消毒剤：アンプロレンについて
土曜日, 8月 11th, 2007KW:滅菌・消毒・機器滅菌用消毒薬・アンプロレン・アンプル式エチレンオキサイド・EO
Q：機器滅菌用の製剤で「アンプロレン」についての質問があったが、これはどのような製品か
A：アンプロレンは、米・H・Wアンダーソンプロダクツ社が開発した、常温・大気圧の下で滅菌を行うアンプル式エチレンオキサイド(EO)の商品名である。
国内での取扱いについてはセントラルユニ［TEL.093(561)4431］が米国から輸入し、販売は村中医療器株式会社［TEL.06(943)1221］が行っている。
本品は従来のEOガス滅菌器のような陰圧や加圧、加熱、加湿等を行わずに、光学機器類を滅菌する目的で開発されたもので、高熱・湿度に影響されやすい光学機器類の滅菌に的しているとされる。
本滅菌法の特徴
- 20℃以上の常温下で圧力、湿気、熱影響を伴うことなく拡散性の酸化エチレンガスを浸透することにより滅菌を行うので、対象物を損傷することがない。
- 高圧ガス容器が不要であり、専用のステンレス容器は小型で移動や取扱いが簡単である。
- EOガスがアンプル入りなのでガスの無駄使いがない。
- 電気・蒸気・水等を全く使用せず、工事・メンテナンスが不要である。
- 濃縮されたEOガスは、不活性部分の働きにより安定して拡散気化し、対象物の細部にわたり滅菌を行い、フレオン等のハロゲン化合物を含有していないので材料の損傷、プラスチック類の表面変化、カメラ用フィルムの変色がない等が報告されている。
滅菌時の条件
- 滅菌時の周囲温度は20℃以上を保つこと。
- 滅菌時の相対湿度は30%以上が必要である。
- 滅菌時間は最低12時間以上かけること。
使用上の注意
- アンプルの溶液は可燃性ガスで引火性・刺激性があるので使用場所は次の点を厳守。a）換気が良いこと。b）火気・火花のないところ。
c）人が入らないところ。
- 誤って液が人体や衣服に付着した時は、直ちに冷水で洗滌する。
- EOガスは残留性があり、ゴムやPVCの素材等は多量のガスを吸収するので滅菌後の自然放置は24時間?7日間（米軍規格Ho.40-19,1973年）置く。
- 人体に影響があるので密閉した部屋で使用しないこと。
- 必ず専用のステンレス容器を使用のこと。
- 食器類・医薬品には使用できない。
- 金属・ガラス・アルミ等はガスが透過しない。
- アンプルや検知カード、ドシメータ等は直射日光や火気を避け、通気性のよい、涼しい室内に貯蔵する。
以上本品のパンフレットから抜き書きを紹介したが、簡易型のエチレンオキサイドガス滅菌器及び滅菌法に使用する製品である。
［731.FD15.615.28A73N］［1991.3.19.・1999.3.26.一部修正.古泉秀夫］
- 株式会社ホギ・私信,1991［TEL.03(3254)-2911］
- 株式会社セントラルユニ・私信,1991［093(561)4431］
- 村中医療器株式会社・私信,1991［06(943)1221］
- 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編：FAX．DI-News,No.43,1991.3.20.より転載