Archive for 7月, 2017

トップページ»

「オシロイバナの毒性」□□□□□□□□□□□□□□□□

日曜日, 7月 2nd, 2017

 

■対象物□□□□□□□□□□□□□□□□


オシロイバナ、御白粉花。別名:夕化粧。
分類:おしろいばな科オシロイバナ属。
学名:Mirabilis jalapa L.
英名:four-o’clock(4時)。

■成 分□□□□□□□□□□□□□□□□

*トリゴネリン(trigonerine):C7H7NO2=137.13。オシロイバナに含まれる。LD50(ラット皮下)5.0g・(ラット経口) 5000mg/kg。誤食により強い利尿作用、嘔吐、頭痛、激しい下痢等が見られる。ラット経口の半致imageimage死量が5000mg/kgと報告されており、直ちにラットの半致死量をヒトに外挿することは出来ないが、オシロイバナを経口摂取する事によりヒトが致死的な影響を受けるとは考えられない。
trigonerineは、多くの植物に含まれるピリジン環を持つアルカロイドの一種で、1-メチルピリジン-1-イウム-3-カルボキシラートあるいは N-メチルニコチン酸のこと。カフェアリン (caffearine) とも呼ばれる。一分子内に両荷電基を持つベタイン型分子である。trigonerineは熱により分解し、ニコチン酸に変化する。神経等に対する薬理作用が研究されている。

■一般的性状□□□□□□□□□□□□□□□□

*御白粉花はは胚乳が白く粉状であることから。メキシコ原産(熱帯アメリカ原産)。江戸時代に渡来。日本全土に帰化。庭に栽培され、海岸地方で野生化する多年草。根は肥厚、皮は黒色。茎は太く、節あり、よく分枝し高さ1m位。葉は対生で有柄、長さ3-10cm。花は7-8月、夕方に開き、香りよい。紅紫、白、黄色等花色は変化が大きい。。包は萼状、杯状5裂。萼筒5裂は花弁状。雄蕊5と花柱1は長く、花の外。

■毒 性□□□□□□□□□□□□□□□□

*全草有毒であるが、特に根や種子に毒性がある。

■症 状□□□□□□□□□□□□□□□□

*誤食すると嘔吐、腹痛、強い下痢を生ずる。

image■処 置□□□□□□□□□□□□□□□□

①胃洗浄。②吸着薬。③下剤。④輸液。⑤対症療法。

■事 例□□□□□□□□□□□□□□□□

*non-search

■備 考□□□□□□□□□□□□□□□□

*オシロイバナは毒草であるとして報告されており、原因となる成分はtrigonerineとされている。しかし、植物アルカロイドであり、ヒトが誤食した場合、嘔吐等の作用は発現すると考えられる。

■文 献□□□□□□□□□□□□□□□□

1)牧野富太郎: 原色牧野日本植物図鑑 I;北隆館,2000
2)藤井伸二・監修:色で見わけ五感で楽しむ-野草図鑑;ナツメ社,2014
3)中井將善:気をつけよう!毒草100種;金園社,2002
4)Anthony T.Tu:毒物・中毒用語辞典;(株)化学同人,2005
5)Alibaba:https://japanese.alibaba.com/product-detail/trigonelline-98-cas-535-83-1-60146964387.html,2017
6)森 博美・他編:急性中毒ファイル;医学書院,2011

調査者:古泉秀夫:分類63.099.記入日2017.6.30.