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「甜茶について」

土曜日, 7月 24th, 2010

KW:健康食品・甜茶・てんちゃ・甜葉懸鈎子・てんようけんこうし・多穂石柯葉・たすいせきかよう・GODポリフェノール・rubusoside・ルブソサイド・suavioside・スウアビオサイド・バラ科・キイチゴ属・牛白藤・ぎゅうはくとう・土常山・どじょうざん

Q:花粉症に甜茶が有効とする話を聞いたが、甜茶とはどの様なものか

A:甜茶とは、中国茶の中で植物学上の茶とは異なる樹木から作られた甘いお茶の総称で、古くからある薬草茶の一つである。甜茶として次の三種が報告されている。

牛白藤

(ぎゅうはくとう)

基原:アカネ科の植物、牛白藤の茎葉。 原植物:学名:Oldenlandia hedyotidea(DC.)Habd.-Mazz。多年生のつる性低木で、高さ3-5m。開花期は秋。山谷、山腹、林下、低木林中などに生える。分布は中国南部と西南部。根(牛白藤根)も薬用にされる。異名:有毛鶏屎藤(ゆうもうけいしとう)・膿見消(のうけんしょう)、大葉竜胆草・土加藤(どかとう)・甜茶、接骨丹・排骨丹。効能:清熱し暑を解く、風湿を去る、筋骨を続けるの効能がある。中暑(暑気あたり)、感冒咳嗽、胃腸炎、リウマチ性関節炎、打撲傷、骨折、皮膚湿疹を治す。

多穂石柯葉

(たすいせきかよう)

基原:ブナ科の植物。多穂柯の葉。原植物:多穂柯。学名:Lithocarpus polystachyus。異名:甜茶。別名:多穂柯(たすいか)。常緑高木。高さ7-15m。樹皮は灰褐色。温暖な山地に生え、土壌が湿潤で肥沃な谷間が最適である。分布は長江以南の各地。採集:春、夏。成分:葉はリトカルポロン、リトカルポジオール、24-メチレン-シクロアルタン-3β,21-ジオールを含み、またフリーデリン、エピフリーデラノール、タラクセロール、グルテノール、β-アミリンなどを含んでいる。薬効:高血圧を治す。

土常山

(どじょうざん)

基原:ユキノシタ科の植物。臘蓮繍球(ろうれんしゅうきゅう)又は傘形繍球の根。和名:ヤクシマアジサイ。原植物:1.臘蓮繍球、学名: Hydrangea strigosa Rehd.、癩厲(らいれい)、大葉土常山、大葉老鼠竹(だいようろうそうちく)ともいう。高さ2-3mの低木。花期はは8月。結実期は9月。低山の谷や川の縁、樹林の周辺に生える。分布は四川、貴州、湖北、広西、浙江等。2.ヤクシマアジサイ(屋久島紫陽花)、学名: Hydrangea umbellataRehd.。傘花八仙とも。高さ1m又はそれよりやゞ高くなる落葉低木。山地の川辺や林の周辺に生える。分布は浙江、江南等。

薬材:乾燥した根。臭いは僅かで苦味がある。効能:1.痰の結を滌ぐ、腫毒を散らす。首筋の瘤を療す、マラリアを裁つ。2.食積(食滞)を消す。熱毒を解く、マラリアを治す。腸中の積熱を消す。胸腹の脹満を除く。皮膚癬癩に擦り込む。

しかし、我国で優れた特性が注目されている甜茶は、上記三種とは異なりバラ科キイチゴ属の甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)という植物である。この正式名称は日中共同の「日本と中国西南部の常緑広葉樹林構成植物の化学分類学的細胞分類学的比較研究(1994年)において確定された。

甜葉懸鈎子は、葉柄に棘を持つ高さ2-3mの潅木で、中国南西部の広西壮族自治区の山岳地にのみ産し、居住する瑤族が昔から「開胃茶」として食欲増進効果を期待して飲むお茶といわれる。甜茶になる葉は、バラ科の落葉する灌木の葉を夏から秋にかけて摘むとされている。“中西本草図録”、“広西薬用植物名録”等に記載が見られるとされる。学名:Rubus suavissimus S. Lee。

甜茶の成分としてent-Kauraneタイプのジテルペン配糖体:rubusosideとGODポリフェノール*(甜茶polyphenol)が成分として含まれる。rubusosideは甘味成分で、砂糖の75倍の甘味があるがカロリーは零である。その他ジテルペン:suavioside A、B、G、H、I、Jを甘味性分として、suavioside C1、D2、Fを苦味成分として含む。GODポリフェノールはアレルギーに有効な成分といわれる。カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などのmineralsが豊富である。caffeineは含まれない。

*GOD(Galloyl-Oxygen-Diphenyl)型エラジタンニン

効能としてhistamineの分泌抑制、抗炎症作用がある。中国では古くから甜茶は熱を下げ、肺の渇きを癒し、痰を除いて咳を止めるなど風邪の主症状を抑える健康茶として愛飲されていた。咽の痛みや風邪の他に、アレルギー性鼻炎(花粉症、ハウスダストアレルギー)、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのI型アレルギーの予防・症状緩和によいとされ、糖尿病、高血圧にも用いられているとする報告が見られる。

1)奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典-機能性食品・特定保健用食品-;東洋医学舎,2002-2003改訂新版

2)北川 勲・他編:食品薬学ハンドブック;講談社サイエンティフィク,2005

3)吉川敏一・他編:サプリメント機能性食品ガイド;講談社,2004

4)上海科学技術出版社・編:中薬大辞典 第二巻;小学館,1998

5)上海科学技術出版社・編:中薬大辞典 第三巻;小学館,1998

[015.9.RUB:2010.2.1.医薬品情報21・古泉秀夫]