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ツベルクリンの単位換算

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:物理化学的性状・ツベルクリン・単位換算・TU・Mantoux test・PPD・Purified Protein Derivative・精製ツベルクリン蛋白体

Q:ツベルクリン皮内反応の国内単位はμgであるが、海外ではTU単位が用いられている。単位換算量はどの程度か

A:米国ワシントン大学医学部が編纂するワシントンマニュアルによれば、『ツベルクリン反応(Mantoux法で投与した5TU)陽性が、潜在性結核を診断する唯一の手段である』とする記載がみられる。

このTU単位は、U.S.Tuberculin Unitの略号であるとされる。

米国ケンタッキー大学医学部の独自マニュアルによれば、Mantoux testはTST(tuberculin skin testing)の標準手技であり、PPD(Purified Protein Derivative:精製ツベルクリン蛋白体)の皮内注射によって施行される。

結核に対するtine test(尖叉試験)はCDC勧告により最早行われていない。PPDは3段階の強さを持つ:1TU(first)、5TU(intermediate)、 250TU(second)である。1TUは過敏反応が疑われるヒトに用い(陽性皮膚反応の既往)、5TUは標準初回スクリーニング試験で使われる。 5TU量で陰性のヒトは250TUに反応することもあるとされている。

国内で市販されている『精製ツベルクリン(日本BCG)』は

  • 一般診断用:1μg/瓶・0.25μg/瓶(一人用)1mL中0.5μg相当溶液としその0.1mLを皮内注射するとされている。一般診断用の最終調製液の薬用量は 0.05μgであり、米国における標準初回スクリーニング試験用が5TUとされていることから5TU=0.05μgと判断することが出来る。従って1TU =0.01μg(国内標準品)と考えられる。

[014.4.TUB:2005.3.8.古泉秀夫2005.4.19.改訂]


  1. 高久史麿・他監訳:ワシントンマニュアル 第9版;MEDSi, 2002
  2. 渡辺良孝・編:ポケット医学英和辞典;医学書院,1981
  3. 飯野靖彦・監訳:スカット・モンキーハンドブック;MEDSi, 2003
  4. 国立国際医療センター医薬品情報管理室・編:医薬品情報,27(5): 420-421(2000)