トップページ»

一般用 医薬品(鎮暈剤)の催奇形性について

木曜日, 8月 16th, 2007

KW:催奇形性・催奇性・奇形児・鎮暈剤・乗物酔防止薬・つわり用薬・一般 用医薬品・OTC ・妊婦・絶対過敏期・相対過敏期

「鎮暈剤の製造(輸入)承認基準」(昭和59年6月1日)において、鎮暈剤 (乗物酔防止薬、つわり用薬含む)の有効成分・配合量等が規定されている。使用上の注意については、「日薬連申し合わせ(平成9年2月20日付)」が報告 されているが、妊婦への投与については、

「2.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること。-(2)妊婦又は妊 娠していると思われる婦人」と記載されている。

相談された医師・薬剤師が、何に依拠して回答するのか、根拠の一助とすべ く、報告されている資料の整理を行った。

  • 妊娠1カ月:最終月経の開始日を0週0日とし、4週間が1カ月、0週0日-3週6日まで
  • 妊娠2カ月:4週0日-7週6日まで
  • 安 全 期:月経周期28日型の場合、月経初日から33日目(3週末まで)→残留性のない薬剤の場合、催奇 形性の可能性はない。
  • 絶対過敏期:最終月経開始日から28日-50日目(妊娠4週-7週末まで→胎児の中枢神経、心臓、消化器、 四肢などの重要臓器が発生・分化し、催奇形に対し最も敏感な時期。)
  • 相対過敏期:51日-84日目
[分類]・薬剤名  評 価 概要
[112]allylisopropylacetylurea
アリルイソプロピルアセチル尿素
[適]催眠・鎮静薬
D → D:ブロム化合物。ヒトの胎児に明らかに危険であるという証拠があるが、危険であっても妊婦への使
用による利益が容認されているもの(例えば、生命が危険にさらされているとき、又は重篤な疾病で安全な薬剤が使用できないとき、あるいは効果がないとき、
その薬剤をどうしても使用する必要がある場合)[FDA薬剤胎児危険度分類基準](3。

奇形発生の危険度が高い絶対過敏期に、本剤を服用した6例は、いずれも健常児を出産(3。
鶏胚を用いた尿素系催眠剤の実験では、催奇形作用は認められなかった(3。
[211]aminophylline アミノフィリン
[適]強心薬(キサンチン系)
C →
推定無影響
C:動物生殖試験では、胎児に催奇形性、胎児毒性、その他の有害作用があることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的
危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA薬剤胎児危険度分類基準](3。

第1三半期にテオフィリンあるいはアミノフィリンを服用した193例に関する調査では、催奇形と の相関はみられなかった。 喘息治療の妊婦に継続使用されてきたが、奇形の危険性を増大させるとの報告はない。このためテオフィリンは、妊婦の喘息治療に使用する第一次選択薬剤であるとされている(3。
[124]anisotropin methylbromide(methyloctatropine bromide)
臭化メチルアニソトロピン(臭化メチルオクタトロピン)
[適]自律神経系作用薬 (鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
C → C:動物生殖試験では、胎児に催奇形性、胎児毒性、その他の有害作用があることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA薬剤胎児危険度分類基準](3。      
[124]belladonna extract ベラドンナエキス
[適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
B2 → B2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加はなく、ヒト胎児に対する他の直接的・間接的有害作用は観察されていない。-まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデータでは、胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC](4。
[112]bromvalerylurea
ブロムワレリル尿素
[適]催眠・鎮静薬
D → D:allylisopropylacetylureaの項参照。 鶏胚を用いた尿素系催眠剤の実験では、催奇形作用は認められなかった(3。

妊婦への使用について、催奇形性を示唆する症例も疫学調査も報告されていない。また、本剤と催奇形の因果関係を否定する疫学調査も報告されていない(3。
胎児障害の可能性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい(5。
妊娠ラット・マウスへの投与で、奇形発生数等で対照群と比較し差異は認められていない(5。
[211]caffeine
カフェイン
[適]強心薬(キサンチン系)
B → A →

推定無影響

B:動物生殖試験では、胎児への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験は実施されていないもの。あるいは動物生殖試験で有害な作用(又は出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3カ月の対照試験は実施されていない。またその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの[FDA薬剤胎児危険度分類基準](3。
A:妊娠又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加
したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する直接的・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC](4。

   妊婦への使用について、催奇形性を示唆する症例も疫学調査も報告されていない。また、本剤と催奇
形の因果関係を否定する疫学調査も報告されていない。一方、コーヒー摂取と催奇形の因果関係を否定する疫学調査が報告(3。

