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「メルスモンの適応外使用について」

日曜日, 6月 23rd, 2013

 

KW:薬物療法・適応外使用・メルスモン・melsmon・胎盤絨毛分解物・胎盤・placenta・プラセンタエキス・placenta extract・ラエンネック・laennec

Q:メルスモンの使用方法-保険適応外使用について

A:メルスモン(melsmon;メルスモン製薬株式会社)は、胎盤絨毛分解物の水溶性物質で多種アミノ酸を含有する。本品2mL中には100mgの水溶性物質(エキス)を含む。添加物として無痛化剤、ベンジルアルコール0.03mLを含む等の報告がされている。

本品の成分である胎盤(placenta)抽出エキス(placenta extract)は、最近美容目的での用途が拡大しておりエステや化粧品業界で先行していたが、食品機能としても注目されるようになってきた。それに伴って、美容外科、診療所等でメルスモン等を用いて種々の治療が試みられている。

メルスモンの承認適応は『更年期障害、乳汁分泌不全』であり、それ以外の使用は全て適応外使用である。また、ヒト胎盤由来製剤であるラエンネック(laennec;株式会社日本生物製剤)の承認適応は『慢性肝炎における肝機能の改善』であり、本剤の場合もその他の使用例は適応外使用である。なお、ラエンネックでは薬効・薬理として肝再生促進作用・抗脂肝作用・組織呼吸賦活作用・間質結合織の吸収促進作用等が報告されている。

placenta extractの薬効・薬理については、作用機序については未だ十分明らかではないが、細胞呼吸促進・創傷治癒促進・抗疲労等の諸作用が認められており、これら多種多様な生物学的活性作用が広汎な生体過程への賦活作用を示し、組織細胞の新陳代謝を高め、身体の異常状態を正常化するとしている。

その他、現在までに報告されている薬理作用として自律神経調整作用、強肝・解毒作用、基礎代謝向上作用、免疫賦活作用、抗炎症・創傷回復促進作用、内分泌調整作用、血行促進作用、造血作用等がある。また、抗アレルギー作用、肉芽形成促進作用、疲労回復作用、貧血改善作用、抗突然変異作用等が確認されているの報告も見られる。

placenta extractの現在までに確認されている成分は、下記の通りであると報告されている。

核酸関連成分 ウラシル、アデニン、グアニン、チミン、シトシン等
アミノ酸 リジン、アラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グルタミン酸、グリシン、バリン、セリン、チロシン、フェニルアラニン、スレオニン、アルギニン、プロリン、シスチン、イソロイシン、メチオニン、ヒスチジン等
ミネラル ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄等
その他 キサンチン等

両剤の承認適応以外での使用は、何れも自費扱いであり、ルール上は全ての診療が自費扱いとされる。

1)メルスモン添付文書,2000.4.改訂
2)医学大辞典;南山堂,1992
3)健康産業流通新聞,2000.6.8.
4)ラエンネック添付文書,1999.4.改訂

[035.1.MEL:2001.7.17.古泉秀夫]