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テオフィリンとカフェインの相互作用

日曜日, 8月 12th, 2007

?KW:相互作用・テオフィリン・theophylline・カフェイン・caffeine・OTC薬・ドリンク剤・キサンチン系

Q:テオフィリンを服用している患者がカフェインを含有するドリンク剤を良く買って飲んでいるが、キサンチン系の薬剤の併用に相当すると考えられるが問題はないか

A:Theophyllineは、気管支平滑筋を拡張し、フォスフォジエステレース阻害による細胞内c-AMPの増加、アデノシン受容体拮抗、細胞内Ca2+の分布調節、肥満細胞からのメディエータ遊離抑制作用などの機序を持つとされており、theophylline 製剤の添付文書中に相互作用として「他のキサンチン系薬剤又は中枢神経興奮薬との併用により、過度の中枢神経刺激作用が現れることがあるので、これらの薬剤との併用はしないことが望ましいが、やむをえず投与する場合には減量するなど慎重に投与すること」の記載がされている。

一方、caffeineは緩和な中枢神経系刺激作用を示し、延髄の呼吸、血管運動並びに迷走神経を刺激する。心筋の収縮力を高め、また冠動脈を拡張させることにより強心作用を現す。

更に、腎血流量の増加に伴う糸球体濾過亢進並びに腎尿細管への直接作用によるNaイオン、Clイオンの再吸収の抑制により利尿作用を現す他、脳血管を収縮させるとされているが、その添付文書中に相互作用に関する記載はされていない。

但し、theophyllineとcaffeineの併用により胃腸症状・頻脈の発現を報告する資料は存在する。

caffeineは茶葉、コーヒー等にも含有されており、その意味では相互作用の面で扱いにくい存在といえるが、 theophylline服用患者が大量のcaffeineを摂取することは原則的には避けるべきであり、ドリンク剤の飲用について、全面的な禁止が困難であれば、caffeine無添加あるいは含有量の少ないドリンク剤とするよう服薬指導すべきである。

[222.FD15.015.21TH][1991.6.18.・1999.3.31.一部修正.古泉秀夫]


  1. テオロング錠添付文書,1990
  2. カフェイン添付文書,1986
  3. 飲食物・嗜好品と医薬品の相互作用研究班・編:飲食物・嗜好品と医薬品の相互作用;薬業時報社,1991
  4. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.104,1991.6.19.より転載