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食物過敏症患者に投与禁忌とされる薬剤[改訂第4版]

金曜日, 8月 17th, 2007

食品に過敏症の既往歴のある患者に、投与禁忌とされている薬剤は、酵素系 の薬剤であり、消化酵素系では、ブタ膵臓が原料として使用されている『pancreatin』が標的薬剤 である。なお、配合組成中に『膵臓性消化酵素』と記載されている薬剤の場合も、標的薬剤は『pancreatin』 である。

その他、『孵化鶏卵』を用いてウイルスを増殖させることから、「influenza HA vaccine」では、鶏による過敏症の既往者では禁忌とされており、『lysozyme chloride』では、鶏の卵白から得られる塩基性ポリペプチドということで『卵白』アレルギーの既往者では、投与禁忌とされている。『lysozyme chloride』の場合、医療用医薬品よりは『OTC』に配合されているものが多いので注意が必要である。

『albumin tannate』では、全て タンニン酸と牛乳カゼインを原料として製造されていることから、『牛乳アレルギー』の既往患者では、 投与禁忌とされている。

牛乳に関しては『耐性乳酸菌』製剤の一部 について、医薬安第50号「医薬品の使用上の注意の改訂について」(平成11年5月12日)により、アナフィラキシー様症状の発現が追記された。但し、ビ オフェルミン、ビオフェルミン-R等の生菌製剤の一部は、今回の改訂指示からは除外されている。なお、本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は、低年齢 層に限定されていないので注意する。

また『saccharated pepsin(含糖ペプシン)』では、その原料がブタ又はウシの『胃粘膜』から得た『pepsin』であることから、ウ シ及びブタ蛋白質に過敏症の既往患者では、投与禁忌とされている。

『interferon』製剤の一部では、その製造に際し、培養にウシ血清を用いており、「異種蛋白否定試験(陰性であ ることの確認)を行っているが、極微量の混入の可能性を完全には否定できないとして、『ウシ由来物質』 に過敏症の既往歴が記載されている。

従って、表中の薬剤を処方する場合、問診により患者のアレルギー歴を十分 確認することが必要である。

分類・一般名・商品名(会社名) 対象飲食物 概要
[639]IFNβ(持田)

成分:interferon-β

本剤及びウシ由来物質に過敏症の既往歴 ■本剤の製造に際し、培養にウシ血清を用いており「異種蛋白否定試験(陰性であることの確認)を 行っているが、極微量の混入の可能性を完全には否定できない。
[233]アクチムカプセル(三共)

組成:taka-diastase N 100mg・cellulase AP 20mg・lipase M.Y.50mg・pancreatin 100mg/Cap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する。従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予 測される。

■配合成分であるpancreatinは、くしゃみ、流涙、皮膚発赤等を起こすことがあるの報告。

■本品は食用獣、主としてブタ膵臓からから製したもので、澱粉消化力、蛋白消化力及び脂肪消化力が ある酵素剤で、1g当たり2800澱粉糖化力単位以上、28000蛋白消化力単位以上及び960脂肪消化力単位以上を含む。

[325]アミノレバンEN(大塚)

組成:L-isoleucine 1.9225g・L-leucine 2.037g・lysine hydrochloride 0.2425g・L-threonine 0.133g・L-valine 1.602g・L-arginine hydrochloride 0.302g・L-histidine 1875g・L-tryptophan 73.5mg・ゼラチン加水分解物6.5g・コメ油3.5g・デキストリン31.05g等/50g/包

牛乳に対しアレルギーのある患者 ■「肝不全用経口栄養剤」である本剤は、添加物としてカゼインを含有することから、牛乳に対しアレ ルギーのある患者に対する注意を喚起するために記載。

■本項が「禁忌」に追記されたのは、平成12年1月12日付事務連絡による。添加剤としてカゼイン 又はその塩類を含有する全ての医薬品が対象とされたた。

[231]アンチビオフィルス(日研)

成分:antibiotics-resistant lactics and bacteriae

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は、「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状で はなく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。

参照

上記の「禁忌」追記は、大阪小児科学会( 大阪小児科学会会誌,16(1),1999)で報告された過敏な牛乳アレルギーを有する2歳男児の症例が根拠としてあげられている。

