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「スギヒラタケについて」

日曜日, 9月 28th, 2014

KW:中毒・毒性・スギヒラタケ・杉平茸・腎機能低下・急性脳症・透析患者

Q:スギヒラタケの喫食により急性脳症・死亡例がでたという報道が従前あったが、その原因の詳細は判明したのか

 

A:スギヒラタケ(杉平茸)は、キシメジ科スギヒラタケ属の茸の一種である。学名:Pleurocybella porrigens。地域別の名称として、『かぬが、かぬがきのこ、かのか、かのが、かのかきのこ、しぎかのか、しぎきのこ、すぎあおけ、すぎおわけ、すぎきのこ、すぎわかえ、すぎもだせ、すぎわかえ』以上秋田県。『こけ、しらふさ、やたは、すぎごけ』以上新潟県。その他、『かぬか(秋田、岩手県)、すぎかのか(秋田、宮城、山形県)、すぎごけ(新潟、福井県)、すぎたけ(秋田、福島、福井県)、わかい、わかいきのこ(青森、秋田県)』等の地方名が存在する。

分布は広く北半球の温帯以北の地域で発生する。 晩夏から秋にかけてスギ、マツなどの針葉樹の倒木や古株に群生する白色の木材腐朽菌。特徴として傘は白色でほとんど無柄で特徴はない。耳形から扇形に成長し、ふちは内側に巻いている。襞は白色で密。襞の中ほどに枝分かれが見られる。柄は白色。

東北・北陸地方では昔から食用とされてきた茸であるが、2004年秋に杉平茸を食べた人のうち46例の脳症患者が報告され、特に腎疾患の患者では14例が死亡し、現在も病因追求がされているとする報告がみられる。2004年の杉平茸の収穫量は2003年の約2倍あったとされ、通常では径2-6cmの所、2004年では径が大人の掌大もあるお化け杉平茸が多数観察されたという。これらのことから何らかの環境変化が杉平茸の有毒化に影響したのではないかとする想定も報告されている。

中毒の発生機序:現時点では不明である。原因となる毒素は見出されていないが、シアンを含有する。シイタケ、マイタケなど食用のキノコにはない共役型脂肪酸類(エレオステアリン酸など)のほか、異常アミノ酸類やレクチンを含有する。
症 状:新潟県から報告された11例では、年齢は53-89歳、男性4例、女性7例。そのうち9例に種々の程度の腎機能障害を認めたが、半数以上は血液透析患者であったとされる。初発症状は眩暈、全身倦怠感、歩行困難であったが、嘔吐や下痢は伴っていない。更に数日後には振戦様不随意運動、ミオクローヌスが出現し、更に24時間以内に難治性てんかん重積状態に陥っている。しかし、脳炎や髄膜炎を示唆する発熱、頭痛、項部硬直は認められていないとされる。
腎臓に疾患のある人を中心に急性脳症を起こす。原因不明の中枢神経障害で、発症初期には脚の脱力感やふらつき、さらに数日経つと、筋肉の不随意運動が出現、その後急速に麻痺や全身性の痙攣、意識障害を起こし、脳浮腫が進行し、死亡する。主な症状は意識障害、不随意運動、上肢振戦、下肢脱力と報告されている。
診 断:特異的な診断法はなく、杉平茸の摂食の有無について詳細に問診する。
治 療:全身管理と対症療法を行う。新潟県の例では難治性てんかん発作の治療のため半数以上の症例で気管挿管・人工呼吸が行われている。また1例は入院後に血液透析を施行された。その他、治療として①胃洗浄、②吸着薬、③下剤、④輸液、⑤対症療法、⑥血液浄化法(重症の場合のみ)。
予 後:11例の予後は1例は軽快退院、6例は入院中、死亡4例であり、死亡率は約36%である。

1)成田傳蔵・編集協力:きのこ;株式会社北隆館,1997
2)黒川 顕・編:中毒症のすべて;永井書店,2006
3)厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル:キノコ:スギヒラタケ;http://www.mhlw.go.jpスギヒラタケ,2014.9.24.
4)長沢 英史・監:日本の毒きのこ;フィールドベスト図鑑,2003
5)森 博美・他:急性中毒ハンドファイル;医学書院,2011

