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エンドルフィンについて

水曜日, 8月 8th, 2007

KW:薬名検索・エンドルフィン・endorphin・快感物質・内因性オ ピオイドペプチド・プロオピオメラノコルチン・POMC

Q:快感物質エンドルフィンについて

A:エンドルフィン(endorphin)とは、内因性オピオイドペプチド で、副腎皮質刺激ホルモンなどの前駆物質であるプロオピオメラノコルチン(POMC)から下垂体前葉と中葉及び脳で産生される。

下垂体からは血中にも放出されている。α(アミノ酸16)、β(アミノ酸31)、γ(アミノ酸17)endorphinの3種類があるが、βが最も活性が高い。

オピオイド受容体と結合してモルヒネ様作用を発揮する。ストレスなどの侵害刺激により産生されて鎮痛、鎮静に働く。また成長ホルモン、プロラクチン分泌を促進する。神経系では抑制性神経伝達物質として働くと推測されているとする報告が見られる。

その他、endorphinは、哺乳類の脳及び下垂体に存在する内因性オピオイドペプチドで、α、β、γの3種が知られている。

オピオイド受容体と結合してモルヒネ作用を発現し、その活性はβ-endorphinがも強い。

α及びγ体は、β-endorphinの代謝物と考えられている。

β-endorphinは下垂体中・後葉に特に多く含まれ、ストレスなどの侵害要因により血中に分泌される。

一般に神経系では抑制性神経伝達物質として作用すると考えられているが、その生理的意義は明らかでない。

脳内では、視床下部、中脳、延髄、橋に含まれるが、メチオニンエンケファリンが多量に存在する線条体に殆ど検出されない。

薬理作用としては鎮痛、下垂体ホルモン分泌制御をはじめとして、エンケファリン、ダイノルフィンより強い場合が多い。

β-endorphinは、そのN端末部がメチオニンエンケファリン構造に相当するが、メチオニンエンケファリンの生合成中間体ではない。また生体内には活性のないN-アセチル体も存在する等の報告が見られる。

[011.1.END:2003.12.9. 古泉秀夫]


  1. 伊藤正男・他総編集:医学書院医学大辞典:医学書院,2003
  2. 今堀和友・他監修:生化学辞典 第3版;東京化学同人,1998