1日量1,100?1,770mgの本薬を摂取した妊婦3名が出産した児に、両側欠指趾症、両側
又は一側性の指趾末節骨の欠損、顎前骨の低形成、鼻孔狭小、口蓋閉鎖不全等の奇形がみられた(3。

12,205名の妊婦を対象とした、コーヒーの摂取と子供の異常に関する調査がある。妊娠第1三 半期に1日4杯以上のコーヒー摂取と、低出生体重、早産、奇形との間に何ら関係は認められなかった(3。
動物とヒトの妊娠結果に及ぼすカフェインの影響について、120の文献を再評価した研究
(1988年)の結果、少量のカフェイン摂取が胎児に明らかな危険をもたらすことはないが、1日300mg以下の摂取に限定すれば、発育遅延の可能性も減
少と結論づけている(3。
[211]caffeine citrate
クエン酸カフェイン
[適]強心薬(キサンチン系)
[313]calcium pantothenate
パントテン酸カルシウム [適]ビタミン剤
A → C

原則無影響

A:ヒトの妊娠3カ月の対照試験で、胎児への危険性は証明されず、またその後の妊娠期間でも危険で
あるという証拠はないもの。ただし、推奨されている1日投与量以上又は服用期間によっては→Cの可能性[FDA薬剤胎児危険度分類基準](3。

原則的には食品からも摂取されるが、パントテン酸カルシウム含有量の多い食品を摂取したことにより奇形発生率が増加したとする報告は知られていない。
[121]cerium oxalate
シュウ酸セリウム
[適]鎮静・鎮吐
data未詳 鎮吐薬として悪阻に使用されるが、水に不溶性で、内服後吸収されないで局所に作用して嘔吐反射を抑えるものと考えられる。確実な作用機序は不明(7。
[441]d-chlorpheniramine maleate d-マレイン酸クロルフェニラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
C →
A →
推定無影響
C:aminophyllineの項参照。
A:caffeineの項参照[ADEC](4。
妊婦の使用に関して催奇形性・胎児毒性を示唆した症例報告あるいは疫学調査はない(3。
クロルフェニラミンに、体内で曝露された児に、先天性の奇形がみられる頻度は、増加しないとのレ
トロスペクティブな調査報告がある(3

50,282組の母子に関する調査で、第1三半期に1,070例が本剤に曝露されていた。また、
妊娠中のいずれかの時期に本剤に曝露された母子は3,931組あった。何れの群も催奇形との関連を示唆する証拠は認められなかった。数種の奇形と関連して
いる可能性がみられたが、統計的に有意であるかどうか明らかでない(3。
[441]dl-chlorpheniramine maleate
dl-マレイン酸クロルフェニラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[123]dicyclomine hydrochloride(dicycloverine hydrochloride)
塩酸ジサイクロミン(塩酸ジシクロベリン)
[適]自律神経系作用薬・抗痙攣剤
鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
data未詳 奇形児におけるいくつかの問題が予想されてきたが、過去の研究では胎児に影響を与えるという証拠
はない(7。
[133]difenidol hydrochloride
塩酸ジフェニドール
[適]抗めまい薬(脳血管拡張薬)
data未詳 規定した資料に、該当する記載はない(5。
妊娠マウス・ラット及び胎児に30?200mg/kgを6日間連続投与した結果、大量投与群で母
体に散瞳がみられたが、妊娠期間中の母体体重、摂餌量及び主要臓器に異常を認めず、胎児、新生児に対する影響も対照群との間で有意の差はみられなかった
(5。
[133]dimenhydrinate ジメンヒドリナート
[適]抗めまい薬(抗ヒスタミン薬)
・鎮吐薬
B →

A → 推定無影響

B:caffeineの項参照。
A:caffeineの項参照[ADEC](4。
50,282組の母子の調査では、第1三半期に319組の母子が本薬に曝露されていた。股、妊娠
中のいずれかの時期に本薬に曝露された母子が697組あった。何れの群も催奇形との関連性を示唆する証拠は認められなかった。鼠径ヘルニア、血管系の奇形
と関連する可能性はみられたが、統計的な有意差は不明(3。
[441]diphenhydramine fumarate
フマル酸ジフェンヒドラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
C →
A →
推定無影響
C:aminophyllineの項参照。
A:caffeineの項参照[ADEC](4。
50,282組の母子に関する調査では、第1三半期に595組が本薬に曝露されていた。また、妊
娠中の何らかの時期に本薬に曝露された母子が2,948組あったが、何れの群も奇形と関連性を示唆する証拠は認められなかった。数種の奇形と関連している
可能性はあるが、統計的に有意かどうかは不明(3。