生後5カ月でアトピー 性皮膚炎、生後1年で気管支喘息発症。

食物アレルギーのため、牛乳、卵の厳格除去を実施していたが、食物中の微量な乳蛋白に対して反応し、全身じんま疹、 喘息発作が発現した。下痢、嘔吐が発現したため、抗生物質と耐性乳酸菌製剤を投与したところ、投与15分で全身じんま疹、喘鳴、呼吸困難が発現した。

原因 として、医師が処方した耐性乳酸菌製剤の、添付文書に記載のない微量牛乳成分が強度のアナフィラキシーショックを惹起したものと推定されている。

[631]インフルエンザHAワクチン

(化血研)

ビケンHA(阪大微研)

成分:influenza HA vaccine

本剤成分又は鶏卵、鶏肉その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者 ■本品は孵化鶏卵で増殖させたインフルエンザウイルスの感染力を失活(不活化)させて作る。

製品中 に鶏卵由来の蛋白質が存在するため、鶏卵・鶏肉・鶏由来のアレルギーを発現する者では投与禁忌とされている。

[233]エクセラーゼ(明治製菓)

組成:サナクターゼ50mg・プロクターゼ100mg・オリパーゼ2S 20mg・メイセラーゼ50mg・膵臓性消化酵素TA 100mg/0.4g又は錠・Cap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■膵臓性消化酵素剤(pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物の摂取に よる過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測される。
[233]エーザイム錠(エーザイ)

組成:pancreatin 300mg・cholic acid 20mg /錠

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する

従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予 測される。

[217]エマベリンL-Cap.(塩野義)

成分:nifedipine

牛乳に対しアレルギーのある患者 ■本剤は添加物としてカゼインを含有する。

■本項が「禁忌」に追記されたのは、平成12年1月12日付事務連絡により添加剤としてカゼイン又 はその塩類を含有する全ての医薬品が対象とされたため。

[325]エンシュア・リキッド

(明治乳業-大日本)

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は半消化態栄養剤で-配合成分としてカゼインナトリウム・カゼインナトリウムカルシウムが配 合されている。

参照

カゼイン(casein):牛乳中でカゼインはカルシウム と結合しリン酸カルシウムの複合化合物(calciumcaseinate complex)を形成し、コロイド状で分散している。牛乳が白色の外観を呈するのはこのためである。食品添加物規格で取り扱うカゼインは酸カゼイン(脱 脂粉乳に酸添加又は乳酸醗酵により精製)のみで

種類 蛋白質 カゼイン
牛乳 3.25%  2.6%
山羊乳 3.3 2.5
水牛乳 3.78 3.2
豚乳  5.8 3.9
馬乳 2.2  1.0
人乳 1.16   0.51
食品添加物のカゼインナトリウムは乳化剤等として使用。
[325]エンシュア・H

(明治乳業-大日本)

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は半消化態栄養剤で-配合成分としてカゼインナトリウム・カゼインナトリウムカルシウムが添 加されている。
[325]エンテルード(テルモ)

卵白加水分解物

記載無 ■1998年8月改訂添付文書に特に記載無
[231]エンテロノン-R(HMR)

成分:antibiotics-resistant lactics and bacteriae

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状では なく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。

参照

(1)73歳・男性。原疾患:下痢(脳出血後遺症:半身不 随)(気管切開後)。

本剤(1g/日)及びFOM服用2時間後呼吸困難、チアノーゼ、意識消失したが、自発呼吸有り。

服用2.5時間後呼吸改善。3時間後 開眼、4時間後反応有り。

翌日には経口摂取可能。血圧・脈拍正常。本剤による軽度の湿疹発現の既往。

他に併用薬としてフェノバルビタール、ニフェジピン。

(2)2歳・男性。原疾患:下痢(気管支喘息、急性咽頭炎、嘔吐)。

気管支喘息の管理は良好であったが、腹痛、嘔吐、咽頭発赤が発現したことからウイルス 感染の疑いでドンペリドン及びセフテラムピポシルの投与開始。翌日下痢が出現したため本剤(2g/日)及びロートエキスのみ服用したところ、1時間後に顔 面の発赤、喘鳴及びじんま疹が発現。

