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ウロナミンの代替品について

水曜日, 8月 8th, 2007

KW:薬名検索・ウロナミン腸溶錠・代替薬・マンデル酸ヘキサミン・hexamine mandelate・尿路感染症・ウワウルシ・bearberry

Q:ウロナミン腸溶錠250mgの製造が中止される。現在服用中の患者が、継続して同剤を服用したいとしているが、同一効果が期待できる代替薬として何があるか

A:ウロナミン腸溶錠(住友)はマンデル酸ヘキサミン(hexamine mandelate)250mgを含有する製剤で、尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)が承認適応である。本品については、2006年1月、在庫終了次第販売中止とする連絡が企業からあったとされる。

マンデル酸ヘキサミンの同意語として、マンデル酸メテナミン(methenamine mandelate)、ウロトロピン(urotropin)、マンデル酸ヘキサメチレンテトラミン(hexamethylenetetramine mandelate)等が報告されている。

hexamine mandelateは、尿中でマンデル酸とヘキサミンになり、ヘキサミンは更に酸性尿中でホルムアルデヒドとなって抗菌力を示すとされている。マンデル酸にも中等度の抗菌力はあるが、抗菌力よりは尿のpHを下げることで、ヘキサミンに協力的に作用する尿路消毒薬である。

大腸菌、クレブシェラ、変形菌、緑膿菌に抗菌作用を示す。

hexamine mandelateについて、抗生剤耐性菌種による再感染症の治療に適するが、抗生剤を併用する方がよいとする報告がみられる。

尿のpH5.5以下で抗菌力を示すが、尿中発生ホルマリン量には個人差がある。

hexamine mandelate 4g/日・アスコルビン酸1.6-3.2g/日を4回に分割投与時、尿中に65-515(平均308μg/mL)のホルムアルデヒドを認めたとする報告がある。

尿路消毒薬としてのhexamine mandelateと全く同一の効能を持つ薬物は見当たらないが、尿路殺菌作用を示すものとしてウワウルシ(uva ursi leaves)が報告されている。

ウワウルシの英名はbearberry leafで、ツツジ科の植物の葉を開花期に採集し、乾燥したものである。配糖体アルブチン(arbutin)を含み、これが腎から排泄される際にヒドロキノン(hydroquinone)を生じ、尿に弱い殺菌作用を付与するため、尿防腐薬とされる。

ただし、ウワウルシについてhexamine mandelateを対照とした効力比較試験の結果は報告されていない。

いずれにしろ薬の投与は、患者を診察した医師が最終的に判断することであり、医師と相談するよう患者には伝えることが必要である。

-参照-

ウワウルシ(Uvae ursi folium)、原植物:Arctostaphylos uva-ursi(L.)Spreng.(クマコケモモ)、ツツジ科(Ericaceae)

  • 産地:北半球に分布する低灌木。本生薬は専らスペイン、バルカン諸国、イタリア及び旧ソ連の野生植物に由来する。本品は収れん性でわずかに苦い。
  • 含有成分:ヒドロキノン誘導体、そのうち主成分としてヒドロキノンモノグルコシドのarutin(arbutoside)が乾燥生薬から最低5 -6-8%と変動はあるが、普通少量のmethylarbutin、更に多量のガロタンニン型及びカテキン型のタンニン類(約15-20%)、 arbutin gallic acid ester、フラボノイド類(特にhyperoside)及びトリテルペン類、イリドイド配糖体monotropein及びpiceoside(p- hydroxyacetophenone glucoside)。
  • 適応:尿路及び膀胱の軽い炎症性の疾病に、尿路消毒剤として。抗菌作用はarbutinによるのではなく、排泄物である hydroquinone glucuronideとhydroquinone sulfateから尿中で遊離したhydroquinoneによるものである。

[011.1HEX:2006.1.6.古泉秀夫]


  1. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2005
  2. 大阪府病院薬剤師会・編:全訂医薬品要覧;薬業時報社,1984
  3. 薬科学大辞典 第2版;広川書店,1990
  4. 井上博之・監訳:カラーグラフィック西洋生薬;廣川書店,1999