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中性電解水について

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:滅菌・消毒・中性電解水・電解中性水・中性機能水・中性殺菌水・電解次亜水

Q:中性電解水とはどの様な水か

A:中性電解水は『電解中性水・中性機能水・中性殺菌水』などとも呼ばれている水で、高い殺菌力を持つとする報告が見られる。

生成される水は、pHが中性領域(微弱酸性 pH6.4前後)にあり、かつ、生成される全ての水が同様の性質を持っているため、以下の利点があるとされる。

  • 全ての生成された水が利用可能である。
  • 利用後の水を無処置で直接下水道に排水することが可能。
  • 十分な水量を連続供給することが可能。

従来使用されていた強酸性水(電解酸性水)は、電極の一方に生成される強酸性水を利用するため、他の電極にできるアルカリ性水の利用法がなければ廃水として扱わざるを得ないという非効率的な面があったが、中性電解水では、生成される水の全てが使用可能であるとされている。

原料水として使用するのは水道水であり、また、下水道排除基準にも合致しており、排水時に処理を施す必要はないとされる。通常使用する水道水に食塩を添加し、電気分解して得られる次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする水であり、使用する機器によっては、残留塩素濃度を10-40ppmの範囲で3段階切替が可能だとされている。

従って、中性電解水は水道法の基準を満たす安全な水であり、十分な残留塩素濃度を保ち、殺菌力の強いHClOが高い濃度に維持されるため、

  • ほとんどの細菌・ウィルスを10-30秒以内に殺菌・不活化することが可能である。《B型・C型肝炎ウィルス・耐性黄色ブ菌・O-157大腸菌に対応》
  • 有効塩素濃度が長時間保たれることで、夜間など診療時間外にユニット内に水分が滞留している間も殺菌力が維持される。
  • 歯科領域において術後含嗽用として、患者への殺菌水の利用が可能である。

等の報告がされている。

参考資料

永井百彦・他:電解中性水の矯正歯科領域への応用;北海道矯正歯科学会誌27(1):68-72,1999

試験菌 処理前 30秒後
O-156 490,000個 0
大腸菌 9,100,000個 10個以下
サルモネラ菌 7,500,000個 10個以下
黄色ブドウ球菌 9,700,000個 10個以下
腸炎ビブリオ 240,000個 10個以下

腸炎ビブリオを試験菌とした、魚介類の汚染除去試験において、水道水、洗剤稀釈水、電解中性水(電解次亜水)、次亜塩素水(100ppm)、オゾン水(1.4ppm)のそれぞれに期待する殺菌効果はなかったとする報告も見られる。

電解中性水中の次亜塩素酸濃度は、消毒剤としてみた場合、低濃度であり、電解中性水単独で、完全な消毒効果が得られるとは考えられない。 しかし、初期処理水として、野菜等の洗浄や手指洗浄用として使用するのであれば、一定の効果は期待できると思われる。

[615.28. HCL:2005.6.3.古泉秀夫]


  1. 残留塩素濃度補正システム(EPIOS-02 / EPIOS ECO SYSTEM);http://www.epios.co.jp/news_denkai1.htm,2005.5.29.
  2. 旭硝子エンジニアリング株式会社;http://www.agec.co.jp/h/h13.htm,2005.5.10.
  3. 清水康弘:水産物の洗浄による滅菌技術開発;三重県科学技術振興センター;http://www.mpstpc.pref.mie.jp/project/kyodo5/kyodo52.pdf,2005.5.29.