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ウラジロガシの有用性について

水曜日, 8月 8th, 2007

KW:健康食品・漢方薬・代替医療・裏白樫・ウラジロガシ・胆石症

Q:ウラジロガシの有用性について

A:コナラ属、ぶな科のウラジロガシ(裏白樫;QuercussalicinaBlume)は、本州東北地方以南、四国、九州、沖縄及び済州島、台湾に分布し、暖帯の山野に生える常緑の高木である。

  • 薬用部分:小枝、葉。必要時に小枝と葉を採集し、細かく刻んで日干しにする。
  • 成分:小枝と葉にフラボノイドのクエルセチン、ケンフェロール、イソクエルセチン、トリテルペノイドのフリーデリン、エピフリーデリン、フリーデナロール、タラクセロールの他、コハク酸、エラグ酸、没食子酸、β-D?グルコガリン、カテコール、ピロガール等を含む。
  • 薬効・薬理:ウラジロガシエキス(UragilogashiExe.)は、ラットに対し膀胱内結石形成抑制作用、溶解作用が認められ、長期投与によって尿中のカルシウム、リンは増加傾向を示す。また試験管内でビリルビン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウムからなる結石は、10%-水浸エキスにより50?90%溶解し、完全崩壊するものもある。ウラジロガシは民間薬として、胆石症、腎石症に用いられるとする報告がされている。
  • 使用法: 1日量50?70gに600?1000mLの水を加え、1/3量に煎じて服用する。

なお、ウラジロガシエキスの製剤として、ウロカルン(日本新薬)の市販がされている。

本薬は1Cap.中にウラジロガシエキス225mgを含有する製剤で、その適応は「腎結石・尿管結石の排出促進」とされている。

本薬は、古くから我が国において民間療法として賞用されていたウラジロガシを製剤したもので、尿路結石の排出促進作用を有し、耐用性は大で、長期間の使用が可能であるとされている。

本薬の薬理作用として、次の3点が報告されている。

  1. 結石の発育抑制並びに溶解作用:リン酸石灰結石をウラジロガシエキス含有尿で灌流するとき、溶解作用が認められ(invitro)、動物実験でのウラジロガシエキスの経口投与は、結石の発育抑制作用及び溶解作用を示す(ラット)。
  2. 抗炎症作用:足蹠浮腫(ラット)、血管透過性の亢進(ウサギ)及び胸膜炎(ラット)を抑制する。
  3. 利尿作用:一過性の尿量増加を示す(尿路結石患者)

本薬の有効性については、尿管結石72.9%、腎結石21.0%、その他の結石(前立腺結石、膀胱結石他)38.1%の有効率が報告されている。

本薬の副作用として胃腸系(胃部不快感、下痢等)の副作用が報告されている。

[1998.4.1.古泉秀夫]


  1. 三橋博・監修:原色牧野和漢薬草大図鑑;北隆館,1988.p.17
  2. ウロカルン添付文書,1996.8.改訂