総理の人気

  魍魎亭主人

 

何時も不思議に思うことの一つが、新聞やテレビで騒ぐ総理の人気という話題である。役者や歌い手がその人気に一喜一憂することは解るが、一国の総理に対して井戸端会議宜しく、マスコミが騒ぐのはどういう訳か。つい最近まで、マスコミ受けする総理が居て、マスコミも適当に煽りそそのかした結果、恰も国民的な人気があるような錯覚を与え、どさくさ紛れに国民生活に大きな歪みを押しつける結果だけを残して退陣した総理が居たが、その後は参院の捻れに災いされてか、短命総理が二代続いた。しかしこれもある意味でいうと、マスコミが騒ぐ人気騒ぎに影響された結果ではないかと思っている。

だいたい総理大臣が、大衆的な人気を得るために、大衆迎合的な政策を行うということは、有ってはならないことなのではないか。確かに耳障りの良いことを言い続ければ、大衆的人気は得られるかもしれないが、それが必ずしも国家の運営方針として正しいのかどうかは解らない。大衆的に口に苦い政策で有っても、必要なものは実行しなければならない。総理大臣の評価は、国民のためにどの様な政策を実行したかで決まるのであって、短期に結果が出なければならないというものばかりではないはずである。少なくとも20年30年の長さで展望できる政策でなければ話にならない。勿論短期決戦を求められるものもあるかもしれないが、総体としてどうかという評価でなければならないのではないか。

特に高齢化社会を迎える我が国にとって、老老介護などはいずれ破綻を来す。その意味では医療・介護に優秀な人材を確保できるだけの財政投資は是非とも必要である。

最近の病院の荒廃、福祉関連職場における人手不足等の現状を見れば、医療・福祉に予算付をすることの重要性は、誰が考えても解る話である。更に派遣労働者の労働条件の確立も重要である。このまま放置しておけば、失業者は更に増え、税金を払わない国民ばかりが増えることになる。自動車やテレビなどの製造業が、国民全体を雇用する場を提供することは困難である。今こそ農業、漁業の就業者の確保、医療・福祉への人材の確保。国内で大きく雇用を吸収できる部分に、人材確保のための施策を立てることが今求められているのではないか。

長期的な展望を示し、その見通しに立って財源の確保を考えるなら、消費税の税率を上げることもやむを得ない。高齢化社会を迎える中で、働き手の多くが高齢化している農業・漁業にどの様な人の配置をするのか。また、医療・福祉にどの様に人の手当をするのか、国民の老後を保障する年金、医療、介護の問題をどうするのか。目先の問題ではなく、長期のわたる展望を示すべきであって、直近の課題での一喜一憂に集約することは避けるべきである。

更に言わせて戴ければ、国会議員諸氏は、何のために国会議員になったのか。何かやりたい政策があり、その達成のために政治家になったのではないのか。もしそうであるなら、人気のある総理とポスターの写真を撮る等というのは茶番ではないのか。政策実行に向けて、貴方が何をやったのか、その実績を訴えることで選挙戦を戦うべきであって、人気のある国会議員?と一緒に写した写真をポスター掲載することで当選するというのでは、立候補する方は貴方でなくても良いと判断されてしまうのではないでしょうか。

   (2009.4.18.)