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ポリアミンについて

月曜日, 8月 13th, 2007

KW:薬名検索・ポリアミン・polyamine・脂肪族炭化水素・生体アミン・アルギニン・納豆

Q:若返りに有効としてTV報道されていたポリアミンとはどのようなものか

A:ポリアミン(polyamine)とは、第一級アミノ基を二つ以上持つ(直鎖の)脂肪族炭化水素の総称。生物体内に普遍的に存在する生体アミンであり、20種以上のポリアミンが見いだされている。

代表的なポリアミンとしてプトレッシン、スペルミジンがあげられる。ポリアミンは前立腺、膵臓、顎下腺、がんなど分泌活性や蛋白質、核酸合成の盛んな組織中に多く含まれている。

生理的作用として

  1. 核酸との相互作用による核酸の安定化と構造変化
  2. 種々の核酸合成系への促進作用
  3. 蛋白質合成系の活性化
  4. ヒストンのアセチル化、非ヒストンクロマチン蛋白質のリン酸化の促進
  5. 細胞膜の安定化や物質の膜透過性の強化
  6. 2価金属イオンに影響を受ける種々の酵素の活性化

等多岐にわたるが、特に蛋白質の合成系の活性化がポリアミンの細胞増殖促進作用に関連していると考えられている。

ポリアミンは、アミノ酸の一種であるアルギニンから細胞内で合成される。全ての動物やヒトの細胞内で合成されるが、加齢に伴ない、ポリアミンを合成する酵素の活性が低下する。ポリアミンは、濃度に差があるものの食品にも含まれ、中でも、大豆、キノコ類などに多く含まれる。

特に、大豆を発酵させた納豆、醤油、味噌には、微生物が産生したポリアミンが高濃度に含まれている。またチーズやヨーグルトにも、微生物が産生したポリアミンが多く含まれている。

なお、TV報道ではポリアミンに関連して、納豆の摂食群と非摂食群間での肌の艶等について、検討した結果を報道していたものである。

[011.1.POL:2004.6.22.古泉秀夫]


  1. 今堀和友・他編集:生化学辞典 第3版;株式会社東京化学同人,1998
  2. http://www.jafra.gr.jp/pori.html,2004.5.23.