トップページ»

「スローKとアスパラ細粒の対応量」

火曜日, 11月 27th, 2012

 

KW:臨床薬理・対応量・スローケー錠・アスパラカリウム細粒・potassium L-aspartate・potassium chloride・K・K.C.L.エリキシル・グルコンサンK細粒

Q:スローケー錠の剤形が大きいためアスパラカリウム細粒に変更する場合、対応する量について

A:各製剤について、次の通り報告されている。
アスパラカリウム錠300mg・アスパラカリウム散50%(田辺三菱)は、L-アスパラギン酸カリウム(potassium L-aspartate)製剤で1錠中に300mg(K+:1.8mEq)・1g中に500mg(K+:2.9mEq)を含有する製剤である。尚、本品の用法及び用量について『L-アスパラギン酸カリウムとして、通常成人1日0.9-2.7g(錠:3-9錠、散:1.8-5.4g)を3回に分割経口投与する。なお、症状により1回3g(錠:10錠、散:6g)まで増量できる。』とされている。

スローケー錠600mg(ノバルティス)は1錠中(日局)塩化カリウム(potassium chloride)600mg(カリウムとして8mEq) を含有する徐放性カリウム剤である。尚、本品の用法及び用量について『通常成人は1回2錠を1日2回、食後経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。』とされている。

両製品の対応量を見る場合、カリウム含有量での比較が必要で有るが、

アスパラカリウム散50%

2.9mEq/g

3.24mEq-9.72
mEq/日
スローケー錠 8 mEq/錠 32mEq/日

スローケー錠1日量(4錠)は32mEqで、アスパラカリウム散1日量(1.8-5.4g)は3.24mEq-9.72mEqと算出できる。単純に対応量を算出した場合、約10倍の投与量と計算できる。アスパラカリウム散で1日18g-54gいうことで、服用量の関係で単純に対応量を服用させると云うことにはならない。

従って、患者が剤形の問題で、スローケー錠を服用できないというのであれば、医師と相談し、患者が必要とするカリウム量を決定し、アスパラカリウム散として投与量を決定することが必要である。

その他、K.C.L.エリキシル(1.34mEq/mL)、グルコンサンK細粒(4mEq/g)等への変更も検討する。

1)アスパラカリウム錠・散添付文書,2010.10.
2)スローケー錠添付文書,2012.10.
3)高久史麿・他編:治療薬マニュアル2012;医学書院,2012

          [015.4POT:2012.10.10.古泉秀夫]