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クエン酸による含嗽について

金曜日, 8月 10th, 2007

?KW:薬物療法・クエン酸・citric acid・含嗽・使用濃度・口内乾燥症

Q:クエン酸による含嗽について-使用濃度等

A:クエン酸(citric acid)について、次の報告がされている。

  • [性状]:本品は定量するときクエン酸99.5%を含む。本品は無色の結晶又は白色の粒若しくは結晶性の粉末で、臭いはなく、強い酸味がある。本品は水に極めて溶け易く、エタノール又はアセトンに溶け易く、エーテルにやや溶け難い。本品は乾燥空気中で風解する。本品は 75℃で軟化し、約100℃で融ける。無水物は約150℃で融ける。
  • [製法]:柑橘類の果実からも製造されているが、大部分は発酵法により製造されている。その他クエン酸カルシウムを輸入し、これからクエン酸を得る方法も取られている。発酵法に用いる発酵菌の主なものは、クロカビAspergillusnigerである。
  • [薬効・薬理]:本薬は局所の収斂、刺激作用を有するほかは、特異な薬理作用を現すことはなく、大量を与えた場合を除き、酸化されて二酸化炭素となり、呼気から排泄される。この結果、本薬の塩類投与により体液や尿はアルカリ性に傾く、クエン酸塩は血液凝固防止作用がある。
  • [適用]:緩衝・矯味・発泡の目的で調剤に用いる。又、リモナーデ剤の調剤に用いる等の報告がされている。クエン酸による含嗽剤については、国立療養所神経筋難病研究グループの提供する神経筋難病情報サービスのHP中に次の記載が見られる。
    0.5%-クエン酸水

*口内が乾燥し易いときには、クエン酸、林檎酢(1.5%)等の酸性の液を用いると、口腔ケア後に唾液分泌を促し、口内がアルカリ性に傾いて、細菌の繁殖を防ぐ。

なお、クエン酸の水溶液(1→20)は青色リトマス紙を赤変するとされている。

[035.4CIT:2000.5.29.古泉秀夫]


  1. 第十三改正日本薬局方解説書;広川書店,1996
  2. www.saigata-nh.go.jp/,2000.5.23.現在