599例の口蓋裂を有する子供群と590例の口蓋裂のない子供群を比較した調査では、第1三半期に子宮内でジフェンヒドラミンに曝露されたのは、前者20例、後者6例と有意差がみられた。母親のジフェンヒドラミン服用と口蓋裂の発生に統計的に有意な関連が認められたの報告(3。
1971年に行われた奇形を有する児に関する調査では、第1三半期に抗ヒスタミン剤に曝露された児に奇形のみられる頻度は対照群と比較してむしろ少なかったと報告されている。この調査ではジフェンヒドラミンは2番目に繁用されていた(3。
6,509人の母親の調査で、第1三半期に本剤を服用した270例では、薬剤の使用と催奇形に関
連性は認められなかった(3。

妊娠中にジフェンヒドラミンを毎日150mg/kg服用していた母親から産まれた子供に、離脱症
状として、全身の震えと下痢が発生したとの報告がある。フェノバルビタールによる治療で症状は改善(3。
[441]diphenhydramine hydrochloride
塩酸ジフェンヒドラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[441]diphenhydramine salicylate
サリチル酸ジフェンヒドラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[441]diphenhydramine tannaate
タンニン酸ジフェンヒドラミン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[124]diphenylpiperidinomethyldioxolan iodide
ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン [適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
data未詳 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(9。
[441]diphenylpyraline hydrochloride
塩酸ジフェニールピラリン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
B2 → B2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加は
なく、ヒト胎児に対する他の直接的・間接的有害作用は観察されていない-まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデータでは、胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC](4。
妊婦への使用について、催奇形性を示唆する症例報告も疫学調査もない。50,282組の母子に関
する調査で、使用例の少ないその他の抗ヒスタミン剤として本剤を含む12種の薬剤を服用した 113例の調査結果があげられている。これらの薬剤に妊娠初期4カ月間に曝露されたことにより奇形の発生頻度は増加しないと報告。113例中本薬に曝露さ
れた母子は1組(3。 

奇形発生の頻度が高い妊娠初期に、本剤を服用した4例は、何れも健常児を出産(3。
[441]diphenylpyraline teoclate
テオクル酸ジフェニールピラリン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[211]diprophylline
ジプロフィリン [適]強心薬(キサンチン系)
A → A:妊娠又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する直接的・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC](4。
本薬と構造及び作用の近似したテオフィリンでは、奇形発生の危険度の高い妊娠初期に服用した193例についての調査報告があるが、奇形との相関はみられていない(3。
[121]ethyl aminobenzoate
アミノ安息香酸エチル
[慣用名:アネステジン、ベンゾカイン]
[適]健胃消化薬(局所麻酔薬)
data未詳 benzocaine(パラアミノ安息香酸(PABA)誘導体エステル型局所麻酔剤)については、妊婦への投与に関する問題は実証されていない。大抵の局所適用する麻酔剤の試験は、動物、ヒトについて行われていない(7。 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性がある婦人には、 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する(5。
[121]ethyliperidinoacetyl-
      aminobenzoate
ピペリジノアセチルアミノ安息香酸エチル [適]健胃消化薬(局所麻酔薬)
data未詳
[441]fenethazine tannate
タンニン酸フェネタジン
[適]抗アレルギー薬 (抗ヒスタミン薬)
data未詳 ?
[124]hyoscyaminum l-methylbromide
臭化メチル-l-ヒヨスチアミン [適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
B2 → B2:belladonna extractの項参照(4。
妊娠中の本剤服用によって、催奇形性は認められなかったとの疫学調査がある。一方、妊婦が非経口
的にスコポラミンを使用した場合、胎児及び新生児に頻脈などの影響がみられたの報告がある(3。

50,282組の母子の調査では、妊娠第1三半期にスコポラミン、アトロピン、ヒヨスチアミンをそれぞれ309例、401例、322例の妊婦が使用。何れの群でも薬剤使用と催奇形との関連は認められなかった(3。
スコポラミンは速やかに胎盤を通過。満期妊婦への投与により胎児に頻脈、心拍細変動の低下、心拍
数減少の抑制を起こした(3。
[124]isopropamide iodide
ヨウ化イソプロパミド
[適]自律神経系作用薬 (鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
data未詳
推定無影響
妊婦への使用について、催奇形を示唆する症例及び疫学調査報告はない。50,282組の母子に関
する調査では、妊娠第1三半期にヨウ化イソプロパミドに曝露された1,071例について催奇形性との関連を示唆する証拠はみられなかった(3
[133]meclizine hydrochloride
塩酸メクリジン
[適]抗めまい薬(抗ヒスタミン薬)
・鎮吐剤
B →

