『ギラン・バレー症候群について』
金曜日, 6月 25th, 2010KW:語彙解釈・ギランバレー症候群・Guillain-Barré syndrome・GBS・感染症・診療科
Q:ギラン・バレー症候群の治療を行う診療科等について
A:ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:GBS) は、難病に指定されている疾患である。下肢から上行する運動麻痺を主徴候とする急性多発性神経炎である。手袋・靴下型の感覚障害、顔面神経麻痺、外眼筋麻痺などの脳神経麻痺、更に呼吸筋麻痺や致死的な血圧変動、不整脈などの自律神経障害も呈する。
感染症の先行が多くの患者で認められ、特にCampylobacter jejuni(カンピロバクタジェジュニ)による腹痛・下痢、サイトメガロウイルス、EBウイルス、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマニューモニエ)による咽頭痛・呼吸器症状が多いとされている。
GBSでは発症当初から末梢神経の構成成分のガングリオシドに対する抗体が、血清中に検出されることから、抗体媒介性の自己免疫疾患説が有力である。
GBSは以前は予後良好な脱髄性多発神経炎と見なされていたが、抗ガングリオシド抗体の発見により
(1)軸索が障害される機能予後が不良な型の存在(特にCampylobacter jejuni感染先行例)、(2)Fisher症候群(外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失)・対麻痺型・咽頭・頸部・上腕限局型などの亜型があることが判明した。
症状:前駆症状として、咽頭発赤、扁桃炎、急性結膜炎、急性胃腸炎、感冒症状(咽頭痛や微熱など)が見られることがある(全症例の1/3から1/2程度)。症状の程度は様々だが、運動神経の障害が主で初発症状は、下肢の筋力低下から起こることが多い。その後、下肢から体幹部に向かい左右対称性に筋力低下や麻痺が上行する。四肢麻痺は、遠位筋に強く現れる。呼吸筋の麻痺が起こると人工呼吸器により呼吸管理が必要となることがある。運動神経の障害が主であるが、軽度の感覚神経障害も起こす。
その他、両側性の顔面神経麻痺や外眼筋障害などといった脳神経症状や、構音障害や嚥下障害などの球麻痺症状、自律神経障害を伴うことがある。
診断:感染症が先行し、下肢から上行する運動麻痺を主徴とする急性多発性神経炎ではGBSを考える。四肢の左右対称性の弛緩性麻痺と腱反射消失及びラセーグ徴候を認める。髄液で蛋白細胞解離(蛋白が増加)、運動神経伝導速度測定で遅延やMRIで馬尾に造影効果陽性を認めるが、GBSに特異的な異常ではない。特異的異常は、抗GM1抗体などの抗ガングリオシド抗体を血清で認められることである。
治療:日本神経治療学会/日本神経免疫学会の『GBS治療ガイドライン』に準拠する。
治療法として“免疫グロブリン静注療法”、“ステロイド・パルス療法”、“単純血漿交換療法”等が報告されている。
治療を受ける場合“神経内科”を受診する。また、各都道府県において『相談窓口』が設置されているので、受診すべき医療機関の相談にも応じてくれるはずである。
1)山口 徹・他総編集:今日の治療指針;医学書院,2009
2)難病情報センター,2010.2.11.
[615.8.GBS:2010.2.11.古泉秀夫]