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MDAについて

火曜日, 8月 14th, 2007

KW:薬名検索・MDA・amphetamine 系・メチレンジオキシアンフェタミン・methylenedioxyamphetamine・合成麻薬・麻薬・ラブドラック・love drug

Q:MDAの略号で標記される薬剤は何か。

A:MDAは、amphetamine 系のメチレンジオキシアンフェタミン(methylenedioxyamphetamine)で、1910年独逸において合成された。合成麻薬である。

本品の化学名は「3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(3,4-Methylene-dioxyamphetamine)」で、『α-メチル-3・4 -(メチレンジオキシ)フェネチルアミン(α-methl-3・4-(methylenedioxy)phenetylamine)(別名MDA)及びその塩類』として「麻薬及び向精神薬取締法」の規制の対象となっており、本品の『所持のみで麻薬及び向精神薬取締法違反』の事犯が成立する。

本品は 性欲を増大させる効果があることからラブドラッグ(love drug:催淫薬)の俗称が付けられている。本品は白色粉末であるが、その純度によって黄色や茶色のものがあり、まれに琥珀色のものもある。

粉末状の MDAを100mg程度水と一緒に摂取する。全身が軽やかになり頭が冴え、性欲が増大し、感覚が鋭敏になる。効果持続時間は12時間。身体依存性、精神依存性があり、禁断症状はないとされているが、効果が見られなくなって以後、8?24時間の間脱力感が持続する。

MDAは、視覚、聴覚を変化させる作用があり、幸福な気分になったり、他人に対する近親感が増したりするといわれているが、その反面、不安、不眠等に悩まされることになるとされている。また、強い精神的依存性を持っており、乱用を続けると錯乱状態になり、腎・肝障害や記憶障害等の症状が発現する。

別名:EA-1298、SKF-5、アンフェドキサミン(商品名)。

米軍は第二次世界大戦直後、自白剤あるいは壊滅的な役割を果たす化学物質を開発するために、広範囲に化学物質を調査していた。その中の一つがEA- 1298という化学戦用コード番号を持つMDAであった。

その後医療用医薬品としてSKF-5の治験コードで食欲抑制剤として研究されていたが、結果的に精神神経的な『鬱』の治療に有効だということが見いだされた。本品は幻覚剤として爆発的に認知された1960年代後半に使用されていた乱用薬物の一つで、 “hug-drug”(抱擁ドラッグ)とされている。

[011.1.MDA:2004.2.5.古泉秀夫]


  1. 脱法ドラッグの成分※とその有害作用;東京都衛生局薬務部薬事指導課,平成13年8月16日
  2. 日本中毒情報センター:最近の中毒と医療;Japan Medicine,2001.7.16.
  3. 高久史麿・他監訳:ワシントンマニュアル 第9版;メディカル・サイエンス・インターナショナル,2002
  4. http://www.pref.ishikawa.jp/yakuji/yakuran/drug/page_02.html,2004.1.29.
  5. http://www.police.pref.chiba.jp/ranyoboshi/mdma.html,2004.1.29.
  6. 薬師寺美津秀:乱用薬物密造の化学;(株)データハウス,2002.5.