トップページ»

糖尿病の民間療法について

日曜日, 8月 12th, 2007

?KW:薬物療法・民間療法・糖尿病・麦飯・レタス・南瓜・コンニャク・大豆レシチン・アロエ・?蚕蛆・苦蕎麦

Q:糖尿病の民間療法についてどのようなものがあるか。

A:糖尿病の民間療法の意味が、臨床上の薬物療法を行わず、それのみで治療をする療法を指すのか、薬物療法に併用し、食事療法の一部として行っているものを指すのか不明であるが、一般に公表されている図書等に収載されている内容を次に紹介する。

1.麦飯:
白米に比較しエネルギー量はあまり変わらないが酸性に傾きがちな体質を弱アルカリ性に変え、血糖値や尿糖を下げる働きをしてくれる。
2.レタス:
豊富な繊維質とビタミンEを含み、体内のコレステロールをコントロールするので、動脈硬化を始めとする合併症を予防する。
3.南瓜:
南瓜にはインスリンの分泌を促す作用があり、糖尿病に対する昔ながらの民間療法としても定着している。
4.コンニャク:
ノンカロリーなので制限された食事をにぎやかにしてくれる一品となり、空腹を満たして満足感を与える。糖尿病食のポイント。しかも過剰のコレステロールを除去する。
5.大豆レシチン:
食事療法に加えて、糖尿病を克服するために大豆レシチン療法を実施して見るのも価値がある。大豆中に含まれるレシチンは、細胞レベルで生体維持をするために絶対的に必要なものである。レシチンは血液細胞にも存在し、血液にとって不必要なものを排出し、必要なものを取入れる門番のような役目をしている。従って血液を正常できれいな状態に戻す働きをしてくれる。しかも細胞の一つ一つを活性化させるので、肝機能も正常化し、インスリンを分泌する膵臓を活発にする。
6.アロエ:
内服により糖尿病に有効。
7.蚕蛆:
蚕蛆(さんそ)は比較的高い栄養価があり、蛋白質、脂肪、炭水化物、燐質及びカルシウムを含有している。蚕蛆に含有している20余種のアミノ酸の中には、人体の8種の必須アミノ酸を有し、卵や牛肉に比肩する程の食品である。脂肪の含有量は30%に達し、主成分がリノール酸である。蚕蛆は高脂血症、慢性肝炎、糖尿病及び栄養不良の患者に比較的効果がある。蚕蛆の調理法については炒め物や塩漬け等の方法がある。炒める場合には、まず軽く煮た後、調味料を加えて炒める。塩漬けの場合は、煮上がった蚕蛆を人参、芹等と一緒に混ぜて醤油で漬ける。
8.苦蕎麦:
汚染される恐れのない四川省涼山高原の苦蕎麦を主な原料として、糖尿病に著効な「苦蕎麦効粉」という天然食品が開発された。苦蕎麦効粉は、特殊なプロセスで加工された物で、栄養と治療作用と一石二鳥の効果があり、糖尿病の理想的な機能性食品である。蛋白質、脂肪の含有量が米と麦以上であるばかりでなく、その他の成分の構成も優れている。人体の8種の必須アミノ酸を含む19種のアミノ酸を含有しており、カルシウム、燐、鉄、銅、マグネシウム、セレン、カリウム、ナトリウム、マンガン等の10数種の微量元素も含有している。その中でマグネシウムの含有量は米の2倍相当である。マグネシウムはフィブリノーゲン溶解促進、血管拡張、トロンボプラスチン抑制、コレステロール下降、血栓形成防止等の作用を有するが、セレンは解毒作用、ビタミンCやビタミンEに類似の抗酸化作用、免疫調節作用を有する。

以上、種々の報告がされているが、いずれも食事療法に関連するものであり、中に南瓜あるいはアロエのように治療としての糖尿病を挙げているものがある。

いずれにしろこれらの報告は参照程度のものであり、糖尿病の治療は、専門医に委ねるべきである。

[1995.1.10.古泉秀夫][1998.9.11.改訂]


  1. 根本幸夫・編著:健康食品はやわかり;曜曜社出版,1991
  2. 栄養食品「蚕蛆」;中国医薬情報,4(1):20(1991)
  3. 苦蕎麦から糖尿病機能性食品;中国医薬情報,3(3):16(1990)
  4. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.1209(1996.1.11.)