黒酢について

KW:健康食品・黒酢・クロズ・食効・伝承医療

 

Q:黒酢の成分等について

A:黒酢は原料となる米の品質のみならず醗酵並びに熟成に年単位の時間をかけるところに健康効果を生む鍵があるとされている。

一般の米酢は蒸し米に麹菌を混ぜ、アルコール発酵を進めてから酢酸菌を加えて酢酸発酵を促し、そのモロミを搾って製品化するが、、それから更に1年、 2年と適正環境下で熟成を進めると麹菌や乳酸菌の作用で次第に琥珀色に色づく。

その色から「黒」の文字が冠せられているが、色だけでなく、有機酸、水溶性ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの有効成分も大幅に加わる。

戸外に並べた「アマン壺」という薩摩焼きの壺でこの醗酵・熟成の全行程を行うのが鹿児島伝統の「つぼ酢」である。その黒酢を薄めて日常的に飲むことで顕著な高脂血症の改善、HDLコレステロールの増加作用、血糖値の降下、血圧降下、抗アレルギー作用が見られるとの報告がされている。

その他、黒酢は南九州で伝統的に作られてきた酢で、米酢の熟成期間を長くして色を濃くした独特の香味のある酢である。必須アミノ酸とクエン酸、リンゴ酸、アスパラギン酸などの有機酸、鉄、亜鉛、銅等のミネラル分を多く含んでいる。これらの成分の協合的な働きにより、腸運動の改善により便秘を解消する。疲労物質である乳酸を減少させ、疲労を回復させる。過酸化脂質、コレステロールを減少させるため、動脈硬化や高血圧を防ぐ。

黒酢の成分分析資料は入手できなかったが、参照までに通常使用されている米酢の成分について、以下に紹介する。

米酢の成分(可食部:100g、エネルギー:32kcal)

水分 蛋白質 炭水化物-糖質 灰分 Ca P Fe Na K
98.6g 0.2g 5.0g 0.7g 2mg 4mg 0.1mg 290mg 6mg

 

Mg Zn Cu ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン 食塩相当量 酢酸
5mg 190mg 3mg 0.01mg 0.01mg 0.1mg 0.7g 4.5%

 

[015.9BUR:2000.5.1.古泉秀夫 ]


  1. 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典2000-2001;東洋医学舎,2000
  2. 黒酢の効能:www.nava21.ne.jp/,2000.4.8.現在
  3. 香川芳子・監修:四訂 食品成分表;女子栄養大学出版部,1999