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『国会議員の能力』

木曜日, 4月 26th, 2012

            魍魎亭主人

田中 直紀氏が防衛相に任命された。総理が防衛相に任命するほどであるから、それなりの人材なのではないかと思えるのだが、どうやらそうではなかったようである。防衛大臣が駄目なら、何処の大臣なら収まりが付くのかということになるが、甚だ申し訳ない話であるが、例え何処の大臣であれ、器そのものが大臣の器だとは思えない。

しかし、彼は国会議員の期間は長いはずである。それにも拘わらず、国会議員としての適正まで疑われる状況になっているが、彼が国会議員であることの必然性はあるのであろうか。単なる会社勤めの会社員ではない。少なくと政治家としての志があって、国政に参加しているはずである。国の防衛は最も重要な課題の一つであり、政治家である以上、自身の基本的な立ち位置として、常に考えて置くことが必要なのではないか。

政治家を志し、立候補する時に、国会議員になって何をするのか、あるいは何をしたいのかが明確になっていなければおかしいのではないか。その目的を果たすために、国会議員になると云うことであれば、自分が希望する分野について十分に勉強して、その分野に精通する。その結果大臣という席が用意され、十分に能力を果たすことが出来るのではないか。

その意味からすれば、彼の防衛大臣は、例え順送りの人事、派閥均衡の人事で指名されたとはいえ、丁重にお断りすることが分を辨えた対応だと云うことではなかったのか。

それはさておき、国会の質問を見ていると、大所高所から国の防衛の根幹に関わる問題について論議をするならいざ知らず、重箱の隅をつつくような質問を執拗に続けている。傍から見ていると、国会という非現実的な舞台で、茶番劇を演じているとしか思えないが、何時まで仮想世界で遊んでいるつもりなのか。テレビで放映されると云うことで、ここぞとばかり追撃しているつもりなのだろうが、次元の低い質問が繰り返されているのを見ると、もっと違うことでせめぎ合えやとうんざりしてしまうのである。

所で見渡す所、民主党という政党には人材が居ないのだろうかという疑問を持ってしまう。永年の野党の党首という口先サービスの癖が抜けず、出来もしない沖縄の基地問題で安請け合いをし、完全に読み違いをした鳩山氏、原子力発電所の爆発という、国家緊急の事態に直面し、全く打つ手のなかった菅氏は、受け狙いで行動するという市民運動家の弱点を克服できず、野垂れ死に同然で総理の席を降りた。

所で小澤さんは、消費税よりは先にやるべき改革があると、しきりに発言しているが、具体的な話は一言もしゃっべっていない。何が出来るというのか。政治家であれば、これ以上国の借金は増やせない。税収を確保しなければならないということは解っているはずである。国民に解るように具体的な話をすべきである。谷垣自民党総裁も解散、解散以外具体的なことは何も云ってないが、解散総選挙で、自民党が政権復活可能なほど、議席を獲得できるとは思えないが、それでもいいと云うことなのか。

Mass mediaの発表を見ている限り、どの政治家も国民・国家のことを考えていると思えないが、どうされるつもりで議員をやっているのであろうか。議員になれば生活は安定し、勉強する時間は幾らでも取れる。懸命に勉強し、それぞれの専門分野の中で、どうすれば国民・国家のためになるのか、真剣に考えて貰いたいものである。

それにしても政治家が小粒に為り過ぎたのだろうか。

                 (2012.4.4)