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「ランタナの毒性」□□□□□□□□□□□□□□□□

金曜日, 8月 4th, 2017

 

■対象物□□□□□□□□□□□□□□□□

*ランタナ
*英名: Lantana
image学名:Lantana camara L.
image*分類:くまつづら科ランタナ属の常緑小低木。
*別名:シチヘンゲ(七変化)、コウオウカ(紅黄花)。花色が次第に変わるために付けられた名称。熱帯アメリカ原産。世界中に帰化植物として定着している。日本では小笠原諸島、沖縄諸島に移入分布している。観賞用に栽培される多年草。茎は四角形で疎毛と小刺あり。葉は対生、有柄、長さ3-8cm、やや厚く、皺あり、剛毛が多くざらつく。花は夏から秋、葉腋から花茎を出し、無柄で、唐傘状に密集。包葉は広皮針形、萼は極小。花冠は不揃いで4裂、径6mm位。雄蕊4。
*花色:赤、橙、黄、白など鮮やかな色の花を付ける。

■成 分□□□□□□□□□□□□□□□□

*有毒部位:種子(特に未熟果実)、葉。ランタニン[lantanine、(ランタデンA)]。未熟果実を誤食すると激しい嘔吐や下痢等を起こす。果実は黒い液果で有毒といわれるが、鳥が食べ種子を散布する。
*主成分のタバノンはケトン類であり、ケトン類は神経毒性及び子宮の筋肉収縮作用があることから、多量に投与すると流産の危険性があるため、乳幼児、妊婦授乳中の女性及びてんかん患者への使用は注意する。
主要成分の機能として、瘢痕形成(創傷治癒)作用、肝臓強壮作用、胆汁分泌促進、リンパ強壮作用、静脈強壮作用等。
*ダバノン19.76%・α-ピネン3.79%・サビネン7.97%・リナロール1.90%・ゲルマクレンD 2.88%・アロアロマデンドレン0.37%・β-カリオフィレン11.78%。
*ランタデンA・B・C(lantadene  A・B・C)

■一般的性状□□□□□□□□□□□□□□□□

*6月下旬~11月にかけて多数の小花からなる散形花序を付ける。開花後、時間が経つにつれて、同一花序の中でも外側から内側と花色を変えるため、別名七変化と呼ばれる。葉は対生し卵形で、葉に硬い毛があり、縁にはimageimage鋸歯がある。暖地では戸外でもよく育つ。園芸品種の中には、鮮黄橙色で、咲き色が変化しない物もある。
*果実は小球形で多肉質、緑色から黒色に変わり、熟れた黒色の果肉には毒は無いとする報告も見られる。
*東アフリカでは、この葉を噛んで歯痛を和らげている。また、葉を燃やした際に出る灰に少量の砂糖をまぜて、咳やのどの痛み、歯痛の治療薬として用いたりしている。
*原産地周辺において、「便利な民間薬」として知られ、その葉は切り傷、潰瘍、悪寒、発熱、マラリア、癌の治療等々、使用法を数え上げたら切りが無いとする報告が見られる。

■毒 性□□□□□□□□□□□□□□□□

*未熟の果実にランタニンを含み、誤食すると激しい腹痛や虚脱状態を起こすが、致命的ではない。
*米国のフロリダ州で、子供が未熟な果実を食べて死亡した事例がある。一方で、「完熟した果実になりよく食べられている」という論文が複数あり、混乱させられているが、原則的には食べない方がいいようだとする報告がされている。

■症 状□□□□□□□□□□□□□□□□

*腹痛、下痢。激しい嘔吐や下痢等。

■処 置□□□□□□□□□□□□□□□□

*「重症にいたるケースはなく、家庭で安静にすれば快癒する」という報告がある。
*具体的な処置方法について、報告は見られないが、ランタナ誤食後に嘔吐が生ずるとすれば、そのまま胃内容物を吐き出させることが必要ではないか。

■事 例□□□□□□□□□□□□□□□□

*カルフォルニア州では、1997-2008年の間に641名のランタナ中毒患者が運び込まれた。1歳-16歳の子供達で、摂取後嘔吐、腹痛、下痢、口腔内の痛みを訴えた。更に調査報告書は「完熟果を食べた子と未熟果を食べた子で、その症状に大きな違いは無かった」とする報告がされている。

■備 考□□□□□□□□□□□□□□□□

*ランタナから抽出した物質をアロマオイルとして使用する事例が報告されている。但し、ランタナの毒性に対する報告は、曖昧な物が多く、原則的には毒性のある植物として扱うことが重要である。

■文 献□□□□□□□□□□□□□□□□

1)牧野富太郎: 原色牧野日本植物図鑑 II;北隆館,2000
2)佐竹元吉・監:フィールドベスト図書v.16-日本の有毒植物;学研教育出版,2012
3)海老原昭夫:知っておきたい身近な薬草と毒草;薬事日報社,2003
4)東アフリカオイル図鑑; https://www.jetro.go.jp/ext_images/jetro/activities/contribution/

oda/export_promotion/pdf/oil_picturebook.pdf#search,2017.7.30.
5)小川賢一・他監:学研の大図鑑-危険・有毒生物;(株)学習研究社,2003
6)森 明彦:身近にある毒植物たち;サイエンス・アイ新書,2016

 

調査者:古泉秀夫 記入日:2017.8.4.