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「ウルソ錠の相互作用」

日曜日, 2月 3rd, 2008

KW:相互作用・ウルソ錠・ursodeoxycholic acid・UDCA・ウルソデオキシコール酸・制酸剤

Q:ウルソ錠の相互作用として添付文書に制酸剤の記載があるが、併用処方が出された場合、処方医に確認すべきか

A:ウルソ錠(三菱ウェルファーマ)は1錠中にursodeoxycholic acid(UDCA)50・100mgを含有する製剤である。本剤の相互作用については『併用注意』として、次の記載がされている。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
スルフォニル尿素系経口糖尿病用薬(トルブタミド等) 血糖降下作用を増強するおそれがある。 本剤は血清アルブミンとトルブタミドとの結合を阻害するとの報告がある。
コレスチラミン等 本剤の作用を減弱するおそれがあるので、可能な限り間隔をあけて投与すること。 本剤と結合し、本剤の吸収を遅滞あるいは減少させるおそれがある。
制酸剤(水酸化アルミニウムゲル等) 本剤の作用を減弱するおそれがある。 アルミニウムを含有する制酸剤は、本剤を吸着し、本剤の吸収を阻害するおそれがある。
脂質低下剤(クロフィブラート等) 本剤をコレステロール胆石溶解の目的で使用する場合は、本剤の作用を減弱するおそれがある。 クロフィブラートは胆汁中へのコレステロール分泌を促進するため、コレステロール胆石形成が促進されるおそれがある。

使用薬剤の詳細について、医師は十分理解した上で処方していると判断すべきであり、薬剤師が調剤する際には、『併用注意』等についても、医師は当然認識していると考えて作業することが前提である。

また添付文書上の『併用注意』については、現在までに併用を禁止する程度の重篤な副作用は発現しておらず、十分に注意して処方する分には、特に問題はないとする判断がされている薬物である。

従って、現に服用中の患者が、特に症状の変化等を訴えていない限り、併用注意の薬剤が同一処方せん上に記載されているからといって、特段の対応を取ることは必要ない。但し、『併用禁忌等の薬剤が記載されている場合には、誤記と考えられるため、患者に不必要な影響を与えることを回避』するためにも処方医に疑義照会する。

1)ウルソ錠・顆粒添付文書,2007.3.改訂(第12版)
2)高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2007

[015.2.INT:2007.3.23.古泉秀夫]