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『学位の有難味?』

水曜日, 11月 5th, 2014

                    魍魎亭主人

 

横浜市大の学位謝礼、19人が計578万円の受領認める[2008年7月9日22時37分配信 読売新聞]
横浜市立大医学部(横浜市金沢区)の学位取得を巡る謝礼授受問題で、同大の学位審査対策委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)は9日、最終報告を公表し、受け取りを認めた教授17人、准教授2人の計19人の受取総額は少なくとも578万円だったことを明らかにした。また、19人以外にも、指導教授1人が謝礼を受け取っていたと認定、別の教授2人も受け取りを推認できるとした。

謝礼を渡したなどと証言した大学院生6人や、院生の証言がありながら、謝礼受け取りを否定していた教授9人に対し、委員が面談して再調査した。最終報告によると、教授9人のうち、2人が受け取りを認め、「金額などは覚えていないが、院生側が言うなら受け取ったのだろう」と回答した。1人は自ら、「授受は1回のみで5万円だった」と名乗り出たという。

受け取りを認定・推認された3人は、一緒に学位審査にあたった別の教授らが受け取りを認め、渡したとする院生らの証言と一致することが根拠となった。院生らが金銭を持ってきても受け取りを断った教授らも18人おり、同委員会は「学位取得の金銭謝礼が広く行われ、慣例化していた」と結論付けた。報告を受け、大学は学生や患者と教員の間での金品の授受を禁じる倫理規定を策定する。本多常高理事長は「医学部には世間の倫理観と乖離があった。噂がありながら放置された面もあり、報告での指摘や提言に沿って改善したい」と話した。

6年前の話を引き合いに出すと、横浜市大は迷惑な話と顔をしかめるかもしれないが、『博士号』というのは余り世間の信用性は高くはないのではないかと云うことの証明のために引き合いに出した。

それというのも理化学研究所・研究ユニットリーダーの小保方晴子氏(31)の博士論文に対する不正疑惑を調査していた早稲田大学の調査委員会(小林英明委員長)は、論文中に計26カ所の問題点があると認めたものの「学位取り消しの規定には当てはまらない」とする報告書を7月17日に公表した。

素人の立場で云わせて戴くと、26ヵ所も問題のある論文が、学内の審査委員会を通過したということの方が問題ではないのか。勿論、学問の道筋が専門分化し、更に細分化されているため、読んでも分からない部分があるのかもしれないが、それにしても論理の辻褄が合わないという事はあるのではないか。しかも、あちらこちらにいわゆるコピペと云われる他人の文書を切り貼りした部分があるというのでは、論文の質以前に審査委員会の委員の眼力が疑われる。

更に不正はあるが、取り消しは出来ないという御意見の様であるが、益々学位というのはいい加減な物だという話になって仕舞う。

最も、論博というのは、誰が書いたか分からないと云うことを利用し、あたかも当人が書いた様に提出して審査を受け、学位を取得したという話も耳にする。勿論、代筆者は金を貰うわけだが、その程度のものであれば誰も学位なんて云う物を信用しなくなる。最も、学位学位と騒ぐのは、大学の教員試験の際に必要性を云われる程度で、それ以外の時に学位が必要だという話はあまり聞かない。

1)学位謝礼総額578万円 横浜市大最終報告「金銭授受慣例化」;読売新聞,第47543号,2008.7.10.

                   [2014.8.1.]