コハク酸ヒドロコルチゾンNa点滴、生理食塩液及び塩酸プロカテロール吸入により同日回復した。

患児は高度の牛乳アレ ルギー(接触するだけでじんま疹)、気管支喘息、アレルギー性鼻炎及びじんま疹があった。他の併用薬:テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム。

(3)31歳・男性。抗生物質投与時の下痢予防(急性扁桃腺炎)。

本剤(1g/日)及び併用薬を服用。10分後に喘息様症状、30分後に全身の痒み及び悪 寒、1時間後に下痢が発現した。プレドニゾロン、ベタメタゾンとマレイン酸クロルフェニラミン配合剤、硫酸オキシプレナリン及びシメチジン投与。翌日回 復。

DLST(リンパ球幼弱化試験)で本剤のみ陽性。他の併用薬:セフロキシムアキセチル、メキタジン。

[231]エントモール散(山之内)

組成:antibiotics-resistant lactics and bacteriae

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状では なく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。
[395]塩化リゾチーム

lysozyme chloride

アクディーム(グレラン)

アンフラーゼL(東洋製化-小野)

オペック錠(富山)

テラチームL(カネボウ)

ノイチーム錠(エーザイ)

レフトーゼ錠(日本新薬)

□OTCに配合・注意。

卵白アレルギー ■本剤の成分は卵白由来の蛋白質で、卵白アレルギーがある患者においてアナフィラキシーショックを 含む過敏症状の報告。

■塩化リゾチームは、鶏卵白から得られる18種129個のアミノ酸からなる塩基性ポリペプチドで、 ムコ多糖分解作用を有する。消炎酵素剤として、慢性副鼻腔炎、喀痰喀出困難、慢性結膜炎などに内服あるいは概要として用いられる。

[233]含糖ペプシン(各社)

成分:saccharated pepsin

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本品はブタ又はウシの胃粘膜から得たpepsinに「乳糖」を混和したもので、蛋白消化力が有る 酵素剤である。

従って、原料動物による過敏症既往歴患者では、本剤の服用により原動物に由来する過敏症の発現が予測される

[325]クリニミール

(森永乳業-エーザイ)

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は半消化態栄養剤で-配合成分として牛乳由来のカゼインが配合されている[添付文書, 1999.8.改訂]。

■牛乳由来カゼインによるアナフィラキシーショック。

[231]コレポリー-R散(東和薬品)

成分:antibiotics-resistant lactics and bacteriae

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状では なく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。
[233]コンビチーム錠(マルホ)

組成:膵臓性酵素220mg・アスペルギルス・オリラーゼ産生酵素 120mg/錠

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴

牛乳に対しアレルギーのある患者

■膵臓性消化酵素剤(pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物の摂取に より過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測。

■本剤は添加物としてカゼインを含有する。

[233]ザイマ錠(田辺)

組成:ビオジアスターゼ700 100mg・膵臓性消化酵素TA 50mg・プロザイム620mg/錠

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■膵臓性消化酵素剤(pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物の摂取に より過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測。
[233]ストミラーゼ(住友)

組成:ジアスメンSS 50mg・スタラーゼ50mg・モルシン25mg・リパーゼM.Y.50mg・セルロシンAP 30mg・パンクレアチン4倍品50mg/0.3g又はCap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する。従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予 測される。
[639]スミフェロン注(住友)

成分:interferon-α

本剤又は他のインターフェロン製剤及びウシ由来物質に過敏症の既往歴 ■本剤の製造に際し、培養にウシ血清を用いており「異種蛋白否定試験(陰性であることの確認)を 行っているが、極微量の混入の可能性を完全には否定できない。
[233]セブンイー・P(科研)

組成:モルシン40mg・ニューラーゼ30mg・ビオジアスターゼ 2000 20mg・オリパーゼ4S 50mg・セルラーゼAP3 15mg・プロナーゼ5 mg ・膵臓性消化酵素TA 100mg/ Cap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■膵臓性消化酵素剤(pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物の摂取に より過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測。
[233]タフマックE(小野)