A →

B:caffeineの項参照。
B:caffeineの項参照[ADEC](4。
A:meclizine及びその他の関連化合物は、動物で催奇形性があることが知られている。ヒト
での臨床試験では、常用量の範囲内では妊婦に投与しても奇形の発現率は統計的に有意の増加を示していない[ADEC](4。

妊娠中の本剤投与と口唇裂、口蓋裂などの奇形の発生の関連性を示唆したいくつかの報告があった。 しかし、その後の大規模調査では、何れも本剤のヒトにおける催奇形性は認められなかった(3。 50,282組の母子調査で、第1三半期に1,014組の母子が本薬に曝露されていた。また妊娠
中のいずれかの時期に本薬に曝露された母子が1,463組あった。何れの群も催奇性との関連を示唆する証拠は認められなかった。いくつかの催奇形性と関連する可能性がみられたが、統計的な有意性は確認できなかった(3。

妊娠中の本剤使用に関する疫学調査の再評価に基づき、FDAは本薬の妊娠中の使用制限を支持する情報はないと結論づけている(3。
[233]mentha oil
ハッカ油 [適]芳香性健胃薬
data未詳
原則無影響
本薬は芳香健胃薬の配合剤として用いられており、現在までに妊娠初期あるいは妊娠期間中に全く服用した事例がないとは考えられない。また、その結果、特に奇形児の発生率が上昇したとする疫学調査結果も報告されていない。食品あるいは嗜好品中にも添加
されているものがあり、それを理由として奇形児発生の増加は報告されていない。
[233]dl-menthol
dl-メントール
[適]芳香性健胃薬
[233]l-menthol l-メントール
[適]芳香性健胃薬
[124]methylbenactyzium bromide
臭化メチルベナクチジウム
[適]自律神経系作用薬 (鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
data未詳 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性がある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与 する(5。  
[124]methylscopolamine bromide 臭化メチルスコポラミン
[適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
C →
B2 →
C:aminophyllineの項参照。 B2:belladonna extractの項参照(4。
妊娠中の本剤服用によって、催奇形性は認められなかったとの疫学調査がある。一方、妊婦が非経口
的にスコポラミンを使用した場合、胎児及び新生児に頻脈などの影響がみられたの報告がある(3。

50,282組の母子の調査では、妊娠第1三半期にスコポラミン、アトロピン、ヒヨスチアミンを
それぞれ309例、401例、322例の妊婦が使用。何れの群でも薬剤使用と催奇形との関連は認められなかった(3。

スコポラミンは速やかに胎盤を通過。満期妊婦への投与により胎児に頻脈、心拍細変動の低下、心拍数減少の抑制を起こした(3。
[124]metixene hydrochloride
塩酸メチキセン
[適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
data未詳 動物での繁殖試験では、陰性であるとはいえ、妊娠期間中の安全性の臨床的確認が行われるまでは、本剤の妊娠可能な婦人への使用は、医師が使用の利益性と危険性とを比較した結果、服用の可否を判断した場合を除き使用すべきでない(9。
[313]nicotinamide
ニコチン酸アミド
[適]ビタミン剤
A → C
B2 → 
原則無影響
A:calcium pantothenateの項参照。
B2:belladonna extractの項参照(4。 原則的には食品からも摂取されるが、ニコチン酸アミド含有量の多い食品を摂取したことにより奇形発生率が増加したとする報告は知られていない。 
[124]oxyphencyclimine
       hydrochloride
塩酸オキシフェンサイクリミン [適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
B2 → B2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加はなく、ヒト胎児に対する他の直接的・間接的有害作用は観察されていない-まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデー タでは、胎児に対する有害作用の 頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC](4。
[124]papaverine hydrochloride
塩酸パパベリン
[適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
A → A:妊娠又は妊娠可能な年齢層の女性 多数例に使用されてきたが、使用 によって奇形発現の頻度が増加したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する直接的・間接的
な有害作用も証明されていない[ADEC](4。
[441]pheniramine maleate
マレイン酸フェニラミン
[適]抗アレルギー薬 (抗ヒスタミン薬)
A → A:妊娠又は妊娠可能な年齢層の女性 多数例に使用されてきたが、使用 によって奇形発現の頻度が増加したという証拠は得られておらず、 ヒト胎児に対する直接的・間接的 な有害作用も証明されていない[ADEC](4。
[441]promethazine hydrochloride
塩酸プロメタジン
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
C →

