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『“瘧”の読み方と意味』

土曜日, 10月 24th, 2009

KW:語彙解釈・瘧・おこり・ギャク・ひょうふう・飆風・わらわやみ・童病

Q:“瘧”の読み方とどの様な症状を示している言葉なのか。

A:この漢字の読みは『おこり』である。

 症状は『間歇熱』の意の雅語的表現。あるいはマラリアなどの熱病。わらわやみ。瘧を患う病人[飆風(ひょうふう)」。

 マラリアは、奈良、平安、鎌倉時代には我が国にも蔓延しており、特に琵琶湖周辺の湿地帯で流行していたようである。「おこり」とか「わらわやみ(童病み)」とか「虐(ギャク)とか呼ばれていたとする報告が見られる。

 瘧=躰が震える発作。悪寒と発熱が時を定めて襲ってくる病気。マラリア性の熱病で、童病とも云われる。かなり古くからあった疾患で、医心方などによると、平安時代に既に我国の一部にはマラリアの流行があったのではないかと推測される記述も見られるとされている。

1)新明解国語辞典第六版;三省堂,2005

2)新潮現代国語辞典第二版;新潮社版,2000

3)鈴木 昶:江戸の医療風俗事典;東京堂出版,2000

[615.8.MAL:2009.9.6.古泉秀夫]