組成:ジアスメン50mg・ジアスターゼ40mg・オノテース10mg・ モルシン20mg・ボンラーゼ45mg・セルロシンAP 20mg・パンクレアチン120mg・ポリパーゼ30mg・オノプローゼA 40mg/0.5g又はCap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する。従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予 測される。
[231]タンナルビン(菱山)

成分:albumin tannate

牛乳アレルギーのある患者

『服用前』に牛乳アレルギーの有無を確認。

■ショック又はアレルギー様症状を起こすことがある。

■牛乳・卵アレルギーのある患児(1歳・男)に下痢治療目的で、ホスホマイシンDS、合成ケイ酸ア ルミニウム、耐性乳酸菌製剤等と本剤を併用1回投与(投与量不明)したところ薬剤服用直後にじんま疹、眼瞼等の血管浮腫、嘔吐、喘鳴等発現。2時間後から チアノーゼ、意識障害、血圧低下等が発現し入院。酸素吸入、輸液、ステロイド投与等の処置により回復。プリックテストで牛乳、albumin tannateに陽性。

■乳製品・卵・牛肉等の食物アレルギーのある患児(5歳・男)に下痢治療目的で 本剤を投与したところ、本剤服用後突然に全身の膨疹、呼吸困難が発現し、ショック状態になる。スクラッチテストでalbumin tannateに陽性。

■albumin tannate は、全てタンニン酸と牛乳カゼインを原料として製造されている。本剤服用によるアナフィラキシー様症状及びショックの発現は、albumin tannateの原料である牛乳由来の蛋白質『カゼイン』によるとされている。

[325]ツインライン(雪印乳業)

乳蛋白加水分解物

記載無 ■1998年7月改訂添付文書に記載無
[325]ハーモニック-M

(エスエス製薬)

低乳糖乳蛋白質

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、アナフィラキシー様ショックを引き起こすことがあ る[添付文書,1999.6.改訂]
[325]ハーモニック-H

(エスエス製薬)

乳精蛋白質・低乳糖乳蛋白質

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、アナフィラキシー様ショックを引き起こすことがあ る[添付文書,1999.6.改訂]
[233]パンクレアチン(菱山)

成分:pancreatin

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本品は食用獣、主としてブタ膵臓からから製したもので、澱粉消化力、蛋白消化力及び脂肪消化力が ある酵素剤であり、1g当たり2800澱粉糖化力単位以上、28000蛋白消化力単位以上及び960脂肪消化力単位以上を含む。

■pancreatinはくしゃみ、流涙、皮膚発赤等を起こすことがあるの報告がある。

[231]ビオスリー・同錠(鳥居)

成分:clostridium butyricum(酪酸菌)

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状」で はなく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。
[395]プロクターゼP(明治製菓)

組成:プロクターゼ10mg・パンクレアチン50mg/ Cap

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する。

従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予 測される。

[325]ベスビオン(雪印乳業-藤沢)

MCTカゼイン・ 低乳糖脱脂粉乳・全粉乳

牛乳蛋白アレルギーを有する患者 ■本剤は半消化態栄養剤で-配合成分として牛乳由来のカゼインが配合されている[添付文書, 1999.10.改訂]
[233]ベリチーム(塩野義)

組成:濃厚膵臓性消化酵素125mg・細菌性脂肪分解酵素25mg・アス ペルギルス産生消化酵素剤30mg・繊維素分解酵素15mg/0.4g又はCap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■濃厚膵臓性消化酵素剤(濃厚pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物 の摂取により過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測される。
[233]ポリトーゼ(武田)

組成:ヒロダーゼ25mg・マミターゼ35mg・リパーゼA 12mg・セルラーゼAP320mg・濃厚パンクレアチン75mg/0.4g又はCap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用など多くの酵素作用を有する。従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性。
[231]ポリラクトン(吉富製薬)

組成:Lactobacillus acidophilus等耐性乳酸菌400mg含有

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状」で はなく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。
[233]ホルミラーゼ(第一)

組成:スタラーゼS 50mg・モルシン50mg・リパーゼM.Y.17mg・パンクレアチン100mg/Cap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴(誘発) ■本剤中に配合されているpancreatinは動物の膵臓から製した多種消化酵素の混合物で、プ ロテアゼ、アミラーゼ、リパーゼ作用等多くの酵素作用を有する。従って原料動物による過敏症既往患者では、本剤投与により再度過敏症発現の可能性が予測さ れる。
[233]ミニラーゼS(山之内)

組成:ビオジアスターゼ1000 25mg・ニューラーゼ30mg・リパーゼAP6 12mg・セルラーゼAP3 5mg・膵臓性消化酵素TA 60mg/0.3g 又はCap.