C →

C:aminophyllineの項参照。
C:催奇形性はないが、その薬理作用によって、胎児や新生児に有害作用を及ぼす。又は及ぼす可能性が疑われる薬剤。
妊娠後期にフェノチアジン系薬を大量に投与すると、新生児に持続性の錐体外路障害を来すことがあ
る[ADEC](4。

妊婦の使用について、催奇形性を示唆する症例報告も疫学調査もない(3。
先天性奇形を有する836人の乳児に関する調査で、妊娠第1三半期に母親が本薬を使用した群と使
用しなかった836人の対照群との間に有意差は認められなかった(3。
50,282組の母子に関する調査で、妊娠第1三半期に本剤に曝露され14人の新生児に奇形発生の危険度の増加はみられなかった(3
*妊娠第1三半期に本薬に曝露された165例に関する調査では、奇形発生 との相関は認められなかった(3。
陣痛期にプロメタジン及びペチジンが投与された母親から産まれた新生児に、血小板凝集能の障害が
起きた(3。
[441]promethazine methylendisalicylate
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩
[適]抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
[124]scopolamine hydrobromide 臭化水素酸スコポラミン
[適]自律神経系作用薬
(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
C →
B2 →
C:aminophylline の項参照。
B2:belladonna extractの項参照(4。
妊娠中の本剤服用によって、催奇形性は認められなかったとの疫学調査がある。一方、妊婦が非経口的にスコポラミンを使用した場合、胎児及び新生児に頻脈などの影響がみられたの報告がある(3。

50,282組の母子の調査では、妊娠第1三半期にスコポラミン、アトロピン、ヒヨスチアミンをそれぞれ309例、401例、322例の妊婦が使用。何れの群でも薬剤使用と催奇形との関連は認められなかった(3。 スコポラミンは速やかに胎盤を通過。満期妊婦への投与により胎児に頻脈、心拍細変動の低下、心拍数減少の抑制を起こした(3。
[124]scopolia extract
ロートエキス
[適]自律神経系作用薬 (鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)
C →
B2 →
C:aminophyllineの項参照。
B2:belladonna extractの項参照(4。
[234]sodium bicarbonate
炭酸水素ナトリウム
[適]制酸剤
data未詳 ヒトにおける報告はないが、慢性的な使用は全身性アルカローシスになるおそれがある。また、ナトリウム貯留により浮腫や体重増加のおそれがあるので、治療の有益性が危険性を上回るか否かを考慮する(5。
[211]theophylline
テオフィリン [適]強心薬(キサンチン系)
C →

A →
推定無影響

C:aminophyllineの項参照。 A:caffeineの項参照[ADEC](4。
喘息治療の妊婦に継続使用されてきたが、奇形の危険性を増大させるとの報告はない。このためテオフィリンは妊婦の喘息治療に使用する第一次選択薬剤であるとされる(3。 
[312]vitamin B1
ビタミンB1及びその誘導体 [適]ビタミン剤
A → C
原則無影響
A:calcium pantothenateの項参照。
原則的には食品からも摂取されるが、ビタミンB1・B2・B6含有量の多い食品を摂取したことにより奇形発生率が増加したとする報告は知られていない。 
[312]vitamin B2
ビタミンB2 [適]ビタミン剤
A →
原則無影響
[312]vitamin B6
ビタミンB6 [適]ビタミン剤
A → C
原則無影響

[015.11.TER:1998.4.3. 古泉秀夫・2003.12.14.改訂]


  1. JAPIC・編:一般薬日本医薬品集;薬業時報社,1998-99
  2. 高久 史麿・他編:治療薬マニュアル;医学書院,1998
  3. 佐藤 孝道・他編:妊娠と薬;薬業時報社,1992
  4. 雨森 良彦・監修:妊娠中の投薬とそのリスク;医薬品・治療研究会, 1993
  5. 厚生省薬務局研究開発振興課・監:JPDI;薬業時報社,1996
  6. 高木 敬次郎・他:薬物学;南山堂,1987
  7. 堀岡 正義・他監訳:薬剤投与情報;同朋舎,1985
  8. 第十二改正日本薬局方解説書;廣川書店,1991
  9. 西村 秀雄・監:催奇形性等発生毒性に関する薬品情報 第2版;東洋書 店,1986