クコ茶について

KW:漢方薬・枸杞・枸杞茶・クコ茶・枸杞子・地骨皮・ジコッピ・枸杞葉・血行改善・消化管分泌促進・消化管運動促進

Q:クコ茶について

A:枸杞は古くから漢方薬の上薬として珍重されてきた。

枸杞:ナス科、Lychium chinense Miller(Chinese Matrimony-Vine)。果実(枸杞子)と根の皮(地骨皮:ジコッピ)、枸杞葉(盛夏に採取)等が使用される。枸杞茶の場合は若葉を日干しにして作る。

疲労回復に枸杞酒がよい。枸杞子200gにグラニュー糖200gを加え、ホワイトリカー1.8Lに約2カ月漬けてから毎日ワイングラス1杯ほど飲用する。高血圧症に乾燥した枸杞葉5?10gを煎じて服用する。

使用部分 成分 効力
枸杞子 ベタイン、ゼアキサンチン

フィリイエン等のアルカロイドが含まれているほか、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等の必須アミノ酸5種が含まれている。

血行改善。ベタインは消化器系の分泌、運動を促し、神経の伝達が円滑になり、胃腸病に対して間接的効果を発揮、ひいては便秘の解消。

アルカロイドは神経に働きかけ疲労した神経を興奮させる。アミノ酸も多く、蛋白質はほうれん草の2倍含有しているが、アルカロイドによる強壮作用。

枸杞葉

ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2。蛋白質
(ほうれん草の2倍)。メチオニン。ルチン(ビタミンP)。硝酸カリ等。

葉緑素 、枸杞タンニン。

毛細血管等の血管壁強化、動脈硬化予防。ルチンは体内の活性酸素消去作用と相俟って、毛細血管強化作用があり、高血圧症や低血圧症に有効とされる。これは血管が強化されることにより血行が順調になるからで、高血圧症の症状として発現する肩こり、頭痛、手足のシビレが改善され、動脈硬化の予防に役立つ。逆に低血圧ではルチンの作用とビタミンCの貧血に対する作用が効果的である。

更に葉の葉緑素に肝臓の解毒作用を助ける働きがあるため、肝臓病の予防・治療に効果があるとされる。

葉緑素に共通の性質で、体内に取り込まれるとアルカリ性に働き、体内の酸毒症状を改善するので、疲労回復、ストレスの防止、肝臓の強化あるいは利尿作用の促進等に効く。

葉中に含まれる枸杞タンニンは、酸化還元作用を持ち、老化を防ぐとともにガンの予防にも効果が期待されている。

地骨皮 ベタイン、リノール酸

ベタインによる作用とリノール酸によるコレステロールの沈着防止がいわれている。

 

[015.4LYC:2000.6.23.古泉秀夫]


  1. 伊澤一男:薬草カラー大事典;主婦の友社,1998
  2. 奥田拓道:健康・栄養食品事典;東洋医学舎,2000-2001