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骨粗鬆症治療薬の投与簡略化

金曜日, 8月 10th, 2007

KW:薬物療法・骨粗鬆症治療薬・投与簡略化・ビスホスフォネート製剤・アレンドロン酸ナトリウム・alendronate sodium・フォサマック・Fosamax

Q:週1回の投与で治療可能な骨粗鬆症治療薬について

A:ビスホスフォネート製剤であるアレンドロン酸ナトリウム(alendronate sodium)の製剤であるフォサマック(FosamacTM)は5mg/錠が万有製薬から市販されているが、国外において新規格単位製剤として70mg/錠の製造承認申請がされたとする報告がみられる。

70mg錠は、週1回の投与で、5-10mg毎日1回投与と同等の効果を示すことが、閉経後骨粗鬆症の臨床検討において確認されたと報告されている。

また週1回投与のalendronate(FosamaxTM)35mg及び70mg錠がFDAで承認され、閉経後骨粗鬆症の予防及び治療薬として有用だとされているが、その他にもリセドロネート(risedronate)製剤であるアクトネル(ActonelTM)が新しい週1回投与製剤の開発を進めており、製造承認が得られ次第、発売を計画しているとされる。

alendronateの様なビスホスホネートは、破骨細胞の機能を阻害し、骨吸収を低下させる。本剤の活性は、骨において数週間持続する。

1日1回投与のalendronateの主な欠点は、重症の食道粘膜刺激の可能性を避けるために必要な投与方法、空腹時に背筋を伸ばしコップ1杯の水で素早く服用し、少なくとも30分間は正しい姿勢を保った後、横になる前に食事を取らなければならないことである。

alendronateの週1回投与と1日1回投与を比較した臨床試験は、1件しか発表されていない。この閉経後骨粗鬆症の女性889例を対象とした1年間の試験で、いずれの投与法でも骨密度の増加における効果は同等であることが示されたが、骨折の低下に関する比較資料はない。消化器毒性も同等であったとする報告が見られる。

またrisedronate sodium hydrate(Procter & Gamble)の週1回投与型の製剤は、骨粗鬆症の適応で2002年1月17日にFDAに承認されたとする報告も見られる。

[035.1.ALE:2004.3.16.古泉秀夫]


  1. 週1回投与の骨粗鬆症治療薬;薬事日報,2000.4.14.
  2. 週1回投与のアレンドロネート(Fosamax);The Medical Letter<日本語版>,17(6):25-26(2001.3.19.)
  3. 明日の新薬CD-ROM版,2002.8.27.
  4. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2004