食品・アシュワガンダ・ashwagandha・Winter Cherry・ナス科・アーユルベーダ・インドニンジン・インデイアンジンセン・インド人参

Q:アシュワガンダとはどの様なものか

A:『アシュワガンダ(Ashwagandha)』は、サンスクリット語の呼称で学名はWithania somnifera Dunal、英名Winter Cherryと呼ばれる植物であり、インド、ネパールの乾燥地及び中東などに自生する高さ1.5m程の太い低木で、卵形の葉と緑色あるいは赤黄色の花を付けるナス科の植物である。

コショウ、唐辛子と同属の植物で、アフリカとインドで発見された。その成分は朝鮮人参の活性成分と類似しており、リンパ球の様な免疫組織細胞を刺激する。

ヒンズー語の名前は『馬の臭い』を意味し、臭いだけでなく、馬の強さも示し、古来よりインドの伝統医療“アーユルベーダ”において、強壮、気付薬、催淫薬として使用されていた。

  • 関連名称:Withania somnifera(ナス科)
  • 英名:Withania(ウィタニア)
  • 和名:ウィタニア、インドニンジン
  • ヒンズー名:ashwagandha(アシュワガンダ)。インデイアン・ジンセン(インド人参)。
  • 薬効部分:主に根・葉、漿果が薬用に利用される。葉には癌細胞の増殖を抑制するウィタノライドが多く含まれている。漿果は、インドで病気の回復期に効果があるとされ、噛んで利用される。
  • 主要成分:アルカロイド、鉄、ステロイドラクトン(ウィタノライド)。イソペリエチエリン、アナフェリン、ステロイドサポニン
  • 適応症:関節炎、腫瘍、疲労、虚弱体質、集中力の欠如、記憶力減少、頭痛の解消。

また、近年の研究では、

  • 抵抗力増加作用
  • 抗ストレス(鎮静)作用
  • 老化防止作用
  • 脳機能改善作用
  • 抗炎症作用

など多くの有用性が報告されており、注目されている。

  • 安全性:幾つかのヒトにおける臨床試験において、重大な副作用は報告されていない。

アシュワガンダエキスとしての急性毒性(マウス腹腔内投与:LD50)は1,260mg/kgと報告されている。この実験では1,100mg/kgまで死亡例は見られていない(体重60kgのヒト換算で66g)。ラットによる亜急性毒性では500mg/kg/dayの量を12週間経口投与しても死亡例はなく、内臓所見の異常も見られなかった(体重60kgのヒト換算で 30g/day。)

近年ダイオキシン類をはじめとする化学物質が、微量で人体に悪影響を与え、環境ホルモンとして生殖機能を減退させることが問題とされている。また男性生殖器官は、女性ホルモン様物質に曝露されると萎縮していくが、アシュワガンダはラットの投与試験でそのダメージからの回復を促進する効果を示した。本品の摂取に際し、『病気の治療を受けているヒト(医師に相談のこと)・妊娠中、授乳中のヒト・幼児、児童・本品の摂取により何らかの変調を生じたヒト』については、回避することの注意がされている。

 [015.9.ASH:2004.3.9.古泉秀夫]


  1. http://foods.nippon- shinyaku.co.jp/products/ashwagandha.html,2004.2.5.
  2. http: //home.catv.ne.jp/nn/bambi/hapimaowh/ashwagandha.html,2004.2.5.
  3. 難波恒雄・監訳:世界薬用植物百科事典;誠文堂新光社,2000

アルツハイマー治療薬『塩酸メマンチン』について

火曜日, 8月 7th, 2007

KW:薬名検索・アルツハイマー治療薬・塩酸メマンチン・memantine hydrochloride・ナメンダ・SUN-Y7017・D-145・DMAA

Q:米国で承認されたというアルツハイマー治療薬『塩酸メマンチン』について

A:『米国食品医薬品局(FDA)は、2003年10月17日重症のアルツハイマー病治療薬を初めて認可した。本品は米国のフォレスト・ラボラトリーズのナメンダ(一般名:塩酸メマンチン)で、深刻なアルツハイマー病の患者を対象とした治験で、食事のような日常的な動作の衰えを抑える効果があったという。米国では来年1月から発売される予定。』とする新聞報道がされた。

本剤に関する詳細は、次の通り報告されている。

  • 一般名:memantine hydrochloride(塩酸メマンチン)。
  • 同義語:SUN-Y7017、D-145、DMAA、MRZ-2/145。Ebixa(Merz社)、Akatinol(Merz社)。
  • 薬理:NMDA(N-methyl-D-aspartate)antagonist。
  • 国内:第II相臨床試験(サントリー-第一製薬)。orphan drug指定。

memantine hydrochlorideは、経口タイプのamantadine誘導体で、NMDA受容体拮抗作用を有する。神経細胞保護作用並びにパーキンソン病の症状改善効果を示す。本剤はNMDA受容体によるCa2+チャンネルを調節し、Ca2+ 透過性を減弱させるが、正常なシグナル伝達は阻害しないことから、幻覚、精神障害、昏睡などの副作用が見られない。海外では抗パーキンソン薬として数カ国(独逸・韓国等)で上市されている。独逸では1989年抗痴呆薬として上市され、ヨーロッパでは中等度から重度のアルツハイマー病を適応として申請、2002年5月に承認されている。

米国では2002年7月、中等度から重度のアルツハイマー病の適応で申請されたが、同年9月に修正と第III相臨床試験の新たなデータを含めて再申請するため申請が取り下げられ、その後2002年12月に再申請されていた。脳血管性痴呆、AIDS関連痴呆、AIDS関連神経障害性疼痛を適応とする開発も行われている。また緑内障治療薬としての開発も行われている。 国内でも軽・中等度のアルツハイマー病を対象とした開発が進行中である。

[011.1.MEM:2003.10.20.古泉秀夫]


  1. 重症アルツハイマー初の治療薬 米当局認可;読売新聞,第45821号,2003.10.18.
  2. 麻生 芳郎・訳:一目で分かる薬理学 第3版;MEDSi,1997
  3. 明日の新薬CD-ROM版,2003.10.20.

