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甜茶について

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:健康食品・テンチャ・甜茶・食効・抗アレルギー作用・バラ科

Q:甜茶とはどの様なものか

A:甜茶(てんちゃ)→バラ科植物の葉を用いた甘いお茶。rubs suavissimus S.Lee。ルブス・スアヴィシィムス・エス・リー。

中国南部・桂林の奥地に広がる山岳地帯で飲用されているお茶の一種。甜茶の抽出成分には、鼻アレルギーを著しく抑える働きのあることが三重大学医学部-サントリーの共同研究で確認され、1994年10月26日?、東京で開催された日本アレルギー学会で発表された。

甜茶はバラ科のお茶(ふつうのお茶はツバキ科)で、中国に自生する。別名「開胃茶」と呼ばれ、食欲増進、解熱などに効果があるとされる。三重大学医学部耳鼻咽喉科の鵜飼らは、動物実験で甜茶の抽出成分に抗アレルギー作用のあることを発見、くしゃみ、鼻水などで苦しむ通年性の鼻アレルギー患者21人でその効果を試験した。

抽出成分を飴に混ぜ(40mg/粒)、1日3回、4週間続けてなめてもらった。

投与2週間後からくしゃみ、鼻水などの症状が65%で改善され、4週間後では75% に達した。うち47.8%は著しく改善、鼻アレルギー治療薬並の効果だった。アレルギーは体内の肥満細胞から分泌されるヒスタミンなどが引き金となって起こるが、甜茶抽出成分はヒスタミンの分泌を抑えることも確認した。

その他、甜茶には自然界でも極めて珍しいGOD型(ゴッド)ポリフェノールが含まれているとする報告も見られる。

また、甜茶の熱水抽出物の薬理作用の検討を見ると、cycloxygenase阻害作用や肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を認め、更にラットにおいてcompound48/80や抗原による皮膚血管透過性の亢進を抑制するが、ヒスタミンによる皮膚血管透過性亢進に対しては影響がないことを報告している。甜茶抽出物質は抗ヒスタミン作用を持たず、肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離を抑制することにより抗アレルギー作用を示すことが示唆される等の報告も見られる。

現在、甜茶関連の各種製品は健康食品として市販されており、保険医療機関での使用は困難である。 サントリーは甜茶ティーバック20袋入り 3000円で市販している。

[1998.8.28.古泉 秀夫]


  1. くしゃみ、鼻水治療に効果-中国に自生-甜茶;読売新聞,1994.10.3.<夕刊>
  2. 花粉症によく効く?「甜茶」に人気;サンケイ新聞,1995.3.30.
  3. 甜茶パンフレット;滋賀県製薬株式会社学術課・私信,1996.4.22.
    〒520-34 滋賀県甲賀群甲賀町大字滝878番地
  4. サントリー中央研究所・私信,1996.4.22.(TEL.075-962-1780)
  5. 鵜飼 幸太郎・他:通年性鼻アレルギーに対する甜茶エキスキャンディーの臨床検討;耳展,38):519-532(1995)