                             [63.099.PLE:2014.9.24.古泉秀夫]

「スギヒラタケ」の喫食により発生した事故等の報道及び行政対応は次の通りである。

(1)新潟県によると、急性脳症を発症したのは、山北町4人、朝日村3人、広神村2人、荒川町1人、神林村1人の計11人。うち50歳代の男性と、60歳代、70歳代の女性の3人が死亡した。いずれも手足の震えや痙攣などの症状を訴えて、9月28日から今月14日までの間に県内の病院に入院し、急性脳症と診断された。発症前の2週間以内に自生のスギヒラタケを食べていた。現在も入院している7人の半数は意識障害などがあるという。県は「原因は特定できていないが、キノコ自体が原因とは考えにくい。コケや花粉など何かが付着していた可能性もあるとしている。」
また山形県も21日、9月以降に同県置賜地方の60歳代の女性と庄内地方の70歳代の男性の2人が、急性脳症の疑いで死亡していた発表した。同県保健薬務課によると、女性は入院前にスギヒラタケを食べていたことが確認された。13人はいずれも人工透析を受けたことがあるなど、腎機能が低下していた。新潟県は「スギヒラタケは食べても安全だが、腎機能に障害がある人は食べるのを控えた方がいい」と注意を呼び掛けている。
急性脳症:急性の中枢神経障害で、原因が特定できないものの総称。足がふらつくなどの初期症状が数日続いた後、自分の意思と関係なく手足が痙攣したように動く。その後、数時間から1日で、痙攣の悪化や意識障害にいたる。国内では集中して発生した例は過去にない [読売新聞,第46190号,2004.10.22.]。
(2)新潟、山形両県で50-70歳代の男女5人が急性脳症により死亡した問題で、秋田県内でも男女2人急性脳症で死亡していたことが22日分かった。他に2人が同様の症状で入院しているという。同県健康対策課によると、死亡したのは60歳代の男性と40歳代の女性。2人は先月から今月初めに掛け、急性脳症と診断されて死亡した。2人は新潟と山形のケースと同様、人工透析を受けるなど腎機能が低下していた。このうち死亡した男性は食用キノコ「スギヒラタケ」を食べていたという。入院している2人も腎機能の低下者で、スギヒラタケを食べていた。4人の死亡・入院は、県内の医療機関から同日夕、保健所に連絡が入った。一方、既に急性脳症による死亡が確認された山形県庄内地方の70歳代の男性も、スギヒラタケを食べていたことが22日、県により確認された。また、3人の死亡が確認された新潟県では、新たに3人に意識障害など急性脳症の疑いのあることが分かった。3人とも人工透析を受け、うち少なくとも1人はスギヒラタケを食べていたという。
厚生労働省は同日、腎機能が低下している人はスギヒラタケを食べるのを控えることを呼び掛けるよう、各都道府県などに通知した [読売新聞,第46191号,2004.10.23.]。
(3)新潟、山形、秋田の3県で原因不明の急性脳症が相次いでいる問題で、秋田県内で新たに60歳代の男女2人が急性脳症の疑いで入院していることが23日分かった。同県健康対策課によると2人はいずれも9月下旬に全身痙攣などの症状を示し、医療機関で診断を受けた。2人とも人工透析を受けているなどの腎機能低下者で、食用キノコ「スギヒラタケ」を食べていたという [読売新聞,第46192号,2004.10.24.]。
(4)新潟、山形、秋田の3県で原因不明の急性脳症患者が相次ぎ、計7人が死亡した問題で、新潟県は24日、県内の70歳代の女性が同日、急性脳症で死亡したと発表した。この女性は腎機能に障害があり、スギヒラタケを食べた後、意識障害などに陥り、入院していた。急性脳症による同県内の死亡者は4人目 [読売新聞,第46193号,2004.10.24.]。
(5)新潟、山形、秋田の3県で原因不明の急性脳症患者が相次いでいる問題で、秋田県は25日、新たに10人が発症し、うち2人が死亡していたと発表した。県によると、亡くなったのは60歳代男性と70歳代女性。この2人を含む計8人がスギヒラタケを食べていた。亡くなった2人は、9月下旬に意識障害や痙攣などの症状を示し、医療機関で診療を受けた。いずれも腎機能が低下し、人工透析を受けていたという。これで秋田県の発症者は計16人、死者は4人となった。福島県は25日、腎機能障害を治療中で、スギヒラタケを食べた70歳代の女性が急性脳症と診断されたと発表した。入院したが既に快方に向かっているという。9月14日にスギヒラタケを食べ、同27日に症状が現れたという [読売新聞,第46194号,2004.10.26.]。
