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GHBについて

火曜日, 8月 14th, 2007

KW:薬名検索・GHB・4-ヒドロキシ酪酸・4-hydroxybutyric acid・γ-hydroxybutalate・gamma hydroxybutyric acid・脱法ドラッグ・合法ドラッグ・脱法ドラッグ

Q:GHBの略号で標記される薬剤

A:GHBとは4-ヒドロキシ酪酸(4-hydroxybutyric acid)。γ-hydroxybutalate。gamma hydroxybutyric acidの略号である。

本品はいわゆる脱法ドラッグとして、裏流通していたものの一つである。

本品は、本来麻酔薬として開発されたが、睡眠薬、レクリエーションドラッグ等として使用されるようになった。米国では、乱用による死亡例を含む健康被害が多数報告されたため、1990年に製造販売が禁止された。また、「GHBは、哺乳類の神経システムの主要な神経伝達物質抑制剤であるGABA(ガンマアミノ酪酸)と密接な関係にあり、1960年仏蘭西において合成された。GHBは、従来アルコール中毒症/禁断症状、アヘン常用癖/禁断症状の治療等に使用される以外に、睡眠障害の治療にも使用されていたとされる。 GHBには催眠や鎮静効果の他、高揚感を惹起する作用もあり、乱用すると不安感や手の振戦等の禁断症状が発現する。

米国では既に死亡例が3例あり、国内でも、2000年9月インターネット上で販売されていたGHBを、大量に服用した女子高生の死亡が報告されている。本品の摂取により嘔吐、低呼吸、徐脈、妄想、意識消失、昏睡等の症状が見られる。

厚生労働省は2001年10月22日に麻薬及び向精神薬取締法施行令の一部を改正し、GHBを麻薬とすることを決定した。従って平成13年11月25日以降麻薬として規制、『その所持や使用が禁止』されている。この麻薬の指定は、平成13年6月11日の国連の条例に基づくものである。

その他、γ-ヒドロキシ酪酸について、「人体で自然に発生する内因性の短鎖脂肪酸である。薬物としては非合法物質であり、標準的な中毒スクリーニングでは検出されない。重要な中毒起因物質として認識されている。

レイブ(Rave;音楽の1ジャンル:ダンスパーティ)の参加者に販売され、集団中毒の原因ともなっている。また“デートレイプ薬”としても使用されている。」等の報告が見られる。別名:liqiid ecstasy、liqiid E、grievous bodily harm、georgia home boy、soap、salty water、organic quaaludes。

[011.1.GHB:2004.1.29.古泉秀夫]


  1. 野放しドラッグ2種を麻薬指定-使用すると7年以下の懲役;読売新聞,2001.10.23.
  2. 脱法ドラッグの成分※とその有害作用;東京都衛生局薬務部薬事指導課,平成13年8月16日
  3. 日本中毒情報センター:最近の中毒と医療;Japan Medicine,2001.7.16.
  4. 高久史麿・他監訳:ワシントンマニュアル 第9版;メディカル・サイエンス・インターナショナル,2002