アロエとワーファリンの相互作用

KW:健康食品・漢方薬・相互作用・アロエ・キダチアロエ・ワーファリン・ビタミンK含有量

Q:アロエとワーファリンの相互作用。アロエジュース中にビタミンKは含まれているか。

A:キダチアロエロイヤルエキス(株式会社ひらたヘルシー;群馬県群馬郡群馬町棟高1675-20TEL.0120-40-3433)の分析資料によれば、次の含有成分が報告されている。

分析試験項目 結果
水分 98.2%
蛋白質 0.1%[窒素・蛋白質換算計数;6.25]
脂質 0.1%
繊維 0
灰分 0.5%
糖質 1.1%[計算式:100-(水分+蛋白質+脂質+繊維+灰分)]

また、アロエ中の主な成分一覧として、次の資料が紹介されている。

植物フェノール類
アントラキノン類 アロエエモジン、クリソファノール、ラバルベロン、ラムノサイド
クロモン誘導体 アロエシン、フェルロイアルアロエシン、クマロイアルアロエシン
糖類-単糖類 グルコース、キシロース、マンノース、アラビノース、フルクトース、ガラクトース
糖類-多糖類 セルロース、アルドナンテーゼ、ムチン、D-マンノース
ビタミン類 ビタミンA,B1,B2,B6,B12,C,E,パントテン酸、葉酸
ミネラル類 カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、クロム、銅、ゲルマニウム、塩化物、硫酸塩
アミノ酸類 トリプトファン、ロイシン、イソロイシン、リジン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン
酵素 アリナーゼ、アミラーゼ、カタラーゼ、オキシダーゼ、リパーゼ、アロエカルボキシペプチダーゼ、プロテアーゼインヒビター、アロエレクチン様物質、TNF様物質、アンチトリプシン中和物質、トリプシン様プロテアーゼ、セルラーゼ
その他 ヘキスロン酸、ペテログルタミン酸、グルクロン酸、タンニン、葉緑素、植物ホルモン、カサンスラノールI・II、アロエチン酸ペンタヒドロキシフラボン、ヒドロキシクロモン、サポニン、カルシウムオキサレート、ムコポリサッカラーゼ複合体、ミルセンリモネン、コニフェニールアルコール、2-メチル-2- フィチン-6-クロマノール、グルコサミン、ヘコゲニン、サボゲニングルコシド、コリン、コリンサリチル酸塩

 

以上の成分表中に具体的にビタミンKの記載はされていない。

但し、その他の成分中に「葉緑素」の記載がされており、植物の光合成において葉緑素の生成にビタミンKが重要な役割を果たしているとする報告もされていることから、葉緑素が存在する植物ではビタミンKがその成分中に存在することは否定できない。また、ワーファリン錠の添付文書中に上記成分との相互作用の記載はされていないが、アロエ中に含有する成分の全てについて、薬理作用等が解明されているとは限らないので、ワーファリン錠服用中の患者がアロエジュースを飲用している場合、アロエジュースの飲用中断はないと仮定して、トロンボテスト等の検査結果を見ながら判断する。

その他、日本薬局方の記載を参照すると、アロエ(aloe)、別名ロカイ。アロエ末のラット経口投与による潟下効果はbarbaloin含量に比例し、塩酸テトラサイクリン前投与で著明に減弱するが、これはbarbaloinの腸内菌による代謝的活性化を示唆するものである。ヒト糞便菌叢又はラット盲腸内菌叢の作用でbarbaloinからaloe-emodinanthroneの生成が認められるが、この代謝物はラット結腸粘膜の傍細胞透過性を増大させることなどにより、結腸内腔液量を増加させる。アロエ及びaloinは、ヒト又はラットにおいて排便促進作用を有する。

本品の副作用として、大量の服用は腹部の疝痛と骨盤内臓器の充血を起こすので、妊娠時、月経時、腎炎、痔疾の場合などには注意するとされている。

[510.FD38.015.2ALO][1996.7.8.・1999.3.22.一部改訂.古泉秀夫]


  1. 株式会社ひらたヘルシー・私信1996.5.31.
  2. 第12改正日本薬局方解説書;広川書店,1991
  3. ワーファリン錠添付文書,1995.7.改訂
  4. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:NHS.DI-News,No.1556,1997.6.11.より転載。