(6)新潟、山形、秋田、福島の4県で原因不明の急性脳症が相次いでいる問題で、新たに山形、石川、宮城の3県で計5人が急性脳症と診断されたことが26日分かった。いずれも入院中だが、命に別状はないという。これで発症者は6県で35人が確認された。新たに発症が確認されたのは、山形県の80歳代の男女、60歳代の女性の計3人と、石川県に住む80歳代の女性、宮城県の60歳代の女性。5人とも腎機能が低下しており、発症前にはスギヒラタケを食べていたという [読売新聞,第46195号,2004.10.27.]。
(7)東北や北信越で原因不明の急性脳症患者が相次いでいる問題で、秋田県は27日新たに80歳代と60歳代の女性2人が急性脳症と診断され、死亡していたことを発表した。これで秋田県内の死者は6人となり、全国の死者は3県で計12人となった。県によると、2人は9月下旬に意識障害などの症状を示し、医療機関で診断を受けた。2人とも腎機能が低下していたうえ、発症前にスギヒラタケを食べていた [読売新聞,第46196号,2004.10.28.]。
(8)原因不明の急性脳症が相次いでいる問題で、山形県は2日、同県天童市の80歳代の男性が10月上旬に発症、下旬に死亡したと発表した。男性は人工透析を受けており、発症前にスギヒラタケを食べていた。厚生労働省によると、急性脳症と診断された患者は、1日現在で46人。死者は同県の男性で14人となった [読売新聞,第46202号,2004.11.3.]。
(9)新潟、秋田県など8県で、スギヒラタケを食べた人を中心に原因不明の急性脳症が起き、死者が出ている問題で、厚生労働省は4日スギヒラタケの成分分析と脳症の関連性を調べるために、緊急の研究班を設置することを決めた。同省では、感染症の可能性もあるとして、各県とともに患者や死者の血液、脳髄液を調べているが、これまでに細菌やウイルスの存在を示す検査結果は出ていないという。このため同省は、スギヒラタケの成分に、急性脳症を起こす原因物質があるとの見方を強めている。研究班は近く、国立医薬品食品衛生研究所の米谷民雄食品部長をトップに、自然毒や中毒などの専門家を中心に結成される見通し。急性脳症は先月21日新潟県に住む50-80歳代の男女11人の発症が報告された。その後、秋田県や山形県などの東北地方で相次ぎ確認され、今月2日現在で8県で46人、うち14人の死亡が確認されている。46人のうち43人が、食用キノコのスギヒラタケを食べ、腎機能に障害を持っていることが判明している [読売新聞,第46204号、2004.11.5.]。
(10)新潟、秋田など8県でスギヒラタケを食べた腎臓病患者が急性脳症を発症するケースが相次いでいるが、同じ地域で、昨年と7年前にもスギヒラタケを食べた腎臓病患者が急性脳症となり、1人死亡していたことが、日本腎臓学会の緊急調査で日5日明らかになった。"スギヒラタケ脳症"が今年だけの異常事態でなかった可能性が出てきた。厚生労働省も事態を重く見て過去の患者の洗い出しを進めることを決めた。同日東京都内のホテルで開かれた学会の緊急報告会で、学会理事の下条文武・新潟大教授が発表した。患者2人のうち1人は透析歴10年の60代女性。昨年9月、スギヒラタケを食べて数日後に足元のふらつきを訴え入院した。女性は今年9月にもスギヒラタケを食べて全身の痙攣と意識障害を発症、現在も入院治療が続いている。もう1人は透析歴5年の60代女性で、1997年10月1日にスギヒラタケを食べたところ、8日後に意識障害を起こし、11日に入院。6日後に死亡した。最近になって女性の夫が問題に気付き、当時の日記を調べ通報した。この他緊急報告会では、新潟県内の病院の協力でスギヒラタケを食べた透析患者290人を調査したところ、12人が発症、発症率は4%だったことが発表された [読売新聞,第46205号,2004.11.6.]
(11)東北地方などで原因不明の急性脳症患者が相次いでいる問題で、新潟県の70歳代の男性が11日、急性脳症で死亡した。県によると、男性は先月下旬、食用キノコのスギヒラタケを食べた後、痙攣などの症状を訴え、1週間後に入院したが、意識障害に陥って亡くなった。男性は腎機能に疾患があったという [読売新聞,第46211号,2004.11.12.]。
(12)秋田県は29日、急性脳症と診断されて入院した同県内の80歳代男性と50歳代女性が、それぞれ今月中旬と下旬に死亡したと発表した。2人とも腎機能が低下しており、発症前にスギヒラタケを食べていた。同県の死者は8人となった [読売新聞,第46299号,2004.11.30.]。
