「アルツハイマー病治療薬リバスチグミンについて」
KW:薬名検索・アルツハイマー病・リバスチグミン・rivastigmine・エクセロン・ENA713D
Q:アルツハイマー病治療薬リバスチグミンについて
A:リバスチグミン(rivastigmine)は、アルツハイマー型認知症の治療薬で、経皮吸収型製剤として、ノバルティス-小野薬品の両社で共同開発している薬剤である。
治験記号:ENA713D
剤 型:経皮吸収型貼付剤(パッチ剤)。
投与方法:1日1回貼付する。
*本剤は、アルツハイマー型認知症治療薬としては初めての経皮吸収型製剤であり、国内では現在第II相臨床試験が実施されている。今後、両社が積極的に協力して臨床開発に取り組むことにより、早期の製品化が期待される。
*アルツハイマー型認知症は、記憶や思考、行動に関して重要な役割を担っているacetylcholine(脳内神経伝達物質)の脳内生成が減少することによって発症するとされている。rivastigmineは、脳内神経伝達系を活性化するcholinesterase inhibitors(コリンエステラーゼ阻害薬)の一種で、acetylcholineの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ、ブチリルコリンエステラーゼの双方を阻害する薬剤として期待されている。
*アルツハイマー型認知症に、アセチルコリンエステラーゼが深く関与することは知られているが、一方で、病態の進行に伴ってブチリルコリンエステラーゼの関与がより深くなってくることが報告されている。rivastigmineは二つの分解酵素を阻害し、脳内acetylcholineの有効利用を促進することから、アルツハイマー型認知症患者の症状の進行を抑制することが期待されている。
*rivastigmineの経口剤であるエクセロン®カプセルは、アルツハイマー型認知症治療薬として1997年にスイスで最初に承認され、現在海外70カ国以上で使用されている。rivastigmineを経皮吸収型貼付剤として新たに開発することで、介護者が使用状況を容易に確認できるなど利便性が向上すると共に、アルツハイマー型認知症の新たな治療の選択肢を拡大するものと期待されている。
*アルツハイマー型認知症は、進行性疾患であり、徐々に脳が変性退化することで記憶や思考、行動が減退する。世界では1,000万人、日本ではおよそ100万人の患者がいると推定され、65 歳以上では、2-6%の人が発病しているとされる最も発症頻度の高い認知症である。アルツハイマー型認知症はこの年齢層において、心血管系疾患、がんに次ぐ第3番目の死亡原因である。
1)報道用資料;ノバルティス ファーマ株式会社-小野薬品工業株式会社,2005.12.12.
2)治験薬一覧;New Current,17(28):25(2006.12.20)
[011.1.RIV:2007.4.9.古泉秀夫]