『アルツハイマー病治療薬memantineについて』

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Q:アルツハイマー病治療薬memantineについて

 

A:1982年、独逸において痴呆治療薬として使用されていた塩酸メマンチン(memantine HCl)が、アルツハイマー病の治療薬として、米国で最新の話題となっている。本剤は一部の試験で中等度から重度のアルツハイマー病に有効であることが示唆された。

化学名:1-amino-3,5-dimethyladamantane hydrochloride。CAS-41100-52-1

商品名:Namenda(米・Forest Laboratories社)。

別 名:Axura(Merz)、Ebixa(Lundbeck)。

治験記号:SUN-Y-7017(第一サントリーファーマ-第一製薬)。剤型:錠剤・液剤。

□アルツハイマー病に見られる退行性変化は、主にβ-アミロイドの蓄積に関連していると考えられている。β-アミロイドは色々多くの影響を及ぼすが、その中の一つは刺激性の神経伝達物質で、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体の賦活剤であるグルタミンの伝達を阻害することである。グルタミン酸伝達は、学習と記憶に重要だと考えられている。NMDA受容体拮抗薬であるmemantineの使用を支持する説は、NMDA受容体におけるグルタミン酸の過剰刺激がニューロンに毒性を与えるというものである。

□本品の分類はN-メチル-d-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト、グルタミン酸受容体のNMDAサブタイプ・アンタゴニスト、認知促進薬。適応症はアルツハイマー病の中等度ないしアルツハイマー型認知症。他の疾患における記憶障害。軽度認知障害。慢性頭痛。

□低ないし中等度の親和性を持つ非競合的(チャンネル開口)NMDA受容体アンタゴニストであり、NMDA受容体が調節する陽イオンチャンネルに優先的に結合する。アルツハイマー病で想定されている過剰なグルタミン酸遊離による持続的なNMDA受容体の活性化は恐らく阻害する。症状を改善し疾患の進行を遅らせることがあるが、変性過程をもとに戻すことはない。

副作用:恐らくNMDA受容体での過剰な作用による。ふらつき、頭痛、便秘。希にてんかん発作。

 

[011.1.MEM:2007.2.9.古泉秀夫]

 

1)Medical Letter<日本語版>,17(13)53(2001)
2)仙波純一・訳:精神科治療薬処方ガイド;メディカル・サイエンスインターナショナル,2006