静岡大の河岸洋和教授(天然物化学)らのグループが、食べると急性脳症を引き起こす疑いのあるキノコ「スギヒラタケ」に毒性があることを、マウスを使った実験で突き止めた。29日に開かれる厚生労働省の「急性脳症の多発事例研究班」の第一回会合で報告する。グループは、今年、急性脳症の発症が相次いだ甲信越地方から約30キロのスギヒラタケを入手。エキスを抽出し、水に溶かしたり、熱を加えたりして、通常、人が摂取する際の10倍近い量を与えたところ、ほとんどのマウスが死ぬなどした。急性脳症との因果関係は不明確で、原因物質の特定もできていない。河岸教授は「これが研究のスタート。前提は腎臓の悪い人だが、健康なマウスでも多量に与えれば死ぬことがわかった。原因物質の特定には1年程度かかるだろう」と話している [読売新聞,第46228号、2004.11.29.]
野生のキノコ「スギヒラタケ」を食べた人の間に相次いだ急性脳症の原因究明のため、厚生労働省が設置した「急性脳症の多発事例研究班」の初会合が29日開かれ、動物実験が2件報告された。実験方法は異なるが、脳症患者の発生地域で採れたキノコには毒性があったが、患者報告がない地域で採れたキノコは毒性が認められないという結果が出ており、原因物質を特定する上で注目される。静岡大の河岸洋和教授(天然物化学)は、脳症患者が相次いだ地域から入手したスギヒラタケをすりつぶして水に溶かし、煮沸してエキスを抽出、濾過してマウスに与えたところ、マウス3匹は全て死亡した。濾過前のエキスを与えても、6匹中5匹が死亡した。高崎健康福祉大の江口文陽教授(健康栄養学科)は、群馬県や長野県などから採集したスギヒラタケからエキスを抽出し、健康なマウスに投与したが、変化はなかった。また腎機能を低下させたラットにエキスを投与したり、キノコそのものを食べさせたりしたが、発症しなかった。群馬、長野両県は、これまで患者の発生は報告されていない [読売新聞,第46299号,2004.11.30.]。
食用キノコ「スギヒラタケ」のエキスをマウスに注射すると、強い毒性で腎臓に障害がでることが、金沢大大学院の太田富久教授(天然物化学)の研究で明らかになった。昨年秋、東北・北陸地方で、腎障害を持つ人がスギヒラタケを食べて脳症を起こす例が多発したが、この原因解明の手がかりになると期待される。太田教授らは、昨年秋に東北・北陸地方で採れたスギヒラタケを90度で約30分加熱し、エキスを抽出。これをマウスのおなかに体重1gあたり1mgを注射したところ、10匹中7匹が1日以内に死んだ。死んだマウスは、赤血球が壊れてショックを起こした状態で、腎障害が起きていると見られた。100度で加熱して抽出したエキスは、毒性がなかった。味噌汁を作る程度の加熱では壊れない、毒性のある糖蛋白質等の物質が、スギヒラタケか、その表面に付着した細菌に含まれていたと見られ、これが血液中に入って赤血球を壊し、毒性を発揮した可能性がある [読売新聞,第46297号,2005.2.7.]。
2004年秋にキノコのスギヒラタケを食べた腎障害の患者が、相次いで急性脳症を発症した問題で、スギヒラタケに、筋肉の細胞を壊す毒性がある可能性を、高崎健康福祉大(群馬県)の江口文陽教授(キノコ学)が突き止めた。筋肉細胞の破壊は、腎不全や脳症につながることもあり得るため、「毒性解明の可能性が出てきた」。20日に秋田市で開かれる日本きのこ学会で発表する。江口教授は、正常なラットと人為的に腎不全にしたラットを、通常の餌を与える群とスギヒラタケを与える群に分け、それぞれ血液を分析した。スギヒラタケを食べた群では正常ラット、腎不全ラットとも、脳症の発生を示す酵素や、筋肉細胞の破壊を示す酵素が、血液から検出された。特に腎不全ラットでは、筋肉破壊を示す酵素が、正常ラットの5.7倍も多かった。骨格筋が融解・壊死(えし)する人間の病気としては、「横紋筋融解症」が知られている。壊れた筋肉細胞から流れ出した成分が、腎臓に負担をかけるため、急性腎不全を併発することが多い。また一般に、腎不全が重くなると、脳症を起こすことがある。仏とポーランドでは、スギヒラタケと同じキシメジ科のキノコ「キシメジ」を食べた人が横紋筋融解症になって死亡したとの報告がある。教授は別に、東北-九州の26都府県78地点で昨年秋に採取したスギヒラタケを、正常マウスに食べさせた。47地点のキノコに毒性があり、食べたマウスは12-48時間後に死んだ[毎日新聞,2006.9.19.]。

