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「ネズミモチについて」

火曜日, 1月 4th, 2011

KW:薬用植物・ネズミモチ・女貞子・トウネズミモチ・成熟果実・抗菌作用・強心利尿作用・白血球減少改善作用、免疫増強作用、肝庇護作用

Q:消化器系に効果があるということでネズミモチを飲んでいる人が居るが、脳梗塞にも効果があるか

A:ネズミモチ、モクセイ科イボタノキ属。Ligustrum japoniccum Thunb.。和名:鼠黐。別名:タマツバキ。生薬名:女貞子(じょていし)。果実がネズミの糞、木がモチノキに似ることからこの名前がついた。関東以西から沖縄、及び朝鮮半島、台湾、中国に分布する。山地に生え、生垣などに栽培される常緑低木。
[成分]oleanolic acid(オレアノリン酸)、nuzhenide、betulin、lupeol、salidroside、palmitic acid、acetyloleanolic acid(アセチルオレアノリン酸)、ulsolic acid(ウルソール酸)、ブドウ糖、mannitol、脂肪油などを含んでいる。
[薬理作用]抗菌作用、oleanolic acidは強心利尿作用がある。mannitolは緩下作用を有する。抗癌剤や放射線療法による白血球減少に改善作用、免疫増強作用、肝の庇護作用。

女貞子[モクセイ科のOleaceae女貞、Ligustrum lucidum AITON.。トウネズミモチ(唐鼠黐)の成熟果実を乾燥したもの。
[異名]女貞実、冬青子(トウセイシ)、爆格蚤(バクカクソウ)、白蝋樹子(ハクロウジュシ)、鼠梓子(ソシシ)。原植物異名:貞木、女貞木、冬青、蝋樹、小葉凍青、将軍樹、水蝋樹、水瑞香、凍青樹。
主産地:浙江、江蘇、湖南、福建、広西、四川など。

[成分]
□果実はoleanolic acid、mannitol、glucose、palmitic acid、stearic acid、oleic acid、linoleic acid(リノール酸)を含む。
□果皮はoleanolic acid、acetyloleanolic acid、ulsolic acidを含む。
□種子は脂肪油14.9%を含み、脂肪油中では、palmitic acidとstearic acidが19.5%、oleic acid、linolenic acid(リノレン酸)等が80.5%となっている。
[薬理]oleanolic acidには強心・利尿作用が若干ある。mannitolには緩下作用があり、また、多量のglucoseが含まれている。これらは強壮作用と関連があると思われる。動物に対する毒性は極めて低く、ウサギに1回75gの新鮮な成熟果実を与えたが、中毒症状は出なかった。

image[薬効と主治]肝腎を補う。腰や膝を強めるの効能がある。筋骨を壯にする。精力を強める。髭や頭髪を黒くする。
その他、[古典的薬理薬能]として、味は甘くやや苦い、薬性は平性。特異的に作用する臓腑は肝臓、生殖器系。薬理薬能:肝腎陰虚による頭重感、眩暈、耳鳴り、視力低下、かすみ目、若白髪などの病態に適応されているとする報告も見られる。

[適応病症]肝腎陰虚による視力低下、目のしょぼしょぼ感、かすみ目、足腰の重感無力感、若白髪などの病態では、一般に旱蓮草(カンレンソウ)と配合する(二至丸:ニシガン)。初期白内障や眼疾患、特に中心性視網膜炎など、肝腎陰虚証の病態を呈する場合、枸杞子、莵絲子(トシシ)、楮実子(チョジツシ)等を配合する。

陰虚証で熱感性症候として五心煩熱、眩暈、耳鳴りなどの病態が著しい場合、生地黄、地骨皮、牡丹皮などを配合する。現代では白血球減少症や全身機能低下、免疫力の低下した病態に多く用いられ、黄精、