あまちゃづる茶について

月曜日, 8月 6th, 2007

KW: 健康食品・機能性食品・生薬・漢方薬・あまちゃづる茶・アマチャヅル・ Gynostemma pentaphyllum・七葉胆・シチヨウタン・小苦薬・シヨウクヤク・公羅鍋底・コウラカテイ・遍地生根・ヘンチセイコン・絞股藍・ココウラン・ダンマラン・サポニン配糖体

Q:あまちゃづる茶と称して市販されているお茶の成分等について

A:アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum(Thunb)Mak. )には、七葉胆(シチヨウタン)、小苦薬(シヨウクヤク)・公羅鍋底(コウラカテイ)・遍地生根(ヘンチセイコン)等の異名がある。

ウリ科の植物。絞股藍(ココウラン)の和名が、アマチャヅルであり、その全草又は根茎を用いる。多年生よじのぼり性草本。

  • 成分:ステロール、糖類、色素、配糖体を含む。
  • 薬効:消炎・解毒、鎮咳、去痰。研って粉末にし、1 回0.7-1 銭、1 日3 回服用し、10日を1 クールとする。

本品の成分として、ダンマランを基本骨格とするサポニン配糖体が見出だされ、現在までに、抽出された20種を越える成分中、薬用人参に含まれるものと全く同じ構造をした成分が数種発見されている。このダンマラン系サポニンは、薬用人参の仲間以外には含有されていることが少ないもので、薬用人参の有効成分ではないかとして研究されている物質である。従って、アマチャヅルにも、人参と同様の効果が期待できるのではないかとして、新しく我が国で服用し出したものである。

その効能や有効成分に関する研究は、緒に付いたばかりであり、その本質については殆ど分っていない。近年の中国における臨床研究では、本品の粉末(1 回2.5-3.0gを1 日3 回-10 日間)の服用により、慢性気管支炎にやや有効であるとする結果が出されているが、副作用として軽度の悪心、嘔吐、腹部膨満、下痢あるいは便秘、眩暈、耳鳴等が発現したと報告されている。また、アマチャヅルは、成育場所により成分が多様に変化するため、一定の品質のものを得ることは困難だとされている。


  1. 上海科学技術出版・編:中薬大辞典 第2 巻;小学館,1985,p.1088
  2. 難波 恒雄・他:アマチャヅルの薬効の有無;
    質疑応答 第12集;日本医事新報社,1985,p.603
  3. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.422,1992.10.9.

アクア酸化水の使用例-アトピー性皮膚炎に対する

月曜日, 8月 6th, 2007

KW:健康食品・機能性食品・アクア酸化水・強酸性電解水・強酸性水・アルカリイオン水・アトピー性皮膚炎

Q:アトピー性皮膚炎に対するアクア酸化水の有効性を検討した資料はあるか

A:アトピー性皮膚炎の治療法として、ステロイド療法・光線療法・漢方療法等、種々の療法が報告されているが、電気分解して得られるアルカリイオン水を飲んでよくなったとする事例も報告されている。

兵庫県明石市の光明会明石病院の内科医師は、アルカリイオン水を患者に飲用させ、強酸性水を患部に塗布する治療法を試み、約1600の患者のうち6?7割の人が半年ほどの間に改善され、医学的に研究する価値があるとする報道が見られる。

本来アクア酸化水は、水道水に微量の食塩を添加後、電気分解することにより得られる強酸性電解水で、アルカリイオン水は、同時に電気分解されて陽極側に生成する水である。アクア酸化水は、Oxilyzer(三浦電子)より生成される強酸性電解水の呼称である。強酸性電解水pH3以下(約2.7)、酸化還元電位1100mV以上の高ポテンシャルを有する水である。酸性電解水は、現在、消毒用の水として種々検討されている。殺菌効果のメカニズムは、完全に明らかにされていないが、塩素の殺菌力を最大に引きだしたものが強酸性電解水であると考えられている。電気分解によって、食塩の添加に伴い塩素ガスが生成する。この塩素の被酸化反応種の一つはアミノ基であり、非特異的な酸化反応により微生物に作用していると考えられている。強酸性電解水の殺菌効力を示す因子の本体は、塩素関連物質であり、活性酸素はESR法で検出されなかったとする報告もされている。

アルカリイオン水の飲用、強酸性水の患部への塗布により、どのような作用機序でアトピー性皮膚炎に効果が得られるのかは不明であるが、実際に使用した経験のある医師の声として、強酸性水の患部への塗布はしみるとする意見もきかれた。アトピー性皮膚炎に対する強酸性水の作用機作は、今後の検討に委ねられているといえる。ただし、アトピー性皮膚炎患者では、水道水中の残留塩素により悪化するとの報告も見られるため、強酸性水の塗布にはさらに検討が必要である。


  1. アトピーとつきあう(下)?生かしきれない治療情報:毎日新聞,1993.12.6.
  2. 岩沢 篤郎・他:強酸性電解水の有用性;日本医事新報社,No.3668(1994)