貴宝寿茸について

KW:健康食品・貴満寿茸・貴宝寿茸・マイタケ・舞茸・成分

 

Q:患者から「貴満寿茸」を摂取して良いかとの質問を受けた。健康食品のようであるが、これはどのような製品なのか

 

A:「貴満寿茸」では検索できなかったが、「貴宝寿茸」と称する商品は確認できた。

本品は三光純薬[03-3862-3261]が、従前、商品として扱っていたが、現在は販売していないの回答が得られた。

同社からの回答によれば、本品は通常食用にされているマイタケと同一のものであるということである。

なお、マイタケについては、次の報告が見られる。

サルノコシカケ科マイタケ属マイタケ(Grifola frondosa S.F.Geay)。

秋に栗、楢その他の朽木や老大木の根本に群生。1年生で材の白ぐされを起こす。分岐した多数の扁平な傘が前後左右に重なって張り出した形をしている。傘の表面は灰白色又は暗褐色、裏側は白色で、白色で浅い管孔を密生している。胞子は管孔の内面に形成される。

貴宝寿茸の成分

疎蛋白 粗脂肪 炭水化物 灰分
3.7g 0.7g 3.8g 0.8g

舞茸の一般成分(可食部、乾物:%)[水分:91.8%]

蛋白質 脂質 炭水化物-糖質 炭水化物-繊維 灰分
41.1 7.8 26.7 15.6 8.9
無機質
Ca P Fe K Na
11mg% 1,444mg% 6mg% 6,832mg% 11mg%
ビタミン
B1 B2 ナイアシン
2.78mg% 5.40mg% 101.1mg%

 

和名はその姿が舞っていることによる。食用として有名。本品は健康食品として市販されているため、医薬品に類する詳細な成分分析結果を入手することはできないが、通常、食用として摂食されているものであり、本品を使用することに特に問題はないものと考える。

また、医薬品との相互作用については、報告されていないが、1回の摂取量が大量に及び場合、本品中に含まれる繊維の吸着作用により薬物の排泄が促進される可能性もあるため、適量の範囲内にとどめることが必要であると考えられる。

[1996.5.9.古泉 秀夫] [1998.10.23.一部修正]


  1. 牧野 富太郎:原色牧野植物大図鑑 続編;北隆館,1987
  2. 久郷 晴彦:アガリスク・ブラゼイの薬効;株式会社ヘルス研究所,1994.12.30.
  3. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:NHS.DI-News,No.1486,1997.2.38. 収載