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地竜の薬効・薬理について

日曜日, 8月 12th, 2007

?KW:漢方薬・地竜・ミミズ科・蚯蚓・キュウイン・カショクツリミミズ・薬効・薬理

Q:地竜の薬効・薬理について

A:地竜とはフトミミズ科・ツリミミズ科に属する動物。蚯蚓(キュウイン)の異名。和名:カッショクツリミミズ等の全体。

各種の蚯蚓にはルンブリフェブリン、ルンブリチン、テレストロールンブリジンが含まれている。広地竜(フトミミズ科-参環毛蚓)にはヒポキサンチン等も含む。

蚯蚓には又含窒素化合物としてアラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、リジン等のアミノ酸及びキサンチン、アデニン、グアニン、コリングアニジン等が含まれる。

蚯蚓(Lumbricusspencer)の脂肪類中には、ステアリン酸、パルミチン酸、高度不飽和脂肪酸、奇数個の炭素原子よりなる直鎖脂肪酸及び分鎖脂肪酸、リン脂質、コレステロール等を含む。蚯蚓(L.terrestris)黄細胞組織は炭水化物、脂肪類、蛋白質及び色素を含み、塩基性アミノ酸としてヒスチジン、アルギニン、リジンを含有する。この黄色素は恐らくリボフラビンか、それに類似した物質であろう。蚯蚓はある種の酵素を含みpH:8.0?8.2で蚯蚓を溶解させる。

[薬理]

  1. 降圧作用:広地竜チンキ剤、乾粉懸濁液、熱浸液、煎剤等は緩慢だが持続的な降圧作用を示す。
  2. 平滑筋に対する作用:広地竜から抽出した含窒素性有効成分は顕著な気管支拡張作用を示す。また、ヒスタミン及びピロカルピンの気管支収縮作用に拮抗する。
  3. その他、解熱作用、鎮静、抗痙攣作用等が報告されている。

高熱を伴う狂騒、幼児の急癇、風熱による頭痛、目赤、中風による半身不随、喘息、関節の疼痛、歯出血、尿閉等が適応として挙げられている。

[510.FD18.015.4QIU][1991.8.27.・1999.4.2.一部修正.古泉秀夫]


  1. 上海科学技術出版社・編:中薬大辞典第一巻;小学館,1985
  2. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.153,1991.8.30.より転載