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マンネンタケについて

月曜日, 8月 13th, 2007

Q:マンネンタケとは何か、また、その効用について

A:『マンネンタケ』とは霊芝(学名:Ganoderma lucidum)の和名である。霊芝はサルノコシカケ科に属する担子菌類の一品種であるが、従来は梅等の古木10万本に2?3本しか採集できないという希少品種とされている。昭和46年我が国において霊芝の量産に成功したとする報告がされている。

霊芝草(レイシソウ)

  • 異名:三秀(サンシュウ)、茵(シュウ)・芝(シ)。 基原:サルノコシカケ科の植物。紫芝(シシ、和名:マンネンタケ)あるいは赤芝(セキシ)の全株。
  • 源植物・成分:1.マンネンタケ(Ganoderma japonicum(Fr.)Lloyd):木芝(モクシ)。エルゴステロール、有機酸(リシノレイン酸、フマル酸等)、グルコサミン、多糖類、樹脂、マンニトール等を含む。ベタイン、γ-ブチロベタイン等のアミノ酸誘導体を含んでいる。

    2.赤芝(Ganoderma lucidum(Leyss.ex Fr.)Karst.):マンニトール、α,α-ミコース、ステアリン酸、安息香酸、エルゴステロール、15種のアミノ酸、4種のペプチド及び4種の塩基等を含んでいる。

  • 薬理:1.中枢神経系に対する作用:赤芝チンキ、恒温パーコレーター浸出液を動物に腹腔内注射すると中枢神経系に対する抑制作用が有り、活動減少、軽度の筋肉弛緩、睡眠時間の延長をきたす。チンキ剤は電撃痙攣に拮抗する。チンキ剤は動物で軽度の筋肉弛緩作用を示すが、神経- 筋肉間の興奮伝達は遮断しないから中枢神経の抑制がもたらすものでないかの報告がされている。

    2.循環器系に対する作用:動物に対する赤芝浸出液の腹腔内注射で、血圧は緩慢に下降し、1?2時間経過しても回復しない。静脈注射では血圧は急激に下降するが、比較的速やかに回復した後、再び徐々に下降する。麻酔時の動物に静注した際、血圧は急激に下降し、その後極めて急速に上昇し、元の水準以上となって、先降後昇の二面性の作用を示し、同時に尿量が顕著に増加する。呼吸に対してはいずれも明確な作用はない。動物実験では赤芝は冠状動脈の血流量を増加し、急性の実験性心筋虚血無酸素症に対する保護作用が実証されているとする報告が見られる。

    3.呼吸器系に対する作用:赤芝の水抽出液、エタノール抽出液、恒温浸出液は、動物の腹腔内注射で鎮咳作用を示した。赤芝チンキ、赤芝液、赤芝菌糸体のエタノール抽出液及び濃縮醗酵液は摘出した気管の平滑筋に対する痙攣解除作用がある。

    4.肝臓保護及び他の作用:動物に赤芝チンキを継続投与した場合、四塩化炭素による肝臓の病理損傷及び肝臓の解毒機能の損傷を軽減し、血清のGPTを低下し、肝細胞の再生を促進し、タウリンによって生じた肝臓の脂肪蓄積を軽減する。赤芝に副腎皮質ホルモン、性ホルモンあるいは同化ホルモン作用があるかどうかはまだ不明である。赤芝は細網内皮系の食作用を増強し、アレルギー反応における伝達物質の放出を抑制する。

霊芝の薬効成分については、十分に解明されていないが、その効用については多くの臨床例が報告されている。

霊芝の効用の一つとして於血と血栓の除去が挙げられる。於血とは血流が悪く滞る状態であり、霊芝はこれらの状態を改善するといわれている。

食効として高血圧の改善、低血圧の改善、動脈硬化の予防作用、高脂血症の改善、降圧剤の副作用の軽減、老化防止、降圧薬の降圧作用増強等が報告されている。

[015.9GAN:2000.7.11.古泉秀夫]


  1. 奥田拓道:健康・栄養食品事典;東洋医学舎,2000-2001
  2. 上海科学技術出版社・編:中薬大辞典;小学館,1998