トップページ»

カモガヤ茶について

木曜日, 8月 9th, 2007

KW:健康食品・機能性食品・花粉症・カモガヤ茶・カモガヤ・鴨茅・オーチャードグラス・Orchard grass・ホメオパシー・homeopathy

Q:友人がカモガヤ茶を飲むよう勧められたというが、期待される効果はどの様なものか

A:カモガヤ(学名:Dactylis glomerata L.)は、イネ科カモガヤ属に属する外来種の多年草である。

和名:鴨茅。

明治13年頃、牧草として米国から渡来、現在は逃出して雑草化している帰化植物である。

ヨーロッパ、西アジア原産。

また、鴨茅は、国内におけるイネ科花粉症の主たる原因植物とされる。

茎は多数直立し、高さ1m内外。葉は互生、広線形、質は荒く硬い。葉鞘の大半は筒で表面はざらつく。5-6月頃、茎の頂に長さ50cm内外の円錐花序をだし、多数の集合した小穂を付ける。

小穂は3-4個の花。

別名:オーチャード・グラス(Orchard grass)。

俗名:Cock’s foot grassのCock(雄鶏)をDuck(鴨)と見間違えたとされている。

鴨茅の花粉は、杉・檜木との比較では飛散する距離が数十メートルと短いため、多くの人々に症状は出ないが、症状の酷さは杉・檜木の10倍程度とする報告がされている。

その他、鴨茅の花粉が抗原となり、気管支喘息の発作が誘発されることがある。

この花粉(抗原)の侵入を切っ掛けとして免疫グロブリンE (IgE)抗体が産生される。ヒトによっては同一抗原が繰返し侵入すると、IgE抗体が異常に増え、これが免疫細胞の一つである肥満細胞に結合する。ここに再度同じ抗原が侵入すると、既に肥満細胞と結びついたIgE抗体に更に抗原が結合し、その刺激で肥満細胞からヒスタミンなどの物質が流れ出し、喘息発作が誘発される。

カモガヤ茶の飲用は、カモガヤの成分を体内に取り込むことによって抗原抗体反応を抑制する効果を期待したものであると考えられる。いわゆる減感作療法としてではなく、『同種療法・類似療法』といわれるホメオパシー(homeopathy)に近い考え方ではないかと思われる。

ただし、万人に100%有効な治療法は存在しない。従ってカモガヤ茶の飲用が、必ずしも効果を保証するわけではないが、治療の趣意からして、一定期間、飲用を継続することが必要ではないかと思われる。

[015.9.DAC:2005.5.26.古泉秀夫]


  1. 牧野富太郎:原色牧野日本植物図鑑 I:北隆館,2003
  2. 伊澤凡人・他編著:カラー版薬草図鑑;社団法人家の光協会,1999