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■膵臓性消化酵素剤(pancreatin)は、ブタ膵臓から精製したものであり、原動物の摂取に より過敏症発現の既往者では、本剤服用により過敏症発現の可能性が予測される。
[234]ミルマグ錠(阪急共栄物産)

組成:magnesium hydroxide 0.35g/錠

添加物:サッカリンナトリウム・香料・脱脂粉乳(カゼイン含有)

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤は添加物としてカゼインを含有する。
[613]メイアクト錠・小児用細粒

(明治製菓)

成分:cefditoren pivoxil

牛乳に対しアレルギーのある患者 ■本剤は添加物としてカゼインナトリウムを含有する。
[614]メデマイシンカプセル

(明治製菓)

成分:midecamycin

牛乳に対しアレルギーのある患者 ■本剤は添加物としてカゼインを含有する。
[233]モルマーゲン顆粒(東亜)

組成:塩酸ベタイン200mg・モルシン50mg・メイセラーゼ 50mg・サナクターゼ50mg・リパーゼM.Y.25mg・含糖ペプシン100mg/g

ウシ又はブタ蛋白質に過敏症の既往歴 ■本剤中に配合されているsaccharated pepsinは、ブタ又はウシの胃粘膜から得たpepsinに「乳糖」を混和したもので、蛋白消化力が有る酵素剤である。従って、原料動物による過敏症既 往歴患者では、本剤の服用により原動物に由来する過敏症の発現が予測される。
[325]ラコール(大塚-雪印)

組成:乳カゼイン・分離大豆蛋白・トリカプリンダイズ油・シソ油等

牛乳蛋白にアレルギーを有する患者 ■本剤には牛乳由来のカゼインが含まれているため、アナフィラキシーショックを惹起することがあ る。
[231]ラックビー(日研)

成分:lactbacillus biofidus(ビフィズス菌)

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状」で はなく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。
[231]ラックビー-R散(日研)

成分:antibiotics-resistant lactics and bacteriae

牛乳に対してアレルギーのある患者 ■本剤によるアナフィラキシー様症状の発現は「耐性乳酸菌等に起因するアナフィラキシー様症状」で はなく、製剤化に際して『安定化剤として添加されている脱脂粉乳』によるものである。

[1999.12.14.古泉秀夫・ 1999.12.17.第2改訂・2000.3.23.第3改訂・2000.3.24.第4改訂]


  1. 高久史麿・他監:治療薬マニュアル;医学書院,1999
  2. タンナルビン「ヒシヤマ」使用上の注意改訂のお知らせ,1999.8.
  3. アクチムカプセル添付文書,1996.12.改訂
  4. 第十三改正日本薬局方解説書;広川書店,1996
  5. 薬科学大辞典;広川書店,1990
  6. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・私信, 1999.12.16
  7. 活性生菌製剤の牛乳アレルギー患者への投与について;わかもと製薬株式 会社,1999.5.
  8. 添付文書改訂のお知らせ「メイアクト錠・小児用細粒」;明治製菓株式会 社,1999.12.
  9. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:医薬品情報,26 (6):543-545(1999)
  10. 鈴木郁生・他監修:第7版 食品添加物公定書解説書;広川書店, 1999
  11. クラヤ薬報,No.877:8-9(2000.3.17.)
  12. アミノレバンEN添付文書,2000.1.改訂
  13. 添付文書改訂のお知らせ(アミノレバンEN);大塚製薬株式会社, 2000.2.
  14. ミルマグ錠添付文書,2000.1.改訂
  15. エマベリンLカプセル添付文書,2000.1.改訂
  16. ポリラクトン-ヨシトミ添付文書,1999.5.改訂
  17. ラコール添付文書,1999.10.改訂