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「つかれ酢」とはどの様なものか

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:健康食品・つかれ酢・つかれす粒・クエン酸・サツマイモ・配合処方

Q:カプセル入りの健康食品とされる“つかれ酢”について。製造は広島県でされているとのこと。

A:「つかれ酢」について、次の新聞報道が見られる。

「元気が出る」ブームを映してか「つかれす粒」という健康食品が見直されている。サツマ芋から製造した自然食品で「オロナミンC」等に含まれているクエン酸が主成分。中高年を中心に、OLや若いサラリーマンにも口コミで広がっている。

「つかれす粒」は、つかれ酢本舗(本社東京)が十年ほど前に発売したもので、小さな白い粒が小箱に300個(120g)入っており、値段は500円。成分はクエン酸の他、乳糖、澱粉等。かってはお年寄りの間で人気を集めたものらしく、広島、滋賀両県の老人クラブ連合会も推薦している。

ここにきて若い世代に広がっているのは、甘味のほとんどない味が受けたためのようだ。丸の内のOLは「初めて飲んだ時はとても酸味が強く抵抗があったが、そのうち酸っぱさが体に効くような気がし始めた」と言う。1箱に入った錠剤をほぼ1週間で飲むので、ドリンク剤を毎日飲むより安心感がある。

つかれ酢本舗では、「最近、クエン酸をたしなむサークルが全国各地に広がり、北海道や九州からも電話やハガキで注文が舞い込むようになったとか」日本全国に「元気」が波及するかどうか。

[日本経済新聞社-日経流通1986.5.15.]

つかれ酢本舗[TEL.03-3953-8945]によれば、本品は散及び粒状の製品があり、散はクエン酸100%の製品で、粒状製品は、次の配合内容としている。尚、製造は西川製薬[TEL.03-3955-4633]でされている。

配合処方

1粒中

  • カルシウム ……………………20mg
  • 澱粉 ……………………36mg
  • 乳糖 ……………………120mg
  • タルク ……………………2mg
  • クエン酸ナトリウム ……………………120mg

尚、クエン酸について、次の報告がされている。

炭水化物(糖、澱粉)、脂質類(数種のアミノ酸)や蛋白質類などが摂取された後、生体内で受ける運命とクエン酸との関連は密接不可分である。この関係を明確にしたのがH.A.Krebs(ドイツ人のちに英国籍-1953年生体内酸化機構の研究でノーベル生理医学賞授与)で、今日クエン酸サイクル、トリカルボン酸サイクル又はクレブスサイクルといわれる輪環学説である。

栄養素類は生体内に移行後、先ず無酸素下の分解反応を受け、次に酸素下反応をへてカロリー発生し炭酸ガスや水を排泄する。反応中は常にクエン酸となり、次に直ぐ数種以上の一定の有機酸類に、順序正しく段階的に変化しつつ第1回目のサイクル反応が終りとなる。生体が生命であり生活する限りこのサイクルは持続する。

クエン酸サイクル説中、特に要となっている三つの物質がある。

  1. アセチル・コエンチームA:栄養素が生体内で、無酸素下異化反応を受けた結果、絶えず産生されて生体内に溶存している。
  2. オキサル酢酸:酸素下反応で、クエン酸サイクル反応が進展して、最終産生物質として体中に出現する。
  3. クエン酸:[1]と[2]がサイクル進行中に、生体内で出会い頭に縮合してできる。

有機酸類の必要性はオキサル酢酸を常に十分に生体内に作ることであり、作る体勢を何時も準備することである。

[1992.3.4.古泉秀夫][1998.10.9.一部修正]


  1. SDIC・私信,1992
  2. つかれ酢本舗・私信,1992
  3. 秋谷七郎:人体内におけるクエン酸の作用と運命;質疑応答[2];日本医事新報社,1978
  4. 国立病院医療センター薬剤部医薬品情報管理室・:FAX.DI-News,No.290,1992.4.1.