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納豆菌関連健康食品と薬剤の相互作用

日曜日, 8月 12th, 2007

Q:納豆菌あるいは納豆菌培養エキス製品が健康食品として市販されているが、患者が服用中の薬剤との関係で注意すべき事項

A:医療用医薬品として、納豆菌を配合した製剤が市販されている。

新ドライアーゼ(三菱東京製薬)

  • [組成]:1g中納豆菌末— 60mg

    アミロクィファーゼX —–120mg

    サンプローゼF —— 30mg

  • [効能・効果]:消化異常症の改善
  • [用法・用量]:通常成人1回1g、1日3回、食後経口投与。

なお、本剤の相互作用として、添付文書中に次の記載がされている。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ワルファリン ワルファリンの抗凝血作用が減弱する恐れがある。 納豆で抗凝血作用が減弱するとの報告がある
  • 納豆菌末(Bacillus natto powder):納豆菌(Bacillus natto)を含む、白色?淡黄色の粉末である。

次に納豆菌関連健康食品について、製品資料から検討する。

乳酸菌ローヤルゼリー

(サン・ケン株式会社:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-6-6)

ビフィズス菌—約115億菌

有胞子性乳酸菌—約3.3億菌

活性納豆菌—約1億500万菌

ローヤルゼリー——1,500mg/1日3粒当たり

納豆菌濃縮エキス「ビオチームNSK」

(株式会社日本生物.科学研究所:〒569-0832 大阪府高槻市唐崎中4丁目10番11号)

ナットウキナーゼ活性*1 2050FU(納豆1パック50g相当)
SOD様物質*2 82単位(ビタミンE約1.5g相当)
ビタミンK2 60μg(成人1日必要摂取量約60μg)
大豆レシチン 30mg

*1 :当社活性測定法(フィブリン分解活性法)

*2:J.Biol.Chem,244,6049(1969)に定義された単位として

  • 使用上の注意:医師より納豆の摂取を控えるよう指導されている方は本品の使用をお控え下さい。アレルギー及び疾病のある方又は通院されている方は、摂取する前に医師と相談の上摂取して下さい。

納豆菌はヒト腸内において、ビタミンKを生成するとされている。warfarin potassium服用患者では、作用減弱の恐れがあるため、納豆菌を原料とする健康食品の摂取は回避する。また、納豆菌濃縮エキスを原料とする健康食品では、血栓溶解作用があるとされるnattokinaseを含有するため、warfarin potassium服用中の患者では、作用増強の恐れがあるため摂取を回避する。

なお、「ビオチームNSK」では、被包剤中にゼラチンが含まれているため、ゼラチンに対するアレルギーの経験のある患者では、摂取を回避する。

[015.2NAT:2000.5.30.古泉秀夫]


  1. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2000
  2. 新ドライアーゼ添付文書,1999.12.改訂
  3. 読売新聞広告,2000.5.17.
  4. 株式会社日本生物.科学研究所・資料,2000.5.30.現在