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らふま茶について

月曜日, 8月 13th, 2007

KW:健康食品・らふま茶・羅布麻・ラフマ・紅麻・コウマ・野麻・ヤマ・茶葉花・チャヨウカ

Q:らふま茶が健康にいいという問い合わせを受けたが、これはどの様なものか

A:羅布麻[陜西中草薬]は、キョウチクトウ科の宿根草で、羅布麻(ラフマ)の全草である。

羅布麻(Apocynum venetum L.)は多年生草本で高さ1-2m、全株が乳汁を含む。

茎は直立して無毛、葉は対生し、楕円形か楕円状披針形。川岸、谷川、山地の斜面の砂地に生える。

繊維質に富んで麻のように用いられたところから紅麻(コウマ)、野麻(ヤマ)、沢漆麻(タクシツマ)等の異名がある。

また古くからその葉が代用茶として愛飲されていたため、茶葉花(チャヨウカ)、野茶とも呼ばれる。

羅布麻葉を用いたお茶は、烏龍茶に似た薄甘い味わいで口当たりが良く、我が国では羅布麻茶・ヤンロン茶(燕龍茶)とも呼ばれている。

  • 異名:吉吉麻(キツキツマ)、紅花草(コウカソウ)、羅布歓的爾<ウイグル名>
  • 分布:遼寧、吉林、内モンゴル、甘粛、新羅、陜西、山西、山東、河南、河北、江蘇、安徽(アンキ)北部等。
  • 成分:根にはシマリン及びストロファンチジン、K-ストロファンチジン-βを含む。葉にはルチン、d-カテキン、アントラキノン、グルタミン酸、アラニン、バリン、塩化カリウムなどを含み、更にクエルセチン及びイソクエルシトリンを含む。また全草にはネオイソルチンを含む。
  • その他、近年における中国の研究でルチン、カテキン、アントラキノン、グルタミン酸、アラニン、バリン、塩化カリウムの他、多様なフラボノイド、フェノール物質、多糖体が確認されているの報告が見られる。

なお、(財)日本食品分析センター(赤数字)における成分試験の結果及びその他の資料による成分含有量の数値が、次の通り報告されている。

水分 2.8g
蛋白質 18.0g
脂質 4.0g
糖質 49.8g
繊維 7.5g
灰分 12.3g
Ca 1500-1540mg
P 129-260mg
Na 93-138mg
K 1140-2430mg
Fe 128mg
Mg 465mg
Cu 6.57mg
Zn 7.33mg
tannin 5500mg
quercetin 190mg
rutin 2.5mg
caffeine 未検出

羅布麻葉中の含有成分について、報告されている数値に大きな差が見られるが、植物中の含有成分は採集地・採集時期・天候等の外的要因によって必ずしも同一ではないとされているために見られる差である可能性も考えられる。

薬理

  1. 降圧作用:羅布麻の葉の煎剤を腎性高血圧のイヌの胃に注入して2時間後、血圧は降下し、そのまま安定して比較的低い水準を保ち3日後に上昇した。
  2. 強心作用:羅布麻の根に含まれるcymarinはin vitro及びin situのネコの心臓に対し、収縮幅度を増大させ、心拍数を減少させ、その後不整脈を生じ、ついには収縮期の心臓停止を来す。その作用の性質と速度はストロファンチジンと類似している。羅布麻根の抽出物もin situのネコの心臓に対する実験で強心配糖体用の作用を示す。
  3. その他の作用:cymarinは一般に昇圧作用を示し、in vitroでウサギ耳血管を収縮収縮させる。ラットに対する利尿作用はstrophanthidin、エリシミン、ネリオリン(オレアンドリン)の作用よりも強い。cymarin抽出物は少量で利尿作用を示し(ラット)、多量では逆に尿量を減少させる。
  4. 毒性:ラットの亜急性毒性試験で、羅布麻の葉は無毒であることが証明されている。
  5. 生物活性:山東羅布麻の抽出物のキャット・ユニットは3.19mg/kgで、cymarinの0.16mg/kgよりも低い。cymarinの強心作用及び生物活性はK- strophanthidinよりも弱い。
  6. 副作用:比較的多いのは腸鳴、悪心、下痢で、時に胃痛、食欲不振、口乾・口苦、一部に呼吸困難又は肝痛。心臓への副作用は主として拍動過緩及び期前収縮で、投与中止で消失する。その他カリウム欠乏症に注意の記載が見られる。

[015.9.APO:2005.10.18.古泉秀夫]


  1. 上海科学技術出版・編:中薬大辞典;小学館,1998
  2. 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典 改訂新版;東洋医学舎,2002-2003
  3. http://www.myujp.com/rahuma/,2005.10.17.
  4. http://www1.ocn.ne.jp/~nezunezu/homepage/newpage2.html,2005.10.17.