                                                            食安監発第1119001号
                                                            平成16年11月19日

都道府県
保健所設置市   衛生主管(部)局長 殿
特別区

                                      厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長

 

                      急性の脳症に疑う事案の発生について

標記については、平成16年10月22日付け健疾第1022005号、食安監発第1022003号により、スギヒラタケについて腎機能の低下している方への安全性が、確認されるまでの間、これらの方々に対してスギヒラタケの摂取を控えるよう注意喚起をお願いしたところですが、今般、新潟県から公表された急性脳症を疑う死亡例について照会したところ、腎機能障害の有無が不明であることがわかりました(スギヒラタケを発症3日前に摂食)。
つきましては、現在、急性の脳症を疑う事案についてスギヒラタケの摂食との関係に限らず広く原因究明のための調査に努めているところであり、原因が究明されるまでの間、念のため、腎機能の低下していない方も含めた一般の方に対し、スギヒラタケの摂食を見合わせるよう注意喚起をお願いします。

なお、平成20年に次の発文書が発出されている。

                                                                20消安第7339号
                                                            平成20年11月10日

各都道府県特用林産担当部長殿

                                          農林水産省消費・安全局農産安全管理課長
                                                        農林水産省林野庁経営課長

                          スギヒラタケの摂取について

スギヒラタケの摂取については、急性脳症を疑う事案が発生した平成16年10月以降、摂食を控えるよう毎年注意喚起を行ってきており、本年も「スギヒラタケの摂取について」(平成20年10月10日付け20消安第7339号農林水産省消費・安全局農産安全管理課長、林野庁経営課長通知)により通知したところです。
スギヒラタケと急性脳症の関係について、農林水産省委託プロジェクト研究の枠組みの中で「スギヒラタケ事件の化学的解明とその応用展開」を進めてきたところ、今般、スギヒラタケの成分が急性脳症発症の原因となる可能性を示唆する成果が得られました。つきましては、スギヒラタケの摂取を控えるよう、関係者への一層の注意喚起をお願いいたします。
なお、研究成果の詳細については、現在、学術論文として投稿する準備が行われているところですので、論文が公表されましたら改めてお知らせいたします。また、スギヒラタケの特徴、主な関係機関の連絡先及びQ&Aを林野庁のホームページ(http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h16-10gatu/1026sugihiratake2.htm)に掲載して情報提供を行っていますので参考としてください。