トップページ»

ガラナについて

木曜日, 8月 9th, 2007

KW:健康食品・ガラナ・ ガラナ子・ガラナエキス・カテキン・薬効・薬理

Q:ガラナとは何か

A :ガラナについて、次の報告がされている。 ガラナ(ムクロジ科)、Paullina cupapana Kunth。ブラジル・アマゾン河流域原産のつる性低木。

  • 薬用部分:種子(ガラナ子)。種子を粉末にしキャッサバ澱粉と共に水で練って褐色の円筒形にし、燻煙乾燥して固めたものをガラナエキス(通称:ガラナ)Gauarana、Guarana Pastと呼んでいる。
  • 成分:ガラナエキスにはカフェイン3?4%、タンニン約8.5%、サポニン、油脂などを含みカフェインの含量はコーヒーの約3倍。
  • 薬効:ブラジルでは興奮性飲料として偏頭痛や神経強壮剤に、またタンニンに富むので腸疾患に薬用として使用する。
  • 使用法:ガラナをけずり温湯又は水に溶かして服用する。最近ではガラナエキスを配合した製剤が日本でも市販されている。また、強精剤・催淫剤を標榜し市販されている商品も見られる。

その他、次の報告も見られる。

東京大学分子細胞生物学研究所の瀬戸治男教授らの研究グループは、アルツハイマー病を惹起すると考えられているベータアミロイドという蛋白質の毒性を抑える新たな物質を発見した。

生薬からの抽出物で、ネズミの脳の培養細胞を使った実験でベータアミロイドの毒から神経細胞を守る働きを確認した。痴呆症防止に利用できる可能性もあるとしている。有効成分はタンニンの母体であるカテキンという物質の一種。

アマゾン地方で強壮剤として使用されている植物「ガラナ」の実に含まれており、有機溶媒で抽出した。数千に及ぶ植物や微生物を試したが、ガラナからとったカテキンが最も良く効いた。ベータアミロイドの毒性を抑制する物質として知られているトコフェロール(ビタミンE)よりも効果は強かった。ベータアミロイドは細胞の呼吸を妨げる作用もあるが、培地にガラナ由来のカテキンを加えると呼吸は回復した。ブラジル・アマゾン産植物のガラナの成分「カテキン」には、アルツハイマー病の原因とされる物質(ベーター蛋白)による神経細胞の死滅を防ぐ効果があることを東大分子細胞生物学研究所の瀬戸治男教授(生理活性物質研究室)らが突き止めた。まだ、試験管レベルの研究だが、「痴呆予防薬開発への一歩となるのではないか」とされている。

ラット胎児脳からとった神経細胞を培養し、一方にはベータ蛋白だけを、他方にはベータ蛋白とカテキンを与え、5日後に電子顕微鏡で観察したところベータ蛋白(濃度5万分の1)だけで処理した細胞は約4割が死滅。これに対しカテキン(濃度20万分の1)を加えた細胞はほとんど死ななかった。カテキンを加えた方は、神経細胞内の活性酸素量も非常に少なくなっていた。

[1998.4.28.古泉秀夫]


  1. 三橋 博・監修:原色牧野和漢薬草大図鑑;北隆館,1988
  2. アルツハイマー病の誘引物質-毒性抑える成分発見 東大「ガラナ」から抽出;日経産業,1996.4.12
  3. アマゾン産植物の成分「カテキン」-神経細胞の死滅防ぐ;読売新聞,1997.2.26.