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「オオイタドリについて」

木曜日, 9月 25th, 2014

KW:健康食品・オオイタドリ・大痛取・大疼取・大虎杖・Reynoutria sachalinensis・Giant knotweed・ダイコジョウ

Q:健康食品としてオオイタドリの話を聞いたが、オオイタドリとはどのような植物か。

A:オオイタドリ(大疼取・大痛取)。タデ科イタドリ属。北海道及び本州中部以北に生える大型の多年草本である。漢名:大虎杖(ダイコジョウ/根茎)。学名:Reynoutria sachalinensis Nakai(同意語: Polygonum sachalinense)。英名:Giant knotweed。イタドリに似るが、イタドリより大型で壮大、葉の裏側がやや白っぽいことで区別される。北海道や東北では大群落をつくる。北海道のアイヌ民族では、傷の治療に葉を揉んで貼る等の治療に使用されていたと報告されている。

本州中部以北に分布する雑草。高さ2-3m、寒い地方の道端や林縁に生育する。茎は直立するが、多少弓形に傾く。葉は互生し、大型で卵形。先端は尖り、基部は心臓形にくぼむ。根茎は太く、中空で地中を横走し、根は網目状に分枝して、土砂に絡みつくので、崖崩れなどを防ぐ。新芽茎を生食、また漬物とする。通常塩を用いずにこの葉を混ぜて、酸味と赤色を帯びさせる。あるいは茹でて、2日位水に浸して煮て食べる。実は魚油に和え、煮て食べる。東北地方では油炒め、和え物、酢の物、サラダなど様々な料理に用いられる。但し蓚酸が大量に含まれているため、喫食する場合灰汁抜きが必要とされている。老茎は竹材に代用し、間垣(風よけの垣根)とする。

含有成分としてquercetin-3-rutinoside(ルチン)とする報告が見られる。その他タデ科の植物ではレスベラトロール(resveratrol)が含まれているとする報告も見られる。resveratrolは、スチルベノイド(スチルベン誘導体)ポリフェノールの一種。系統名は3,5,4′-trihydroxy-trans-stilbeneとされる。幾つかの植物でファイトアレキシンとして機能しており、またブドウの果皮等にも含まれる抗酸化物質として知られる。食品では赤ブドウの果皮と赤ワインなどに含まれる。ピーナッツの皮、イタドリ、グネモン等にも含まれる。また現在はサプリメントとしても市販されており、アメリカを中心に市場を拡げている。海外で主に使用されているresveratrol素材は、安価なイタドリ抽出物であるが、日本では、イタドリ抽出物は医薬品区分に含まれるため、違法サプリメントとなる。

またアントラキノン誘導体は、幾つかの植物、真菌、地衣類、及び昆虫に天然に存在する。植物ではアントラキノン誘導体はタデ科、クロウメモドキ科、マメ科、ツルボラン科、アカネ科などの様々な科の植物に存在する。アントラキノン誘導配糖体としては、ポリゴニン、フラボン配糖体、タンニン、エモジン、エモジンメチルエーテル等が含まれる。

虎杖(イタドリ)に含まれる成分として根にアントラキノン配糖体のポリゴニン、エジン、ポリダチン、レスベラトロール、エモディン、フィスシオン、クリソファノール等が含まれており、アントラキノン配糖体は緩下剤の効果があるとされる。葉にはビタミンC、レイノウトリン等が含まれている。根茎に含まれるresveratrolには長寿の効果があり、ポリゴニンには利尿作用がある。

1)佐合隆一:救荒雑草-飢えを救った雑草たち;全国農村教育協会,2012
2)廣田伸七・編著:ミニ雑草図鑑-雑草の見分け方;全国農村教育協会,2009
3)生化学的農業製品としてのアントラキノン誘導体:http://www.ekouhou.net/生化学的農薬,2014.7.23.

                 (2014.9.24.)